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09参考資料1-3 9価ヒトパピローマウイルス( HPV )ワクチン ファクトシート (21 ページ)
出典
公開元URL | https://www.mhlw.go.jp/stf/shingi2/0000192554_00024.html |
出典情報 | 厚生科学審議会予防接種・ワクチン分科会 予防接種基本方針部会(第49回 10/4)《厚生労働省》 |
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969
表 10. HPV ワクチン導⼊による尖圭コンジローマの予防効果(37)
989
2)国内でのインパクト
⼦宮頸部病変の罹患率または HPV16,18 陽性率を、ワクチン接種者とワクチン⾮接種者
ワクチン導⼊後 1‐4 年
ワクチン導⼊後 5‐8 年
990
15‐19 歳、⼥性
0.60 (0.46‐0.76)
0.33 (0.24‐0.46)
991
の間で⽐較した有効性評価に関して、幾つかの論⽂が発表されている。それらを予防効果に
20‐24 歳、⼥性
0.76 (0.67‐0.86)
0.46 (0.36‐0.60)
992
換算して、まとめたものを表 12 に⽰す。様々な指標において、概ね 70-90 %の予防効果が
25‐29 歳、⼥性
0.89 (0.80‐0.98)
0.69 (0.53‐0.89)
993
認められている。
0.88 (0.67‐1.16)
994
⼯藤らは、新潟県の⼦宮頸がん検診受診者( 1,814 ⼈ )を対象として、HPV ワクチン接
種による HPV 感染の減少効果を検討している(96)。HPV16,18 の感染率は、2 価 HPV ワ
30‐39 歳、⼥性
1.02 (0.92‐1.13)
15‐19 歳、男性
0.80 (0.62‐1.04)
0.52 (0.37‐0.75)
995
20‐24 歳、男性
0.93 (0.82‐1.06)
0.68 (0.47‐0.98)
996
クチンの接種者( 1,355 ⼈ )で 0.2 %、⾮接種者( 459 ⼈ )で 2.2 %を⽰し、89.8 %の
25‐29 歳、男性
1.05 (0.93‐1.17)
0.94 (0.66‐1.33)
997
予防効果が認められた。初交前にワクチン接種した群での HPV16,18 感染率は、接種者
1.04 (0.76‐1.43)
998
( 1,000 ⼈ )で 0.1 %であり、⾮接種者( 454 ⼈ )の 2.2 %に対して、さらに⾼い 95.5 %
999
の予防効果が認められた。最終的に性交渉パートナー数と⽣まれ年で補正した HPV16,18
30‐39 歳、男性
1.08 (0.98‐1.19)
970
(注)4 価 HPV ワクチン、接種は⼥性のみ
971
オーストラリア、デンマーク、⽶国、イタリア、ベルギー、カナダ、イングランド、スウェーデン、ドイ
1000
972
ツ、ニュージーランド、英国、オランダでの 18 スタディ
1001
⽥中らは、秋⽥県の⼦宮頸がん検診を受診した 20-24 歳の⼥性( 2,425 ⼈ )の、細胞診
973
ワクチン導⼊前に対する導⼊後の相対危険度( 95 %信頼区間 )
1002
異常の頻度について検討している(97)。ASC-US 以上の発⽣頻度は、ワクチン接種群( 413
974
1003
⼈ )で 0.24 %、⾮接種群( 2,012 ⼈ )で 2.04 %を⽰し、88.1 %の予防効果が認められ
975
1004
ている。
表 11. HPV ワクチン導⼊による CIN2 以上の病変の予防効果(37)
ワクチン導⼊後 1‐4 年
ワクチン導⼊後 5‐8 年
15‐19 歳、⼥性
0.73 (0.67‐0.79)
0.49 (0.42‐0.58)
20‐24 歳、⼥性
0.94 (0.82‐1.08)
0.69 (0.57‐0.84)
25‐29 歳、⼥性
1.12 (1.05‐1.20)
1.19 (1.06‐1.32)
30‐39 歳、⼥性
1.07 (1.00‐1.14)
1.23 (1.13‐1.34)
976
(注)デンマーク、⽶国、オーストラリア、ノルウェー、カナダ、スコットランドでの 9 スタディ
977
ワクチン導⼊前に対する導⼊後の相対危険度(95%信頼区間)
978
979
最近、スウェーデンで 4 価 HPV ワクチン導⼊後の国⺠データベースを⽤いて、4 価 HPV
980
ワクチンの⼦宮頸がんに対する予防効果が調査された(26)。2006 年以降 10 歳以上の⼥性
981
( 1,672,983 ⼈ )を 2017 年あるいは 30 歳まで追跡した。⼦宮頸がんと診断されたのはワ
982
クチン接種者 527,871 ⼈中 19 ⼈、ワクチン⾮接種者 1,145,112 ⼈中 538 ⼈であった。診断
983
時の年齢に基づくモデルでは予防効果( 相対危険度 )は 0.51 ( 95 %信頼区間 0.32-0.82 )
984
であった。さらに暦年、居住地⽅、親の学歴・収⼊、⺟親の出⾝国・がん罹患歴を加味した
985
1005
⼩沢らは、宮城県で⼦宮頸がん検診を受診した 20-24 歳の⼥性( 5,924 ⼈ )の細胞診異
1006
常の結果について、ワクチン接種群と⾮接種群で⽐較解析している(98)。HSIL 以上の細胞
1007
診異常は、接種群( 1,002 ⼈ )で 0.2 %、⾮接種群( 4,922 ⼈ )で 1.1 %を⽰し、82.5 %
1008
の予防効果が⽰された。
1009
今野らの短報では、全国 16 ヶ所⽇本対がん協会提携団体からの⼦宮頸がん検診データ
1010
( 20-29 歳、22,743 ⼈ )を⽤いて、CIN2 以上の組織診異常に対する 69.4 %の予防効果
1011
が⽰されている(99)。また本研究の最新のアップデートでは、20-29 歳の⼥性( 34,281 ⼈ )
1012
の検診データを⽤いて、HPV ワクチン接種者において CIN2 以上に対して 76 %、CIN3 以
1013
上に対して 91 %の予防効果が報告されている(100)。
1014
1015
モデルでは予防効果は 0.37 ( 0.21-0.57 )、これをワクチン接種開始年齢で分けると 17 歳未
986
満の場合 0.12 ( 0.00-0.34 )、それ以降の場合 0.47 ( 0.27-0.75 )であった。性交渉開始前の⼥
987
⼦に HPV ワクチンを接種することが、⼦宮頸がんの予防に重要であることが⽰唆される。
感染の予防効果として 93.9 %が⽰されている。
988
表 12. 国内における HPV ワクチンの有効性評価
(96-100)
指標
予防効果(95%信頼区間)
対象
参考⽂献
HPV16, 18 感染
89.8 % (63.9-97.2)
20-22 歳、1,814 ⼈ 新潟県 6 都市
(96)
ASC-US 以上
88.1 % (13.9-98.4)
20-24 歳、2,425 ⼈ 秋⽥県
(97)
HSIL 以上
82.5 % (28.2-95.7)
20-24 歳、5,924 ⼈ 宮城県
(98)
CIN2 以上
69.4 % (17.4-88.7)
20-29 歳、22,743 ⼈
(99)
CIN2 以上
76 % (40-90)
20-29 歳、34,281 ⼈
(100)
CIN3 以上
91 % (58-100)
全国 16 ヶ所⽇本対がん協会提携団体
1016
1017
41
またワクチン導⼊前後の世代の⽐較による、⼈⼝レベルの効果を調べた論⽂が報告され
42
表 10. HPV ワクチン導⼊による尖圭コンジローマの予防効果(37)
989
2)国内でのインパクト
⼦宮頸部病変の罹患率または HPV16,18 陽性率を、ワクチン接種者とワクチン⾮接種者
ワクチン導⼊後 1‐4 年
ワクチン導⼊後 5‐8 年
990
15‐19 歳、⼥性
0.60 (0.46‐0.76)
0.33 (0.24‐0.46)
991
の間で⽐較した有効性評価に関して、幾つかの論⽂が発表されている。それらを予防効果に
20‐24 歳、⼥性
0.76 (0.67‐0.86)
0.46 (0.36‐0.60)
992
換算して、まとめたものを表 12 に⽰す。様々な指標において、概ね 70-90 %の予防効果が
25‐29 歳、⼥性
0.89 (0.80‐0.98)
0.69 (0.53‐0.89)
993
認められている。
0.88 (0.67‐1.16)
994
⼯藤らは、新潟県の⼦宮頸がん検診受診者( 1,814 ⼈ )を対象として、HPV ワクチン接
種による HPV 感染の減少効果を検討している(96)。HPV16,18 の感染率は、2 価 HPV ワ
30‐39 歳、⼥性
1.02 (0.92‐1.13)
15‐19 歳、男性
0.80 (0.62‐1.04)
0.52 (0.37‐0.75)
995
20‐24 歳、男性
0.93 (0.82‐1.06)
0.68 (0.47‐0.98)
996
クチンの接種者( 1,355 ⼈ )で 0.2 %、⾮接種者( 459 ⼈ )で 2.2 %を⽰し、89.8 %の
25‐29 歳、男性
1.05 (0.93‐1.17)
0.94 (0.66‐1.33)
997
予防効果が認められた。初交前にワクチン接種した群での HPV16,18 感染率は、接種者
1.04 (0.76‐1.43)
998
( 1,000 ⼈ )で 0.1 %であり、⾮接種者( 454 ⼈ )の 2.2 %に対して、さらに⾼い 95.5 %
999
の予防効果が認められた。最終的に性交渉パートナー数と⽣まれ年で補正した HPV16,18
30‐39 歳、男性
1.08 (0.98‐1.19)
970
(注)4 価 HPV ワクチン、接種は⼥性のみ
971
オーストラリア、デンマーク、⽶国、イタリア、ベルギー、カナダ、イングランド、スウェーデン、ドイ
1000
972
ツ、ニュージーランド、英国、オランダでの 18 スタディ
1001
⽥中らは、秋⽥県の⼦宮頸がん検診を受診した 20-24 歳の⼥性( 2,425 ⼈ )の、細胞診
973
ワクチン導⼊前に対する導⼊後の相対危険度( 95 %信頼区間 )
1002
異常の頻度について検討している(97)。ASC-US 以上の発⽣頻度は、ワクチン接種群( 413
974
1003
⼈ )で 0.24 %、⾮接種群( 2,012 ⼈ )で 2.04 %を⽰し、88.1 %の予防効果が認められ
975
1004
ている。
表 11. HPV ワクチン導⼊による CIN2 以上の病変の予防効果(37)
ワクチン導⼊後 1‐4 年
ワクチン導⼊後 5‐8 年
15‐19 歳、⼥性
0.73 (0.67‐0.79)
0.49 (0.42‐0.58)
20‐24 歳、⼥性
0.94 (0.82‐1.08)
0.69 (0.57‐0.84)
25‐29 歳、⼥性
1.12 (1.05‐1.20)
1.19 (1.06‐1.32)
30‐39 歳、⼥性
1.07 (1.00‐1.14)
1.23 (1.13‐1.34)
976
(注)デンマーク、⽶国、オーストラリア、ノルウェー、カナダ、スコットランドでの 9 スタディ
977
ワクチン導⼊前に対する導⼊後の相対危険度(95%信頼区間)
978
979
最近、スウェーデンで 4 価 HPV ワクチン導⼊後の国⺠データベースを⽤いて、4 価 HPV
980
ワクチンの⼦宮頸がんに対する予防効果が調査された(26)。2006 年以降 10 歳以上の⼥性
981
( 1,672,983 ⼈ )を 2017 年あるいは 30 歳まで追跡した。⼦宮頸がんと診断されたのはワ
982
クチン接種者 527,871 ⼈中 19 ⼈、ワクチン⾮接種者 1,145,112 ⼈中 538 ⼈であった。診断
983
時の年齢に基づくモデルでは予防効果( 相対危険度 )は 0.51 ( 95 %信頼区間 0.32-0.82 )
984
であった。さらに暦年、居住地⽅、親の学歴・収⼊、⺟親の出⾝国・がん罹患歴を加味した
985
1005
⼩沢らは、宮城県で⼦宮頸がん検診を受診した 20-24 歳の⼥性( 5,924 ⼈ )の細胞診異
1006
常の結果について、ワクチン接種群と⾮接種群で⽐較解析している(98)。HSIL 以上の細胞
1007
診異常は、接種群( 1,002 ⼈ )で 0.2 %、⾮接種群( 4,922 ⼈ )で 1.1 %を⽰し、82.5 %
1008
の予防効果が⽰された。
1009
今野らの短報では、全国 16 ヶ所⽇本対がん協会提携団体からの⼦宮頸がん検診データ
1010
( 20-29 歳、22,743 ⼈ )を⽤いて、CIN2 以上の組織診異常に対する 69.4 %の予防効果
1011
が⽰されている(99)。また本研究の最新のアップデートでは、20-29 歳の⼥性( 34,281 ⼈ )
1012
の検診データを⽤いて、HPV ワクチン接種者において CIN2 以上に対して 76 %、CIN3 以
1013
上に対して 91 %の予防効果が報告されている(100)。
1014
1015
モデルでは予防効果は 0.37 ( 0.21-0.57 )、これをワクチン接種開始年齢で分けると 17 歳未
986
満の場合 0.12 ( 0.00-0.34 )、それ以降の場合 0.47 ( 0.27-0.75 )であった。性交渉開始前の⼥
987
⼦に HPV ワクチンを接種することが、⼦宮頸がんの予防に重要であることが⽰唆される。
感染の予防効果として 93.9 %が⽰されている。
988
表 12. 国内における HPV ワクチンの有効性評価
(96-100)
指標
予防効果(95%信頼区間)
対象
参考⽂献
HPV16, 18 感染
89.8 % (63.9-97.2)
20-22 歳、1,814 ⼈ 新潟県 6 都市
(96)
ASC-US 以上
88.1 % (13.9-98.4)
20-24 歳、2,425 ⼈ 秋⽥県
(97)
HSIL 以上
82.5 % (28.2-95.7)
20-24 歳、5,924 ⼈ 宮城県
(98)
CIN2 以上
69.4 % (17.4-88.7)
20-29 歳、22,743 ⼈
(99)
CIN2 以上
76 % (40-90)
20-29 歳、34,281 ⼈
(100)
CIN3 以上
91 % (58-100)
全国 16 ヶ所⽇本対がん協会提携団体
1016
1017
41
またワクチン導⼊前後の世代の⽐較による、⼈⼝レベルの効果を調べた論⽂が報告され
42