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参考資料6 全国B型肝炎訴訟原告団・弁護団と大臣の定期協議に係る議事録(令和5年度) (6 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_35798.html
出典情報 肝炎対策推進協議会(第31回 10/18)《厚生労働省》
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こうして私は、献血でB型肝炎の感染を指摘されて以来、初めて専門外来の診察を受けるよう
になりました。3か月ごとの血液検査、年1回はエコー、CT、MRI を受けました。費用は多い時で2
万円くらいでした。これまでどおり、体調に変化はなく、投薬などの治療を受けずに経過観察を続
けました。
2012 年9月、65 歳の時に、医師から突然、「肝がんが3cm できています。今年中に手術を受
けてください」と宣告されました。それまでと体調は変わらず、元気に働いており、3か月前の検査
でも何もなかったのにと、とても大きなショックを受けました。
私は、娘のいる名古屋の大学病院で手術を受けることにしましたが、間もなく定年となるため、
手術とその後の治療費は年金で大丈夫なのだろうかと心配でした。手術は 14 時間かかり、肝臓
の4分の1を切除しました。3cm だったがんは、わずかの間に7cm になっていました。手術費用は
高額療養費制度のおかげで 10 万円ほどで済みましたが、退院後には3か月に1度、広島から名
古屋まで通院しなければならず、交通費と受診料で毎回5万円はかかるようになりました。年金生
活に入った私には大金の負担でした。
B型肝炎訴訟に参加して和解することができ、また、核酸アナログの治療費助成も始まったこと
でかなり助かるようになりました。それでも、和解してもB型肝炎が治ったわけではなく、3か月ごと
に、主治医からがんの再発などを告知されるのではないかと不安になり、胸がドキドキしています。
私のB型肝炎患者としての経験から、次の2点を大臣にお願いします。
1、肝がんや重度肝硬変の患者さんは高齢者が多く、年金生活の方も多いため、保険診療に
は高額療養費制度などがありますが、入院やその後の長期の診療には保険診療以外の経費や
交通費など、経済的負担がとても大きいのです。そこで、一人でも多くの患者が肝がん・重度肝硬
変医療費助成制度を利用できるような制度見直しの検討状況を明らかにしてください。
2、私は、B型肝炎の感染を知った後も自覚症状がなかったため、病院には行かなかったので
すが、たまたま、専門外来の継続受診を始めたおかげで、突然できたがんを早期発見し、手術を
受けて命拾いしました。すぐに大きくなってしまう肝がんを早期発見するのは熟練した専門医でな
ければ難しく、また、私のように無症状キャリアでも専門医の診察を受けやすくするには全国どこ
でも簡単に専門医にアクセスできる体制が必要です。そして、B型肝炎に起因する肝がんは今後
も数十年にわたって患者数が減少しないとの見通しが示されています。そして、多くのB型肝炎患
者は高齢化が進み、発がんの好発年齢になっています。
他方で、専門医療機関として要求される要件を満たした医療機関が全都道府県で存在するよう
になりましたが、学会等の診療ガイドラインに準ずる標準的治療を行っていなかったり診療支援体
制が整っていないなどの問題があり、そもそも、肝臓専門医が足りていないとの指摘もなされてい
ます。また、地域格差も存在します。
全ての患者がどの地域に居住していても、安心して適切な医療、肝臓専門医による診断・治療
を受けられるような体制を整備してください。
以上、大臣、よろしくお願いいたします。

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