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最終評価報告書 参考資料 (65 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_28410.html
出典情報 健康日本21(第二次)最終評価報告書を公表します(10/11)《厚生労働省》
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総括

ー食生活分野ー

女子栄養大学
栄養学部 教授

武見 ゆかり

栄養バランスのよい食生活の実践・継続のカギは、
健康的でおいしい食物が入手できる食環境にあり!
健康寿命をのばすために、一人ひとりが食習慣として実践すべきこと。その内容を、スマート・
ライフ・プロジェクトでは、開始以来、
「毎日プラス1皿の野菜」

「おいしく減塩マイナス2g」

「主
食・主菜・副菜を組み合せて栄養バランスを」
と訴えてきました。これらは、平成25年から10年計
画の国民健康づくり運動
「健康日本21
(第二次)

の目標にもつながっています。
栄養バランスのよい食生活を実践するには、一人ひとりが正しい知識を得て、意欲を持って
取り組むことが重要です。しかし、日々の暮らしの場で、適切な食物が入手できなければ実践
しにくく、まして継続は難しいです。例えば、野菜を食べようと思ってもメニューにない、野菜
の惣菜を買おうにも高くて続けられない、食塩を減らしたいが魅力的な商品が少ない、等々です。
つまり、個人の望ましい食習慣の実践と継続には、それが実現できる食環境が必要ということ
です。食環境には、食物入手の側面と、情報入手の側面がありますが、情報だけでは行動変容
にはつながりにくく、とくに関心の低い人々の変化は期待できません。
スマート・ライフ・プロジェクトのアワードを受賞した食生活分野の取組は、地域や団体
(組織)
の食環境整備をして、従業員や住民の食習慣の改善につなげた事例が多いです。大学食堂で安
価な朝食を提供し若者の朝食欠食を改善した例、地域の飲食店で何を注文してもまず野菜料理
が出てくる取組で住民が野菜から食べる習慣を促した例などです。
さらに特筆すべき点は、単に栄養バランスが良いとか減塩しているではなく、“おいしさ”にこ
だわった食事の提供、食品の開発が評価されていることです。人々が食事に求めるものは、健
康や栄養以上に、おいしさ、楽しさ、喜びであるということを忘れてはなりません。つまり、望
ましい食生活のカギは、おいしさにこだわった食環境整備ともいえます。
今後も、おいしく、楽しく、そして健康寿命の延伸にも役立つ食生活分野の取組が増えるこ
とを期待しています。

参考資料3

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