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【資料5】口腔・栄養 (25 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_36519.html
出典情報 社会保障審議会 介護給付費分科会(第232回 11/27)《厚生労働省》
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中医協
総-3
5. 10.27

人生の最終段階における口腔管理

○ 要介護の状態になるとADLの低下による口腔清掃能力の低下だけではなく、口腔機能の低下による唾液分泌の減少によ
る自浄作用の低下もおこり、口腔衛生状況が悪くなる。そして、人生の最終段階に近づくにつれ、その傾向は顕著になる。
○ 在宅の終末期がん患者の口腔管理開始から死亡までの期間の歯科的介入の内容を調べた調査では、介入内容は全身状
態の低下とともに口腔衛生管理の頻度が増加し、口腔管理の開始から死亡までの期間は、31日以上90日未満が多かった。
人生の最終段階における身体状況から生じる口腔への影響

1.意識障害
脳血管障害・認知症・神経難病の進展により生じる意識障害
→ う蝕や残存歯による裂傷や褥瘡、それに伴う感染
原始反射の出現などによる咀嚼障害
2.栄養障害
経口摂取不可能や消化吸収作用の減弱、経管栄養でも
十分な栄養補給ができない
→ 脱水による口腔乾燥、健常では罹患しない粘膜疾患
3.循環不全、易出血性の亢進
DICなどの凝固因子欠乏、血管抵抗性の低下など簡単に
出血してしまう状態
→ 口腔内からの不正出血や粘膜の抵抗性低下

在宅終末期がん患者に対する口腔健康管理の状況
⚫ 対象: 2019年3月から2020年12月までの間に歯科訪問診療により口腔管理を開始
した在宅終末期がん患者34名中の24名(年齢:51歳から90歳)
※途中中断および追跡終了時点で継続していた者を除く。

⚫ 方法:死亡するまで歯科訪問診療にて口腔管理を実施
患者の全身状態をPPS(Palliative Performance Scale)を用い、次の3区分で評価し、
訪問時に行った管理内容を検討
• 起居が可能で意識が清明、経口摂取もほぼ正常な60以上の者
• 臥床しがちになり意識に混乱がみられ経口摂取量も減少する30以上50以下の者
• 常に臥床となり傾眠傾向となり数口程度しか経口摂取できなくなる20以下の者

■在宅終末期がん患者に実施した歯科治療の内容
・全身状態の悪化に伴い、歯科治療の頻度は減少し、口腔衛生管理の頻度が増加
・身体機能と歯科治療内容の間には有意な関連(p<0.05,χ二乗検定)

<のべ診療回数>
19
32
52

18

口腔衛生管理
摂食指導

16

歯科治療

28
17

15

30以上50以下
30以上50以下

20以下
20以下

3

PPS60以上
PSS60以上

出典:阪口英夫「人生の最終段階における口腔管理」、
日本障害者歯科学会誌40:119-123,2019を元に保険局医療課で作成

※のべ診療回数:
1回の診療時に「歯
科診療、摂食指導、
口腔衛生管理」のど
れを提供したか積み
上げたもの。1回の
治療で複数の内容を
実施した場合はそれ
ぞれ計上。

■訪問開始から患者が死亡するまでの期間
10日未満:2人
90日以上:6人

10日以上30日以下:5人

31日以上90日未満:11人

出典:日本歯科大学口腔リハビリテーション多摩クリニック 菊谷教授提供資料を元に 25
保険局医療課で作成