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09参考資料1-3 9価ヒトパピローマウイルス( HPV )ワクチン ファクトシート (5 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/shingi2/0000192554_00024.html
出典情報 厚生科学審議会予防接種・ワクチン分科会 予防接種基本方針部会(第49回 10/4)《厚生労働省》
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273

squamous cells )という領域を設定している。ASC は細胞異型が腫瘍性病変の基準に満た

309

から保険診療の対象となっている。またタイピング検査は⽣検によって確認された CIN1/2

274

ないものや、採取や固定などの過程で⽣じた検体の変化で判定不能のものを⽰す。ASC は、

310

の進展リスク評価のために有⽤であり、どの HPV 型が感染しているかを確認することによ

275

ASC-US( undetermined significance、LSIL を否定できない)と ASC-H( HSIL を否定で

311

り、フォローアップ間隔や治療⽅針を決定することができる。CIN1/2 に対する HPV タイ

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きない)に⼆分される。ASC は上⽪化⽣が原因の局所病変であり、HPV とは無関係の⾮腫

312

ピング検査は保険適⽤されており、HPV16, 18, 31, 33, 35, 45, 52, 58 の進展リスクが⾼いこ

277

瘍性病変と HPV が関連する腫瘍性病変に区別される。HPV 関連の病変のうち尖圭コンジ

313

とが⽰されている。(14)

278

ローマは、低リスク型 HPV( 主に HPV6, 11 )の感染・増殖によるものである。

314
315

279

2)⼦宮頸がん検診

280

④ 検査法(迅速検査、検診、確定診断等)

316

2020 年現在、⽇本では⼦宮頸がん検診として細胞診(従来法、液状検体法)が推奨され

281

1) ⼦宮頸部への HPV 感染の診断

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ている(15)。細胞診は、⼦宮頸部から採取された擦過細胞中の、異常な細胞の有無を検査す

282

臨床検体から HPV を分離できる細胞や、HPV に対する⾎清学的診断法がないため、HPV

318

る。⼦宮頸部の移⾏帯を含む領域から採取した細胞を、スライドグラス上に塗抹・固定し、

283

感染を確定診断する唯⼀の⽅法は、検体中の HPV DNA の検出である。HPV DNA の検出

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顕微鏡観察を⾏う。2004 年 4 ⽉に⼦宮頸がん検診の対象年齢が 30 歳以上から 20 歳以上に

284

には PCR 法、サザンブロット法、ドットブロット法、in situ ハイブリダイゼーション法が

320

引き下げられ、厚⽣労働省の「がん予防重点健康教育及びがん検診実施のための指針」
(2016

285

⽤いられる。PCR 法は感度・特異性が⾼く、最もよく⽤いられる。in situ ハイブリダイゼ

321

年 2 ⽉ 4 ⽇)では⼦宮頸がんについて 2 年に⼀度の検診が推奨されている。近年欧⽶では

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ーション法は、組織中での HPV DNA の局在を知ることができるが、感度・特異度が低い

322

塗抹細胞診に代わり、プラスチック製のはけを⽤いて⼦宮膣部と頸管部の細胞を⼀括して

287

⽋点がある。⼦宮頸部からの細胞採取では、HPV が潜伏する基底細胞を確実に採取するこ

323

採取し、固定液中に回収した後、装置を⽤いて均⼀で単層の細胞標本を作製する液状処理細

288

とが出来ないため、HPV DNA が検出されなくても HPV 感染を否定できない(13)。

324

胞診が取り⼊れられ、⽇本でも導⼊が進んでいる。

289

HPV 検査はハイリスク HPV 検査と HPV タイピング検査に⼤別される。現在我が国で体

325

諸外国でも、1950 年代から⼦宮頸部擦過細胞診を⽤いた⼦宮頸がん検診が広く⾏われて

290

外診断⽤医薬品として認可されているハイリスク HPV 検査の市販キットに、HPV DNA キ

326

きた。この検診に HPV 検査を追加的あるいは代替的に⽤いる試みが先進国を中⼼に進めら

291

アゲン® HCII( キアゲン )
、コバス® 4800( ロシュ・ダイアグノスティック )
、アキュジ

327

れている。⽶国では 2014 年に FDA が HPV 検査を含む⽅法の検診としての使⽤を承認し、

292

ーン® HPV( アボット )、アプティマ® HPV( ホロジック )などがある。これらは⾼リス

328

細胞診・HPV 検査併⽤法が細胞診単独法に置き換わってきている。オーストラリアは 2015

293

ク型/低リスク型 HPV をまとめて検出するもので、個々の HPV 遺伝⼦型の判定( HPV タ

329

年に 5 年に 1 回の細胞診・HPV 検査併⽤法が推奨され、2017 年末には HPV 検査単独法が

294

イピング )はできない。

330

推奨された。英国( 2019 年 )、オランダ( 2017 年 )、スウェーデン( 2015 年 )でも HPV 検

331

査単独法を中⼼としたプログラムが推奨されている。HPV 検査の利点として、細胞診と⽐

295

HPV タイピング検査には、PCR/シークエンシング法、PCR/制限酵素消化断⽚多型法、

296

PCR/リバースブロットハイブリダイゼーション法( PCR/RBH 法 )などがあり、

332

べて感度が上昇すること、陰性であった場合に検査間隔を広げられることがあげられる⼀

297

PCR/RBH 法を原理とする市販キットとして MEBGEN

HPV キット( 医学⽣物学研究

333

⽅、細胞診と⽐べて特異度が低いため偽陽性および要精検率が増加する⽋点が指摘されて

298

所 )がある。PCR/RBH 法は HPV 複合感染を⾼感度に検出できるが、PCR/シークエンシ

334

いる。また HPV 陽性者のうち CIN3 に進展するのは年 2 %程度であり⻑期の追跡が必要

299

ング法と PCR/制限酵素消化断⽚多型法は複合感染の判定が難しい。

335

であるが、コンプライアンスの低さが各国共通の課題となっている。開発途上国では細胞診

TM

300

これらの HPV 検査・タイピングは、厳密な実験室設備と試薬管理を必要とするため、病

336

検査技師の育成および医療機関へのアクセスの問題から HPV 検査の迅速診断を導⼊する

301

院・保健所・地⽅衛⽣研究所での⼀般的な診断法としては使⽤されていない。通常は臨床検

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試みが検討されている。⽇本でも HPV 検査・細胞診の併⽤による⼦宮頸がん検診の有効性

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査会社が受託する形で実施されている。

338

評価研究が実施されており、検診ガイドラインの改訂も進められている

303

HPV 検査・タイピングの臨床的意義として、⼦宮頸がん検診の感度上昇があげられる。

339

( http://canscreen.ncc.go.jp/guideline/shikyukeigan.html )。HPV 検査を検診に⽤いた場

304

また細胞診で「意義不明な異型扁平上⽪細胞( ASC-US )
」という結果であったときに、精

340

合の判定結果毎のフォローアップアルゴリズムは、まだ国内で統⼀されておらず、現在厚⽣

305

密検査を⾏うか経過観察にするかを決定するためにハイリスク HPV 検査を⾏うことが有

341

労働科学研究費による検討が進んでいる。

306

⽤とされ、この場合には保険診療として算定できる。

342

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さらに、CIN2/3 治療後の再発リスク判定のためにハイリスク HPV 検査またはタイピン

343

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グ検査を⾏うことで、CIN2/3 治療後に病変の残存・再発の早期発⾒ができる。2018 年 4 ⽉

344

9

⑤ 治療法
⼦宮頸部上⽪内病変のうち CIN1 と呼ばれ、その⼤部分が⾃然消退する軽度異形成につ
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