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参考資料1 岡村班 総合研究報告書_2019~2021 抜粋 (12 ページ)
出典
公開元URL | https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_26370.html |
出典情報 | 第4期特定健診・特定保健指導の見直しに関する検討会 健康増進に係る科学的な知見を踏まえた技術的事項に関するワーキング・グループ(第3回 6/22)《厚生労働省》 |
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血圧については、効果があったという結果
グラム」の受診勧奨レベルの集団を分析し
と、変化が見られなかったという結果が混
た結果、男女とも血圧と脂質異常の非治療
在していた。追跡調査を行っている研究で
割合が肥満群よりも非肥満群で高いことが
は、1 年後までは介入群では対照群と比較
示され、積極的な受診勧奨が必要であるこ
して有意な体重減少を維持していたが、30
とが示唆された。また、国保の特定健診集
か月後には有意差はなかったという報告や、
団における追加リスクの評価基準(拡張期
15 年間追跡した結果、すべての死因につい
血圧値の変更と随時のトリグリセライド基
て有意に低い死亡リスクを示したという報
準)をそれぞれ高血圧学会と動脈硬化学会
告もあった。高血圧、脂質異常、糖尿病に
の新しい基準に変更して保健指導階層化へ
対する非薬物療法(保健指導)の効果をみ
の影響を検証した。この集団では、新しい
た介入研究では、何らかの非薬物療法(保
基準を適用しても保健指導の階層化の割合
健指導)が組織的にかつ頻回に企画・実施
には大きな影響を与えないことが示された。
され、それに対象者が数多く参加すること
③ インピーダンス法を用いた内臓脂肪
で、血圧、血清脂質、グリコヘモグロビン
(Visceral Fat Area, VFA)測定の検討
の改善は認められる場合が多い。この際、
腹部生体インピーダンス法による内臓脂
肥満の改善が同じタイミングで認められる
肪面積(VFA)の測定は、非侵襲的かつ簡
場合と、必ずしもそうではない場合が認め
便に測定することが可能であり、X 線 CT
られた。
による VFA との相関も高い。腹囲を用いた
メタボリックシンドロームの判定は、生活
2.疫学調査の実施および既存疫学データ
習慣病予備群のスクリーニングにおいて一
に基づく結果
定の成果を得ているが、腹囲イコール内臓
(研究代表者分)
脂肪ではない。そこで健康な都市住民のコ
①Fatty Liver index (FLI)の評価
ホート研究(神戸研究)に参加し、腹部生
H 市の地域コホート(約 5000 人)で Fatty
体インピーダンス法 (EW-FA90、パナソ
Liver index、FIB-4index と糖尿病発症との関
ニックアプライアンス社)で VFA を測定し
連を検証した。FLI は BMI・腹囲・中性脂
た 948 人(男性:285 人、女性:663 人)
肪・γ-GTP、FIB4-index は血小板・AST・
を対象として、VFA と検査指標の関連を見
ALT を用いた式で計算され、前者は現在の
た。
対象者の平均年齢は 62.9±8.6 歳で、
VFA
特定健診の項目のみで算出できる。FLI は
≧100㎝ 2 の割合は、
男性で110人
(38.6%)
、
糖尿病発症の有意な予測因子であったが、
女性で 44 人(6.6%)
、腹囲:男性≧85 ㎝は
FIB4-index は糖尿病発症との関連を示さな
97 人(34%)
、女性≧90cm は 67(10.1%)
かった。
であった。ハイリスク特性の指標として高
② 受診勧奨の実態と診療ガイドライン変
感度 CRP を用いて
(カットオフ値 0.1mg/dL
更に伴う保健指導階層化への影響
以上)
、VFA・腹囲の組み合わせとの関連を
H 市の国民健康保険(国保)加入者の特
みると(基準群は内臓脂肪低/腹囲低)
、交
定健診受診者 8,704 人を対象に「標準プロ
絡要因を調整しても内臓脂肪高/腹囲高の
8
グラム」の受診勧奨レベルの集団を分析し
と、変化が見られなかったという結果が混
た結果、男女とも血圧と脂質異常の非治療
在していた。追跡調査を行っている研究で
割合が肥満群よりも非肥満群で高いことが
は、1 年後までは介入群では対照群と比較
示され、積極的な受診勧奨が必要であるこ
して有意な体重減少を維持していたが、30
とが示唆された。また、国保の特定健診集
か月後には有意差はなかったという報告や、
団における追加リスクの評価基準(拡張期
15 年間追跡した結果、すべての死因につい
血圧値の変更と随時のトリグリセライド基
て有意に低い死亡リスクを示したという報
準)をそれぞれ高血圧学会と動脈硬化学会
告もあった。高血圧、脂質異常、糖尿病に
の新しい基準に変更して保健指導階層化へ
対する非薬物療法(保健指導)の効果をみ
の影響を検証した。この集団では、新しい
た介入研究では、何らかの非薬物療法(保
基準を適用しても保健指導の階層化の割合
健指導)が組織的にかつ頻回に企画・実施
には大きな影響を与えないことが示された。
され、それに対象者が数多く参加すること
③ インピーダンス法を用いた内臓脂肪
で、血圧、血清脂質、グリコヘモグロビン
(Visceral Fat Area, VFA)測定の検討
の改善は認められる場合が多い。この際、
腹部生体インピーダンス法による内臓脂
肥満の改善が同じタイミングで認められる
肪面積(VFA)の測定は、非侵襲的かつ簡
場合と、必ずしもそうではない場合が認め
便に測定することが可能であり、X 線 CT
られた。
による VFA との相関も高い。腹囲を用いた
メタボリックシンドロームの判定は、生活
2.疫学調査の実施および既存疫学データ
習慣病予備群のスクリーニングにおいて一
に基づく結果
定の成果を得ているが、腹囲イコール内臓
(研究代表者分)
脂肪ではない。そこで健康な都市住民のコ
①Fatty Liver index (FLI)の評価
ホート研究(神戸研究)に参加し、腹部生
H 市の地域コホート(約 5000 人)で Fatty
体インピーダンス法 (EW-FA90、パナソ
Liver index、FIB-4index と糖尿病発症との関
ニックアプライアンス社)で VFA を測定し
連を検証した。FLI は BMI・腹囲・中性脂
た 948 人(男性:285 人、女性:663 人)
肪・γ-GTP、FIB4-index は血小板・AST・
を対象として、VFA と検査指標の関連を見
ALT を用いた式で計算され、前者は現在の
た。
対象者の平均年齢は 62.9±8.6 歳で、
VFA
特定健診の項目のみで算出できる。FLI は
≧100㎝ 2 の割合は、
男性で110人
(38.6%)
、
糖尿病発症の有意な予測因子であったが、
女性で 44 人(6.6%)
、腹囲:男性≧85 ㎝は
FIB4-index は糖尿病発症との関連を示さな
97 人(34%)
、女性≧90cm は 67(10.1%)
かった。
であった。ハイリスク特性の指標として高
② 受診勧奨の実態と診療ガイドライン変
感度 CRP を用いて
(カットオフ値 0.1mg/dL
更に伴う保健指導階層化への影響
以上)
、VFA・腹囲の組み合わせとの関連を
H 市の国民健康保険(国保)加入者の特
みると(基準群は内臓脂肪低/腹囲低)
、交
定健診受診者 8,704 人を対象に「標準プロ
絡要因を調整しても内臓脂肪高/腹囲高の
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