よむ、つかう、まなぶ。
09参考資料1-3 9価ヒトパピローマウイルス( HPV )ワクチン ファクトシート (10 ページ)
出典
公開元URL | https://www.mhlw.go.jp/stf/shingi2/0000192554_00024.html |
出典情報 | 厚生科学審議会予防接種・ワクチン分科会 予防接種基本方針部会(第49回 10/4)《厚生労働省》 |
ページ画像
ダウンロードした画像を利用する際は「出典情報」を明記してください。
低解像度画像をダウンロード
プレーンテキスト
資料テキストはコンピュータによる自動処理で生成されており、完全に資料と一致しない場合があります。
テキストをコピーしてご利用いただく際は資料と付け合わせてご確認ください。
486
2006-2014 年に⽶国テネシー州 Medicaid に登録された肛⾨性器疣贅のトレンドと
521
487
HPV ワクチンのインパクトをみた研究では、2006 年に HPV ワクチンが導⼊された後、
522
我が国の⼦宮がんによる死亡数は年間 6,800 ⼈、
( ⼦宮頸がん:2,871 ⼈、 ⼦宮体がん:
488
肛⾨性器疣贅の発⽣率は 15-19 歳( APC = -10.6; P < 0.01 )及び 20-24 歳( APC = -
523
2,601 ⼈、いずれか不明な⼦宮がん:1,328 ⼈ )と報告されている( 2018 年⼈⼝動態統計 )
489
3.9; P = 0.02 )の⼥性で減少し、15-19 歳の男性では 2010 年以降減少し始めた。25-39
524
(43)。罹患率と同様、死亡率も若年層で⼦宮頸がんが⼦宮体がんより⾼い(図 10)。
490
歳の登録者では割合は増加あるいは不変であり、HPV ワクチンを受ける可能性が最も⾼
525
491
い年齢層で肛⾨性器疣贅の患者数が減少したことが報告された(38)。
526
492
4 価 HPV ワクチンを⽤いたランダム化⽐較試験において、男性の⽣殖器疣贅、肛⾨がん
493
の前がん病変に対して⾼い有効性が⽰され(39)、⽶国、カナダ、オーストリア、オーストラ
494
リアでは、男⼥ともに予防接種が推奨されている。
495
外科的切除を奨められた⽪膚科クリニックに通院する男性 129 ⼈と⼥性 27 ⼈から得られ
496
た肛⾨性器疣贅標本における HPV 型別分布に関する検討では、⾼リスク型 HPV が 34.6 %、
497
低リスク型 HPV が 14.4 %、HPV9 が 0.64 %、⼀般的な疣贅に関連する型が 50.6 %で検
498
出された。多重ロジスティック回帰モデルによる検討では、年齢、性別、国籍、疣贅の数、
499
各疣贅の⼤きさ、および性的パートナーにおける疣贅の陽性歴は、HPV タイプの予測因⼦
500
ではなく、肛⾨性器疣贅の罹病期間が 1-6 か⽉の患者は、1 か⽉未満の患者と⽐較して⾼リ
501
スク型 HPV 感染の可能性が 3 倍⾼かった。⾼リスク型 HPV 型は⽣殖器疣贅の患者の約
502
35 %から検出され、罹病期間が 1-6 か⽉の疣贅で検出された(40)。
② 死亡者数
図 10. ⼦宮頸がん・⼦宮体がん年齢階級別死亡率(2018 年)(43)
503
ドイツの健康保険請求データに基づいて、2012-2017 年に 23-25 歳の⼥性について検討
504
した結果、⽣殖器疣贅は 1989 年の出⽣コホート 1.30 %( 1.12-1.49 )から 1992 年の出
527
505
⽣コホート 0.94 %( 0.79-1.10 )に減少し、グレード III の肛⾨性器疾患は 1989 年のコ
528
⼦宮頸がんの年齢調整死亡率は、欧⽶諸国では⻑期的に減少しており、東アジアで死亡率
506
ホートで 1.09 %( 0.93-1.26 )から 1992 年のコホートで 0.71 %( 0.58-0.86 )に減少
529
が⾼かった韓国でもここ数⼗年では⼤きく減少している(図 11)。対照的に、⽇本では死亡
507
した。重篤な⼦宮頸部異形成は、1989 年の出⽣コホートでは 0.91 %( 0.76-1.07 )
、1992
530
率が微増しており、最近では先進国で最も⾼い⽔準になっている。⽇本における⼦宮頸がん
508
年の出⽣コホートでは 0.60 %( 0.48-0.74 )で観察された。若い出⽣コホートで HPV に
531
死亡率の増加は、30 歳代から 50 歳代前半までで顕著で、⾼齢層では逆に死亡率が減少する
509
関連する可能性のある肛⾨性器疾患の負担の減少が観察された(41)。
532
傾向がある(図 12)。
510
2006-2015 年にノルウェーとデンマークに居住する 12-35 歳の男⼥の⽣殖器疣贅発⽣率
533
511
と 4 価 HPV ワクチン接種に関して検討された。ノルウェーとデンマーク合わせて 20 万⼈
534
512
以上の⽣殖器疣贅症例が⾒つかり、71 万⼈以上の⼥性が研究期間中に少なくとも 1 回の 4
535
513
価 HPV ワクチンの接種を受けた。2015 年のノルウェーとデンマークの 4 価 HPV ワクチン
536
514
接種率は、12-35 歳の⼥性でそれぞれ 24 %と 70 %であった。ノルウェーとデンマークの
537
515
⽣殖器疣贅の発⽣率は、2009-2015 年にかけて、⼥性ではそれぞれ 4.8 %( 95%CI:4.3-
538
516
5.3 )と 18.0 %( 95%CI:17.5-18.6 )、男性では 1.9 %( 95%CI:1.4-2.4 )と 10.7 %
539
517
( 95%CI:10.3-11.2 )であった。デンマークでの⽣殖器疣贅の発⽣率は、4 価 HPV ワク
540
518
チン接種後、男⼥およびすべての年齢層で急速に減少したが、ノルウェーではわずかな減少
541
519
であった(42)。
542
図 11. ⼦宮頸がん年齢調整死亡率年次推移の国際⽐較(44)
543
520
544
19
20
2006-2014 年に⽶国テネシー州 Medicaid に登録された肛⾨性器疣贅のトレンドと
521
487
HPV ワクチンのインパクトをみた研究では、2006 年に HPV ワクチンが導⼊された後、
522
我が国の⼦宮がんによる死亡数は年間 6,800 ⼈、
( ⼦宮頸がん:2,871 ⼈、 ⼦宮体がん:
488
肛⾨性器疣贅の発⽣率は 15-19 歳( APC = -10.6; P < 0.01 )及び 20-24 歳( APC = -
523
2,601 ⼈、いずれか不明な⼦宮がん:1,328 ⼈ )と報告されている( 2018 年⼈⼝動態統計 )
489
3.9; P = 0.02 )の⼥性で減少し、15-19 歳の男性では 2010 年以降減少し始めた。25-39
524
(43)。罹患率と同様、死亡率も若年層で⼦宮頸がんが⼦宮体がんより⾼い(図 10)。
490
歳の登録者では割合は増加あるいは不変であり、HPV ワクチンを受ける可能性が最も⾼
525
491
い年齢層で肛⾨性器疣贅の患者数が減少したことが報告された(38)。
526
492
4 価 HPV ワクチンを⽤いたランダム化⽐較試験において、男性の⽣殖器疣贅、肛⾨がん
493
の前がん病変に対して⾼い有効性が⽰され(39)、⽶国、カナダ、オーストリア、オーストラ
494
リアでは、男⼥ともに予防接種が推奨されている。
495
外科的切除を奨められた⽪膚科クリニックに通院する男性 129 ⼈と⼥性 27 ⼈から得られ
496
た肛⾨性器疣贅標本における HPV 型別分布に関する検討では、⾼リスク型 HPV が 34.6 %、
497
低リスク型 HPV が 14.4 %、HPV9 が 0.64 %、⼀般的な疣贅に関連する型が 50.6 %で検
498
出された。多重ロジスティック回帰モデルによる検討では、年齢、性別、国籍、疣贅の数、
499
各疣贅の⼤きさ、および性的パートナーにおける疣贅の陽性歴は、HPV タイプの予測因⼦
500
ではなく、肛⾨性器疣贅の罹病期間が 1-6 か⽉の患者は、1 か⽉未満の患者と⽐較して⾼リ
501
スク型 HPV 感染の可能性が 3 倍⾼かった。⾼リスク型 HPV 型は⽣殖器疣贅の患者の約
502
35 %から検出され、罹病期間が 1-6 か⽉の疣贅で検出された(40)。
② 死亡者数
図 10. ⼦宮頸がん・⼦宮体がん年齢階級別死亡率(2018 年)(43)
503
ドイツの健康保険請求データに基づいて、2012-2017 年に 23-25 歳の⼥性について検討
504
した結果、⽣殖器疣贅は 1989 年の出⽣コホート 1.30 %( 1.12-1.49 )から 1992 年の出
527
505
⽣コホート 0.94 %( 0.79-1.10 )に減少し、グレード III の肛⾨性器疾患は 1989 年のコ
528
⼦宮頸がんの年齢調整死亡率は、欧⽶諸国では⻑期的に減少しており、東アジアで死亡率
506
ホートで 1.09 %( 0.93-1.26 )から 1992 年のコホートで 0.71 %( 0.58-0.86 )に減少
529
が⾼かった韓国でもここ数⼗年では⼤きく減少している(図 11)。対照的に、⽇本では死亡
507
した。重篤な⼦宮頸部異形成は、1989 年の出⽣コホートでは 0.91 %( 0.76-1.07 )
、1992
530
率が微増しており、最近では先進国で最も⾼い⽔準になっている。⽇本における⼦宮頸がん
508
年の出⽣コホートでは 0.60 %( 0.48-0.74 )で観察された。若い出⽣コホートで HPV に
531
死亡率の増加は、30 歳代から 50 歳代前半までで顕著で、⾼齢層では逆に死亡率が減少する
509
関連する可能性のある肛⾨性器疾患の負担の減少が観察された(41)。
532
傾向がある(図 12)。
510
2006-2015 年にノルウェーとデンマークに居住する 12-35 歳の男⼥の⽣殖器疣贅発⽣率
533
511
と 4 価 HPV ワクチン接種に関して検討された。ノルウェーとデンマーク合わせて 20 万⼈
534
512
以上の⽣殖器疣贅症例が⾒つかり、71 万⼈以上の⼥性が研究期間中に少なくとも 1 回の 4
535
513
価 HPV ワクチンの接種を受けた。2015 年のノルウェーとデンマークの 4 価 HPV ワクチン
536
514
接種率は、12-35 歳の⼥性でそれぞれ 24 %と 70 %であった。ノルウェーとデンマークの
537
515
⽣殖器疣贅の発⽣率は、2009-2015 年にかけて、⼥性ではそれぞれ 4.8 %( 95%CI:4.3-
538
516
5.3 )と 18.0 %( 95%CI:17.5-18.6 )、男性では 1.9 %( 95%CI:1.4-2.4 )と 10.7 %
539
517
( 95%CI:10.3-11.2 )であった。デンマークでの⽣殖器疣贅の発⽣率は、4 価 HPV ワク
540
518
チン接種後、男⼥およびすべての年齢層で急速に減少したが、ノルウェーではわずかな減少
541
519
であった(42)。
542
図 11. ⼦宮頸がん年齢調整死亡率年次推移の国際⽐較(44)
543
520
544
19
20