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参考資料1 岡村班 総合研究報告書_2019~2021 抜粋 (11 ページ)
出典
公開元URL | https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_26370.html |
出典情報 | 第4期特定健診・特定保健指導の見直しに関する検討会 健康増進に係る科学的な知見を踏まえた技術的事項に関するワーキング・グループ(第3回 6/22)《厚生労働省》 |
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多い。これは高血圧を調整しても、高血圧
0.90 群で約 1.6 倍であった。また上腕動脈
の有無で層化しても認められる場合が多く、
-足首動脈間脈波伝播速度(baPWV)の増加
高血圧性の臓器障害や仮面高血圧の影響な
は循環器疾患発症のリスクを高めるという
どが考えられる。少なくとも同じ血圧レベ
報告もあった。
メタ分析結果にもとづくと、
ルの場合、よりハイリスクな者を選定する
baPWV の 1 標準偏差(約 4m/s)上昇あた
検査としては適していると考えられた。
りの相対危険度(ハザード比)は約 1.2 倍
心電図は、基幹健診項目を調整しても日
であった。
本人の冠動脈疾患、脳卒中を予測する因子
頸動脈超音波検査(内膜中膜複合体, IMT
であるが、心電図異常そのものへの介入は
の計測)では、平均 IMT, 総頸動脈最大 IMT
困難であるため、高血圧の厳重管理の示唆
(Max-CIMT)、頸動脈最大 IMT(Max-IMT)
や心房細動早期発見後の受診勧奨など異常
のいずれにおいても、その増加とともに心
と判定された者にどのような働きかけを行
血管疾患リスクが増加していた。
うかが重要と考えられた。
高感度 CRP(C 反応性タンパク)の低値
腎機能については、eGFR が低いことは
群に比べて、高値群で男女ともに虚血性心
心血管イベントや全死亡に対するリスクで
疾患、脳梗塞、全循環器疾患のリスクが高
あることが示されており、高齢者でも関連
かった。また値の増加に伴い、心筋梗塞、
性が示され、非肥満者でその関連性が顕著
脳梗塞のリスクが高かった。糖尿病につい
であった。蛋白尿を有する場合、蛋白尿な
ても高感度 CRP の高値群では、男女ともに
しと比較すると収縮期血圧がより低い段階
糖尿病のリスクが約 2~3 倍高かった。
から eGFR の低下に寄与することも示され
脳性ナトリウム利尿ペプチド(BNP)低
ていた。また比較的低値のアルブミン尿で
値群に比べ、BNP 高値群では(NT-proBNP
も、心血管疾患の発症や全死亡のリスクで
含む)、男性の脳梗塞リスク、男女ともの
あった。
循環器疾患リスクが高かった。また、糖尿
貧血については、健常者を対象とする国
病患者においても循環器疾患リスクが高
内のコホート研究は非常に少なく、長期予
かった。一方、腎疾患の有無別で BNP 値に
後との関連を示していた文献は 1 つのみで
差を認めなかった。
あり、貧血の存在(男性 Hb 12mg/dl 未満、
②文献レビュー(保健指導)
女性 Hb 11mg/dl 未満) が eGFR の値に関係
保健指導に関する文献レビューを行い
なく、全死亡に対するリスク因子であるこ
857 件の論文を吟味し、37 件の論文を選定
とが示されていた。
してエビデンステーブルを作成した。
(新しい健診項目の評価)
減量を目的とした研究ではいずれも体重
上下肢血圧比(ABI)の低下は循環器疾
は介入によって減少していた。ただ、複数
患発症や全死亡のリスクを高める。メタ分
の保健指導プログラムを比較検討している
析結果にもとづくと、相対危険度(ハザー
研究では、2 群間で有意差のある研究とそ
ド比)は ABI 正常群(1.0 以上)と比較し
うでない研究があった。平均体重減少量は
た場合、ABI 0.91-0.99 群で約 1.4 倍、ABI ≤
-0.3 ㎏から-5.0 ㎏の幅が見られた。拡張期
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0.90 群で約 1.6 倍であった。また上腕動脈
の有無で層化しても認められる場合が多く、
-足首動脈間脈波伝播速度(baPWV)の増加
高血圧性の臓器障害や仮面高血圧の影響な
は循環器疾患発症のリスクを高めるという
どが考えられる。少なくとも同じ血圧レベ
報告もあった。
メタ分析結果にもとづくと、
ルの場合、よりハイリスクな者を選定する
baPWV の 1 標準偏差(約 4m/s)上昇あた
検査としては適していると考えられた。
りの相対危険度(ハザード比)は約 1.2 倍
心電図は、基幹健診項目を調整しても日
であった。
本人の冠動脈疾患、脳卒中を予測する因子
頸動脈超音波検査(内膜中膜複合体, IMT
であるが、心電図異常そのものへの介入は
の計測)では、平均 IMT, 総頸動脈最大 IMT
困難であるため、高血圧の厳重管理の示唆
(Max-CIMT)、頸動脈最大 IMT(Max-IMT)
や心房細動早期発見後の受診勧奨など異常
のいずれにおいても、その増加とともに心
と判定された者にどのような働きかけを行
血管疾患リスクが増加していた。
うかが重要と考えられた。
高感度 CRP(C 反応性タンパク)の低値
腎機能については、eGFR が低いことは
群に比べて、高値群で男女ともに虚血性心
心血管イベントや全死亡に対するリスクで
疾患、脳梗塞、全循環器疾患のリスクが高
あることが示されており、高齢者でも関連
かった。また値の増加に伴い、心筋梗塞、
性が示され、非肥満者でその関連性が顕著
脳梗塞のリスクが高かった。糖尿病につい
であった。蛋白尿を有する場合、蛋白尿な
ても高感度 CRP の高値群では、男女ともに
しと比較すると収縮期血圧がより低い段階
糖尿病のリスクが約 2~3 倍高かった。
から eGFR の低下に寄与することも示され
脳性ナトリウム利尿ペプチド(BNP)低
ていた。また比較的低値のアルブミン尿で
値群に比べ、BNP 高値群では(NT-proBNP
も、心血管疾患の発症や全死亡のリスクで
含む)、男性の脳梗塞リスク、男女ともの
あった。
循環器疾患リスクが高かった。また、糖尿
貧血については、健常者を対象とする国
病患者においても循環器疾患リスクが高
内のコホート研究は非常に少なく、長期予
かった。一方、腎疾患の有無別で BNP 値に
後との関連を示していた文献は 1 つのみで
差を認めなかった。
あり、貧血の存在(男性 Hb 12mg/dl 未満、
②文献レビュー(保健指導)
女性 Hb 11mg/dl 未満) が eGFR の値に関係
保健指導に関する文献レビューを行い
なく、全死亡に対するリスク因子であるこ
857 件の論文を吟味し、37 件の論文を選定
とが示されていた。
してエビデンステーブルを作成した。
(新しい健診項目の評価)
減量を目的とした研究ではいずれも体重
上下肢血圧比(ABI)の低下は循環器疾
は介入によって減少していた。ただ、複数
患発症や全死亡のリスクを高める。メタ分
の保健指導プログラムを比較検討している
析結果にもとづくと、相対危険度(ハザー
研究では、2 群間で有意差のある研究とそ
ド比)は ABI 正常群(1.0 以上)と比較し
うでない研究があった。平均体重減少量は
た場合、ABI 0.91-0.99 群で約 1.4 倍、ABI ≤
-0.3 ㎏から-5.0 ㎏の幅が見られた。拡張期
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