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09参考資料1-3 9価ヒトパピローマウイルス( HPV )ワクチン ファクトシート (16 ページ)
出典
公開元URL | https://www.mhlw.go.jp/stf/shingi2/0000192554_00024.html |
出典情報 | 厚生科学審議会予防接種・ワクチン分科会 予防接種基本方針部会(第49回 10/4)《厚生労働省》 |
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746
ロキシホスフェイト硫酸塩 225 μg を含む。9 歳以上の⼥性が接種対象で、0, 2, 6 か⽉の 3
782
747
回、筋⾁内接種する。HPV6, 11, 16, 18 感染に起因する⼦宮頸がん及びその前駆病変(CIN1,
783
748
2, 3, AIS)、外陰部上⽪内腫瘍、膣上⽪内腫瘍、尖圭コンジローマを予防する。2020 年 12 ⽉
784
749
に、9 歳以上の男⼥における肛⾨がん(扁平上⽪がん)及び肛⾨上⽪内腫瘍( anal
750
intraepithelial neoplasia: AIN1, 2, 3)
、9 歳以上の男性における尖圭コンジローマが、予防の
751
適応として追加承認された。
752
(MSD 社)で、2019
9 価 HPV ワクチンは製品名「シルガードⓇ9 ⽔性懸濁筋注シリンジ」
753
年 7 ⽉の時点で世界の 79 の国・地域で承認されており、⽇本では 2020 年 7 ⽉に承認され
754
た。ガーダシルⓇ⽔性懸濁筋注シリンジに含まれる 4 種類の HPV 型( HPV6, 11, 16, 18 )
755
及び 5 種類の新たな HPV 型( HPV31, 33, 45, 52, 58 )の VLP を、酵⺟細胞で発現・精製
756
して、有効成分としている。1 回接種量( 0.5 mL )中に、HPV6 VLP 30 μg、HPV11 VLP
HPV16/18未感染女性
(15-26歳)
HPV16/18の持続感染
HPV16/18によるCIN2以上
HPV16/18によるCIN3以上
HPV16/18によるAIS
(24-45歳)
HPV16/18の持続感染
HPV16/18によるCIN2以上
40 μg、HPV16 VLP 60 μg、HPV18 VLP 40 μg、HPV31 VLP 20 μg、HPV33 VLP 20
758
μg、HPV45 VLP 20 μg、HPV52 VLP 20 μg、HPV58 VLP 20 μg、及びアジュバントと
759
してアルミニウムヒドロキシホスフェイト硫酸塩 500 μg を含む。9 歳以上の⼥性が接種対
760
象で、0, 2, 6 か⽉の 3 回、筋⾁内接種する。HPV6, 11, 16, 18, 31, 33, 45, 52, 58 感染に起因
785
761
する⼦宮頸がん及びその前駆病変(CIN1, 2, 3, AIS)、外陰部上⽪内腫瘍、膣上⽪内腫瘍、
786
762
尖圭コンジローマを予防する。
764
いずれのワクチンも⼀回使⽤量が充塡された懸濁注射液として供給される。チメロサー
ルや抗菌薬、安定化剤は含まれず、2-8℃で冷蔵保存する(凍結不可)。
765
表 2. 2 価および 4 価 HPV ワクチンの有効性試験(68)
ワクチン群
n
N
757
763
たことから(12)、HPV ワクチンにはウイルスを排除する効果はないことが⽰された。
HPV既感染者を含む女性
(15-26歳)
HPV16/18によるCIN2以上
(24-45歳)
HPV16/18によるCIN2以上
プラセボ群
n
N
相対危険度
(95%信頼区間)
予防効果
非常に高い
非常に高い
非常に高い
非常に高い
72
8
4
0
11389
17215
16572
8532
750
195
95
10
11414
17263
16627
8547
0.10
0.05
0.05
0.09
(0.08-0.12)
(0.03-0.10)
(0.02-0.14)
(0.01-0.72)
28
5
3782
3802
165
17
3738
3750
0.17 (0.10-0.29)
0.30 (0.11-0.81)
高い
中程度
278
17404
596
17448
0.46 (0.37-0.57)
中程度
53
4602
72
4598
0.74 (0.52-1.05)
効果なし
787
上記のメタ解析では⼦宮頸部浸潤がんに対する予防効果については、さらに⻑期のフォ
788
ローアップが必要とされているが、最近フィンランドでの 2 価及び 4 価 HPV ワクチン臨床
789
試験のフォローアップ調査結果が公表され、HPV 関連浸潤がんに対する有効性が初めて報
790
告されている(24)。ワクチン⾮接種群( 17,838 ⼈ )で 10 ⼈の HPV 関連浸潤がん患者( う
766
(3)有効性の観点
791
ち 8 ⼈が⼦宮頸がん )が発⽣したのに対し、ワクチン接種群( 9,529 ⼈ )では 0 ⼈で、
767
① 2, 4 価 HPV ワクチンの臨床試験
792
予防効果は 100 %( 95 %信頼区間 16-100 )であった。
768
1)有効性評価
793
769
2 価または 4 価 HPV ワクチンを接種後、6 か⽉から 6 年フォローアップした第三相、及
794
770
び 8-9 年フォローアップした第⼆相の無作為化⽐較試験( 26 スタディ、約 74,000 ⼈ )の
795
HPV に対する感染防御機構は中和抗体による液性免疫が主と考えられている。抗
771
結果がメタ解析され、HPV ワクチンの有効性について確度の⾼いエビデンスが⽰されてい
796
HPV16,18 抗体陰性の⼥児( 10-14 歳 )に 2 価 HPV ワクチンを 3 回接種した場合、10 年
772
る(68)。HPV16/18 に未感染の⼥性( 15-26 歳 )に接種した場合、ワクチン投与群とプラ
797
後の抗 HPV16,18 抗体陽性率は 100 %で、⾃然感染時の 26-53 倍の⾎中抗体価が維持され
773
セボ投与群を⽐較して、HPV16/18 による持続感染( 6 か⽉間隔で同じ型の HPV DNA が
798
ていた(表 3)(69)。接種時の年齢が上がるほど抗体産⽣応答が低下したが、46-55 歳の年
774
検出 )、CIN2 以上の病変、AIS に対する⾮常に⾼い予防効果( 相対危険度 0.1 以下 )が
799
齢層でも 10 年後の抗体陽性率は 84-96 %で、⾃然感染時の 3-5 倍の抗体価が維持されてい
775
認められた(表 2)。上の年齢層( 24-45 歳 )では、HPV16,18 持続感染に対する⾼い予防
800
た(表 3)(70)。また、4 価 HPV ワクチンを 9-15 歳の男⼥( 528 ⼈ )に 3 回接種して 10
776
効果( 相対危険度 0.17 )が、CIN2 以上の病変に対する中程度の予防効果( 相対危険度
801
年後の抗 HPV6/11/16 抗体の陽性率は 89-96 %で、抗 HPV18 抗体の陽性率は測定⽅法に
777
0.3 )が認められた(表 2)。ワクチン接種時点で既に HPV に感染している⼥性も対象に含
802
より異なったが 60-79 %であった(71)。数理モデルによって、2 価 HPV ワクチン接種後少
778
めると、15-26 歳の⼥性では CIN2 以上の病変に対する予防効果が中程度
( 相対危険度 0.46 )
803
なくとも 30-50 年は、⾃然感染時以上の抗体価が維持されることが予測されている(69-70)。
779
に低下し、26-45 歳の⼥性では効果が認められなかった(表 2)。HPV16/18 既感染⼥性( 18-
804
⼦宮頸部粘液中に⾎清 IgG が滲出することで感染防御されると考えられるが、HPV 感染阻
780
25 歳、2,189 ⼈ )に対して 2 価 HPV ワクチンを接種した別の臨床試験では、接種後 6、
805
害に必要な⾎中の抗 HPV 抗体価については不明である。
781
12 か⽉の時点の HPV DNA の検出頻度はワクチン投与群とプラセボ投与群とで差がなかっ
806
31
2)有効性の持続期間
32
ロキシホスフェイト硫酸塩 225 μg を含む。9 歳以上の⼥性が接種対象で、0, 2, 6 か⽉の 3
782
747
回、筋⾁内接種する。HPV6, 11, 16, 18 感染に起因する⼦宮頸がん及びその前駆病変(CIN1,
783
748
2, 3, AIS)、外陰部上⽪内腫瘍、膣上⽪内腫瘍、尖圭コンジローマを予防する。2020 年 12 ⽉
784
749
に、9 歳以上の男⼥における肛⾨がん(扁平上⽪がん)及び肛⾨上⽪内腫瘍( anal
750
intraepithelial neoplasia: AIN1, 2, 3)
、9 歳以上の男性における尖圭コンジローマが、予防の
751
適応として追加承認された。
752
(MSD 社)で、2019
9 価 HPV ワクチンは製品名「シルガードⓇ9 ⽔性懸濁筋注シリンジ」
753
年 7 ⽉の時点で世界の 79 の国・地域で承認されており、⽇本では 2020 年 7 ⽉に承認され
754
た。ガーダシルⓇ⽔性懸濁筋注シリンジに含まれる 4 種類の HPV 型( HPV6, 11, 16, 18 )
755
及び 5 種類の新たな HPV 型( HPV31, 33, 45, 52, 58 )の VLP を、酵⺟細胞で発現・精製
756
して、有効成分としている。1 回接種量( 0.5 mL )中に、HPV6 VLP 30 μg、HPV11 VLP
HPV16/18未感染女性
(15-26歳)
HPV16/18の持続感染
HPV16/18によるCIN2以上
HPV16/18によるCIN3以上
HPV16/18によるAIS
(24-45歳)
HPV16/18の持続感染
HPV16/18によるCIN2以上
40 μg、HPV16 VLP 60 μg、HPV18 VLP 40 μg、HPV31 VLP 20 μg、HPV33 VLP 20
758
μg、HPV45 VLP 20 μg、HPV52 VLP 20 μg、HPV58 VLP 20 μg、及びアジュバントと
759
してアルミニウムヒドロキシホスフェイト硫酸塩 500 μg を含む。9 歳以上の⼥性が接種対
760
象で、0, 2, 6 か⽉の 3 回、筋⾁内接種する。HPV6, 11, 16, 18, 31, 33, 45, 52, 58 感染に起因
785
761
する⼦宮頸がん及びその前駆病変(CIN1, 2, 3, AIS)、外陰部上⽪内腫瘍、膣上⽪内腫瘍、
786
762
尖圭コンジローマを予防する。
764
いずれのワクチンも⼀回使⽤量が充塡された懸濁注射液として供給される。チメロサー
ルや抗菌薬、安定化剤は含まれず、2-8℃で冷蔵保存する(凍結不可)。
765
表 2. 2 価および 4 価 HPV ワクチンの有効性試験(68)
ワクチン群
n
N
757
763
たことから(12)、HPV ワクチンにはウイルスを排除する効果はないことが⽰された。
HPV既感染者を含む女性
(15-26歳)
HPV16/18によるCIN2以上
(24-45歳)
HPV16/18によるCIN2以上
プラセボ群
n
N
相対危険度
(95%信頼区間)
予防効果
非常に高い
非常に高い
非常に高い
非常に高い
72
8
4
0
11389
17215
16572
8532
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195
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10
11414
17263
16627
8547
0.10
0.05
0.05
0.09
(0.08-0.12)
(0.03-0.10)
(0.02-0.14)
(0.01-0.72)
28
5
3782
3802
165
17
3738
3750
0.17 (0.10-0.29)
0.30 (0.11-0.81)
高い
中程度
278
17404
596
17448
0.46 (0.37-0.57)
中程度
53
4602
72
4598
0.74 (0.52-1.05)
効果なし
787
上記のメタ解析では⼦宮頸部浸潤がんに対する予防効果については、さらに⻑期のフォ
788
ローアップが必要とされているが、最近フィンランドでの 2 価及び 4 価 HPV ワクチン臨床
789
試験のフォローアップ調査結果が公表され、HPV 関連浸潤がんに対する有効性が初めて報
790
告されている(24)。ワクチン⾮接種群( 17,838 ⼈ )で 10 ⼈の HPV 関連浸潤がん患者( う
766
(3)有効性の観点
791
ち 8 ⼈が⼦宮頸がん )が発⽣したのに対し、ワクチン接種群( 9,529 ⼈ )では 0 ⼈で、
767
① 2, 4 価 HPV ワクチンの臨床試験
792
予防効果は 100 %( 95 %信頼区間 16-100 )であった。
768
1)有効性評価
793
769
2 価または 4 価 HPV ワクチンを接種後、6 か⽉から 6 年フォローアップした第三相、及
794
770
び 8-9 年フォローアップした第⼆相の無作為化⽐較試験( 26 スタディ、約 74,000 ⼈ )の
795
HPV に対する感染防御機構は中和抗体による液性免疫が主と考えられている。抗
771
結果がメタ解析され、HPV ワクチンの有効性について確度の⾼いエビデンスが⽰されてい
796
HPV16,18 抗体陰性の⼥児( 10-14 歳 )に 2 価 HPV ワクチンを 3 回接種した場合、10 年
772
る(68)。HPV16/18 に未感染の⼥性( 15-26 歳 )に接種した場合、ワクチン投与群とプラ
797
後の抗 HPV16,18 抗体陽性率は 100 %で、⾃然感染時の 26-53 倍の⾎中抗体価が維持され
773
セボ投与群を⽐較して、HPV16/18 による持続感染( 6 か⽉間隔で同じ型の HPV DNA が
798
ていた(表 3)(69)。接種時の年齢が上がるほど抗体産⽣応答が低下したが、46-55 歳の年
774
検出 )、CIN2 以上の病変、AIS に対する⾮常に⾼い予防効果( 相対危険度 0.1 以下 )が
799
齢層でも 10 年後の抗体陽性率は 84-96 %で、⾃然感染時の 3-5 倍の抗体価が維持されてい
775
認められた(表 2)。上の年齢層( 24-45 歳 )では、HPV16,18 持続感染に対する⾼い予防
800
た(表 3)(70)。また、4 価 HPV ワクチンを 9-15 歳の男⼥( 528 ⼈ )に 3 回接種して 10
776
効果( 相対危険度 0.17 )が、CIN2 以上の病変に対する中程度の予防効果( 相対危険度
801
年後の抗 HPV6/11/16 抗体の陽性率は 89-96 %で、抗 HPV18 抗体の陽性率は測定⽅法に
777
0.3 )が認められた(表 2)。ワクチン接種時点で既に HPV に感染している⼥性も対象に含
802
より異なったが 60-79 %であった(71)。数理モデルによって、2 価 HPV ワクチン接種後少
778
めると、15-26 歳の⼥性では CIN2 以上の病変に対する予防効果が中程度
( 相対危険度 0.46 )
803
なくとも 30-50 年は、⾃然感染時以上の抗体価が維持されることが予測されている(69-70)。
779
に低下し、26-45 歳の⼥性では効果が認められなかった(表 2)。HPV16/18 既感染⼥性( 18-
804
⼦宮頸部粘液中に⾎清 IgG が滲出することで感染防御されると考えられるが、HPV 感染阻
780
25 歳、2,189 ⼈ )に対して 2 価 HPV ワクチンを接種した別の臨床試験では、接種後 6、
805
害に必要な⾎中の抗 HPV 抗体価については不明である。
781
12 か⽉の時点の HPV DNA の検出頻度はワクチン投与群とプラセボ投与群とで差がなかっ
806
31
2)有効性の持続期間
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