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議題1 別紙1 (3 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_43370.html
出典情報 先進医療会議(第135回 9/5)《厚生労働省》
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婦人科悪性腫瘍に対する腹腔鏡下根治術は、子宮体癌・子宮頸癌に関しては
内視鏡手術手技に習熟した婦人科腫瘍専門医が属した手術チームの下、多くの
施設ですでに行われており多数の症例が蓄積されている。今回の技術は、
卵巣癌にする標準的術式である子宮全摘術+附属器摘出術±大網切除術±
後腹膜リンパ節郭清術を内視鏡下で行おうとするもので、海外では多数の文献
が発表されており、後方視的に腹腔鏡下手術と開腹手術を比較した論文では
腹腔鏡下手術は開腹手術と同様の全生存率・無再発生存率を示すと報告されて
いる。しかし、本邦では卵巣癌に対する腹腔鏡下根治術は保険収載されて
いないため、現時点では普及していない。しかし、日常的に子宮体癌
子宮頸癌に対する内視鏡手術を行っている施設では、卵巣癌に対する腹腔鏡下
根治術は、基本的に子宮体癌や子宮頸癌に対して行う手術とほぼ同様の手術
であるため困難な技術ではないと考える。
なおⅢ期以上の卵巣癌では、腹膜、腸管漿膜面などの腹腔内に播種病変を伴う
ものがあるが、播種病変の場所、数や大きさによっては外科・泌尿器科医師の
協力を得ることによって完全摘出可能になるものも多い。術前検査の結果、
完全摘出が難しいと考えられる症例に対しては、術前化学療法を施行すること
によって摘出可能となる症例が半数以上ある。よって卵巣癌の対象症例を、
1)初回手術として摘出可能と判断される卵巣癌
2)術前治療を行った後、摘出可能と判断される卵巣癌
とわけることも妥当と考えられる。
開腹による卵巣癌根治術は剣状突起から恥骨までの大きな切開が必要となり
術後の疼痛も強く、術後の腸閉塞もしばしば経験し、患者にとってはQOLを
下げることの多いつらい手術であるが、将来腹腔鏡下の根治術の保険収載が
可能となればQOLの面でも患者のメリットは大きいと考えられる。

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