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参考資料1 岡村班 総合研究報告書_2019~2021 抜粋 (16 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_26370.html
出典情報 第4期特定健診・特定保健指導の見直しに関する検討会 健康増進に係る科学的な知見を踏まえた技術的事項に関するワーキング・グループ(第3回 6/22)《厚生労働省》
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連、脂質異常症薬服薬の有無別に脂質管理

特定健康診査受診率と特定保健指導率と、

の状況を調査した。脂質異常症の服薬者の

経営層の関与、健康保険組合との連携、産

割合は年齢が高いほど高く、各年齢区分で

業保健職人材リソース、特定保健指導実施

BMI が高いほど服薬者の割合が高かった。

率向上のための施策との関連を検討した。

吹田スコアの平均値は服薬、非服薬別での

また、特定保健指導の効果を検討するため

差は見られなかった。なお非服薬・高リス

に、特定保健指導実施率と、適正体重維持

ク 群 に お い て LDL コ レ ス テ ロ ー ル

者、喫煙率、運動習慣率、十分な睡眠時間、

180mg/dl 以上の割合は 28.7%であり、受診

血圧・血糖ハイリスク者、
精密検査受診率、

勧奨の強化が必要と考えられた。特定健診

一人当たり医療費との関連をみた。対象企

データは、保健指導の効果だけでなく、健

業データの特定健康診査受診率は平均

診後の適切な疾病管理の指標としても活用

98.4%、特定保健指導実施率は平均 38.0%

可能であることが示された。

だった。特定健康診査実施と関連が見られ

立石は、日本産業衛生学会産業医部会を

たのは、経営層の関与のみだった。特定保

通じて、産業保健において特定健診等にど

健指導は、特定保健指導実施率向上のため

の程度の業務時間を割くことができるかを

の施策との関連が見られ、特に管理職など

調査し、197 名の回答が得られた。業務量

職制を通じての利用勧奨や支援を実施、就

配分として、安衛法健康診断(嘱託産業医

業時間中の実施を認める、社内に実施場所

20%、専属産業医 23%)、特定健康診査・

を提供することなどが、有意な関連を認め

特定保健指導(2%、2%)、職場巡視(15%、

た。産業保健職人材リソースとはいずれも

6%)、衛生委員会(15%、7%)、ストレ

関連がみられなかった。特定保健指導実施

スチェック(7%、7%)、過重労働(7%、

率は、高い適正体重維持者、低い喫煙率、

9%)、メンタルヘルス(16%、18%)、両

高い運動習慣率、高い精密検査受診率と関

立支援(6%、8%)、健康教育・労働衛生

連がみられた。企業においては、特定保健

教育(6%、7%)、作業環境管理(3%、3%)、

指導実施に関する健康経営制度や保険者の

作業管理(3%、3%)、その他(3%、4%)

インセンティブと絡めた制度設計が推奨さ

であった。労安法の定期健康診断の一部が

れた。

特定健診を兼ねていることを考慮しても、

最後に特定保健指導実施者が産業保健ス

産業医の特定保健指導への関与は現時点で

タッフと適切な連携を持つことができるよ

は低調であることが示された。社会実装に

うに、業務上発生する曝露が糖尿病・高血

ついても、制度だけ入れても混乱する可能

圧・高脂血症に与える影響について文献調

性が高く、産業保健スタッフや事業場のメ

査を行った。PubMed を用いて、業務上発

リット、安衛法健診対応との合理的な連携

生する曝露(労働時間、シフトワークなど)

が必要である。

が、糖尿病・高血圧・高脂血症にどのよう

次に経済産業省を通じて、過去の健康経

な影響を与えるかについて日本人のエビデ

営度調査の集計データを入手した。本調査

ンスを収集した(RCT およびコホート研

では 2019 年度データ(N= 2,328)を用い、

究)。その結果、長時間労働よりも交替制

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