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資料1-3 初回ニーズ選定時の評価結果及び要望書 (19 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_32363.html
出典情報 医療ニーズの高い医療機器等の早期導入に関する検討会(第35回 3/31)《厚生労働省》
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(別添様式 1 )
レア 既存の治療法、予防法もしくは診断法がない

ーイ 有効性、安全性、肉体的・精神的な叫者負担、操作性等の観点カ
治療法、予防法もしくは診断法として医療上の有用性が期待できる



らょ


>一
\ーー

【根拠】
原発性、転移性を問わむず、肝がんには上述した如くにさまざまな治療法が存在する。 し
かしながら、同じく上述したように、それぞれの治療法には限界がある。このことは、
原発性肝がんのみをとっても、未だわが国のがんによる死亡の第5位であることを見て
も明らかである。 本申請医療機器は、 8 線を放出する微小球 (SIR一 スフィア微小球の
場合は放射性イットリウム 90 がコーティングされている) を肝動脈から投与すること
により、腫瘍に取り込まれた微小球から腫瘍に対 し放射線照射を行うものであり、その
作用機護が従来の治療法と全く異なっている。このため、既存の治療法に置き換わるも
のではなく、従来の治療が不適、あるいは不応の症例を対象としており、この点で「既
存の治療法がない」 症例を対象とすることから、「医療上の有用性」を「ア」と判断した。
具体的には、切除やラジオ波洛固療法のような治癒を狙える治療法が可能な症例は対象
とはならず、肝動脈化学塞栓術 (TACE) 等の治療により腫瘍の制御と延命が試みられる
症例のうち、これらの治療が適応とならない、あるいは不応の症例が対象となる。 具体
的に最も多いと予測される症例は、原発性肝がんにおいては静脈や門脈への浸潤を伴 う
ために肝動脈化学塞栓術 (TACE) が適応とならない症例や、転移性肝がんにおいては切
除やラジオ波凝固療法の適広とならず、かつづ化学療法が奏効しない症例等である。

また、本要望書への記載は主に肝がん、大腸がん肝転移について述べてきたところで
あるが、肝がん、大腸がん肝転移以外にも神経内分泌腫瘍、乳がん肝転移、胆管がん、
膝がん肝転移、悪性黒色腫、肺がん肝転移などに対する報告があり、疾患を限定した論
文としては、神経内分泌腫瘍 5 本、乳がん肝転移 2 本、胆管がん 2 本が報告されている。
また論文には種々の悪性腫瘍が混じったものが含まれているため、これを疾患別に分け
て集計すると、検索し得た 39 論文で、神経内分泌腫瘍 688 例、乳がん肝転移 211 例、胆
管がん 147 例、騰がん肝転移 37 例、悪性黒色腫 26 例、肺がん肝転移 19 例、その他 333
例が報告されており、肝がん、大腸がんに限らず様々な悪性腫瘍の肝病巣に対する治療
に使用されている。 有効性に関しては、疾患を限定した論文では奏効率 22-63%、了臨床的
有効率 78-966%で報告されている。 うち神経内分泌腫瘍については 1 本の Meta-Analysis
があり、奏効率 50% (95%CT, 38-62%) 、了床的有効率 86% (95%CI, 78-92%) と報告され
ている。 一方、有害事象については、重父なものが 39 論文中20 例 (肝障害 12 例、消化
管障害 4 例、胆裏炎 1 例、肺炎 1 例、カルチノイドクライシス 1 例、高度凝固異常 1 例)
報告されているが、全体としての上顔度は 5%以下であり、 肝がん、 大腸がん肝転移の場合
と大きく異なるものではないと判断される。(なお、これら検索した文献とその概要につ
いての資料として、 資料1 、2 を添付する。)

加えて本申請医療機器による治療は、通常 1 回の治療で完了するとともに、治療によ
る副作用が軽微なことが知られており (米国では外来治療と して行われている場合もあ
る)、加者の QOL を保つ観点からも、従前の化学療法等に比べ優れた特性を有している。
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