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○先進医療Aに係る新規技術の科学的評価等について別紙4 (5 ページ)
出典
公開元URL | https://www.mhlw.go.jp/stf/shingi2/0000205617_00016.html |
出典情報 | 先進医療会議(第81回 7/7)《厚生労働省》 |
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様式第5号
先進医療の内容 (概要)
先進医療の名称:Zenker 憩室に対する軟性内視鏡的憩室隔壁切開術
適応症:咽頭食道憩室(Zenker 憩室)
内容:
(先進性)
本邦では軟性内視鏡的憩室隔壁切開術が保険収載されていないこともあり、未だに外科手
術や硬性内視鏡手術の症例報告が散見されるだけで標準治療も定まっていないが、欧米で
はより患者への侵襲が少なく簡便な経口軟性内視鏡(所謂胃カメラ)を用いた憩室隔壁切
開術が開発され急速に広まっている。2018 年 12 月我々は英国人医師の指導の下で Zenker
憩室に対する軟性内視鏡的憩室隔壁切開術 2 例に成功し、症状の消失をみとめた。今後症
例数を蓄積してその有用性を明らかにすることで、本邦における Zenker 憩室に対する標準
治療となることが期待される。
(概要)
本治療は、軟性内視鏡を使用し、deep sedation で施行される。本治療に用いる高周波ナイ
フは、早期消化管癌に対する内視鏡的粘膜下層剥離術(ESD)に用いられるもので、
「内視
鏡的に組織の切断、切除、切開、焼灼、止血、凝固、蒸散、剥離等を行うため」の使用に
薬事承認されている。
手順の概要は以下のとおりである。
1. リドカインにて咽頭麻酔後、左側臥位。
2. ネーザルハイフロー(30L/分)にて酸素投与。
3. レミフェンタニルで麻酔導入。
4. 硫酸アトロピン投与後、軟性内視鏡を挿入する。内視鏡は送水機能付きのものを使用し、
送気には炭酸ガスを用いる。
5. 回収ネット等を使用し、憩室内残渣を全部摘出する。
6. 軟性内視鏡を用いてガイドワイヤーを胃内まで挿入し留置する。
7. 憩室隔壁切開開始前にプロポフォールによる鎮静を開始。
8. 先端フードを装着し内視鏡を挿入。憩室隔壁を確認する。
9. 憩室隔壁にインジゴカルミン添加生理的食塩水を局注。
10. 高周波ナイフを用いて、憩室隔壁中央やや食道管腔よりの部分より粘膜切開を開始。
11. 粘膜下層に切開を進め、筋層を同定する。
12. 輪状咽頭筋を切開する。
13. 切開部をクリッピングで縫縮して終了。
(効果)
従来の治療法と比べ、患者や憩室の特性による制限を受けにくく、患者への侵襲も少ない。
その上、手術時間は 20 分程度と短く簡便で,入院期間の短縮などメリットが多い。その治
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先進医療の内容 (概要)
先進医療の名称:Zenker 憩室に対する軟性内視鏡的憩室隔壁切開術
適応症:咽頭食道憩室(Zenker 憩室)
内容:
(先進性)
本邦では軟性内視鏡的憩室隔壁切開術が保険収載されていないこともあり、未だに外科手
術や硬性内視鏡手術の症例報告が散見されるだけで標準治療も定まっていないが、欧米で
はより患者への侵襲が少なく簡便な経口軟性内視鏡(所謂胃カメラ)を用いた憩室隔壁切
開術が開発され急速に広まっている。2018 年 12 月我々は英国人医師の指導の下で Zenker
憩室に対する軟性内視鏡的憩室隔壁切開術 2 例に成功し、症状の消失をみとめた。今後症
例数を蓄積してその有用性を明らかにすることで、本邦における Zenker 憩室に対する標準
治療となることが期待される。
(概要)
本治療は、軟性内視鏡を使用し、deep sedation で施行される。本治療に用いる高周波ナイ
フは、早期消化管癌に対する内視鏡的粘膜下層剥離術(ESD)に用いられるもので、
「内視
鏡的に組織の切断、切除、切開、焼灼、止血、凝固、蒸散、剥離等を行うため」の使用に
薬事承認されている。
手順の概要は以下のとおりである。
1. リドカインにて咽頭麻酔後、左側臥位。
2. ネーザルハイフロー(30L/分)にて酸素投与。
3. レミフェンタニルで麻酔導入。
4. 硫酸アトロピン投与後、軟性内視鏡を挿入する。内視鏡は送水機能付きのものを使用し、
送気には炭酸ガスを用いる。
5. 回収ネット等を使用し、憩室内残渣を全部摘出する。
6. 軟性内視鏡を用いてガイドワイヤーを胃内まで挿入し留置する。
7. 憩室隔壁切開開始前にプロポフォールによる鎮静を開始。
8. 先端フードを装着し内視鏡を挿入。憩室隔壁を確認する。
9. 憩室隔壁にインジゴカルミン添加生理的食塩水を局注。
10. 高周波ナイフを用いて、憩室隔壁中央やや食道管腔よりの部分より粘膜切開を開始。
11. 粘膜下層に切開を進め、筋層を同定する。
12. 輪状咽頭筋を切開する。
13. 切開部をクリッピングで縫縮して終了。
(効果)
従来の治療法と比べ、患者や憩室の特性による制限を受けにくく、患者への侵襲も少ない。
その上、手術時間は 20 分程度と短く簡便で,入院期間の短縮などメリットが多い。その治
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