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【資料2】新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の罹患後症状について (22 ページ)
出典
公開元URL | https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_41827.html |
出典情報 | 厚生科学審議会 感染症部会(第88回 8/8)《厚生労働省》 |
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厚生労働行政推進調査事業費補助金(新興・再興感染症及び予防接種政策推進研究事業)
新型コロナウイルス感染症に関するアンケート調査 ー北海道札幌市(小児調査)ー
研究分担者:国立国際医療研究センター国際医療協力局グローバルヘルス政策研究センター・センター長 磯博康
研究協力者:北海道大学大学院医学研究院公衆衛生学教室 教授 玉腰暁子、木村尚史、春原怜史
研究目的:新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の罹患後症状の長期的な影響(罹患後症状の状況、就学への影響、等)について、
非感染者との比較や症状の持続の有無別に比較し、実態を明らかにすること。
対
象: 2022年度の調査*に回答した、2020年1月~2022年9月のCOVID-19感染者と非感染者で、札幌市在住の6~18歳(2024年3月時点)
方
法:保護者による自記式アンケート(オンライン回答)
* 2023年3月に実施した、札幌市在住の5歳~17歳の感染者および非感染者100,777人を対象とする調査。
調査時期:2024年2~3月
罹患後症状の定義:感染者において、2か月以上持続し、かつ初回感染から3か月時点で有した症状
遷延する症状(遷延症状)の定義:非感染者において、2023年3月から回答時点までの間で2か月以上続いた症状
感染者の罹患後症状の時系列推移(n=4,112)
有効回答者数
アンケート送付:6~18歳の26,994人
有効回答者7,811人 (有効回答率 29.0%。感染者6,167人、非感染者1,644人)
感染者のうち、感染から1年半以上経過した者を抽出し感染群とした。
感染から1年半以上経過した
感染群4,112人
割合(%)
(なお、複数回感染者については、初回感染からの症状の有無について尋ねた)
結果
非感染群
1,644人
感染3か月時点で
罹患後症状あり
256人(6.2%)
調査時点で
罹患後症状が
持続あり
44人(1.1%)
調査時点で
罹患後症状が
持続なし
212人(5.2%)
感染3か月時点で
罹患後症状なし
3,856 人
(93.8%)
遷延症状なし
1,581人
(96.2%)
遷延症状あり
63人
(3.8%)
平均年齢, 歳 (SD)*
性(女児)
平均追跡期間,月(SD)
感染回数
1回
2回以上
非感染者 (n=1,644)
遷延症状
なし
(n=1,581)
遷延症状
あり(n=63)
mean, n
(SD,%)
mean, n
(SD,%)
mean, n
(SD,%)
mean, n
(SD,%)
mean, n
(SD,%)
11.7
20
22.9
(3.5)
(45.5)
(3.2)
11.2
96
23.3
(3.8)
(45.3)
(5.8)
9.8
1706
23.0
(3.3)
(44.2)
(4.5)
10.3
29
-
(3.7)
(46.0)
-
9.9
752
-
(3.4)
(47.6)
-
33
11
(75.0)
(25.0)
156
56
(73.6)
(26.4)
2968
888
(77.0)
(23.0)
‐
‐
‐
‐
‐
‐
‐
‐
COVID-19初回感染の重症度
無症状・軽症
44
中等症Ⅰ・Ⅱ
0
重症
0
不明
0
感染前のCOVID-19ワクチン接種
33
接種なし
2
接種あり(1回)
9
接種あり(2回以上)
(100.0)
(0)
(0)
(0)
208
3
0
1
(98.1)
(1.4)
(0)
(0.5)
3,832
15
2
7
(99.4)
(0.4)
(0.1)
(0.2)
‐
‐
‐
‐
‐
‐
‐
‐
‐
‐
‐
‐
‐
‐
‐
‐
(75.0)
(4.5)
(20.5)
165
13
34
(77.8)
(6.1)
(16.0)
3,243
121
492
(84.1)
(3.1)
(12.8)
41
0
22
(65.1)
(0)
(34.9)
913
5
663
(57.7)
(0.3)
(41.9)
* 年齢はベースライン調査(2023年3月実施)時点
3か月
*非感染者においては回答時点での接種状況
6か月
12か月
18か月
いずれかの
症状あり
咳嗽
頭痛
疲労感・
倦怠感
集中力低下
脱毛
睡眠障害
呼吸困難
嗅覚障害
ブレインフォ
グ
3か月
6.2%
1.1%
1.0%
0.9%
0.8%
0.7%
0.5%
0.5%
0.5%
0.4%
6か月
5.2%
0.8%
0.9%
0.7%
0.7%
0.5%
0.5%
0.3%
0.3%
0.3%
12か月
2.5%
0.3%
0.5%
0.3%
0.4%
0.2%
0.2%
0.1%
0.2%
0.1%
18か月
1.3%
0.1%
0.2%
0.2%
0.2%
0.1%
0.1%
0.0%
0.1%
0.1%
感染状況と就学(業)状況
回答者背景
感染者(n=4,112)
罹患後症状あり (n=256)
罹患後症状
なし
持続あり
持続なし
(n=3,856)
(n=44)
(n=212)
7.0%
6.0%
5.0%
4.0%
3.0%
2.0%
1.0%
0.0%
感染者 (n=4,112)
罹患後症状あり
罹患後症状
(n=256)
なし
持続あり
持続なし
(n=3,856)
(n=44)
(n=212)
n
(%)
n
(%)
n
(%)
過去1年間の欠席日数 *学級閉鎖は除く
0日
6 (13.6) 32 (15.1) 581 (15.1)
まとめ
➢ 感染者において、何らか1つ以上の罹患後症状ありの者の
非感染者 (n=1,644)
頻度は、感染3か月後に6.2%、6か月後に5.2%、12か月
後に2.5%、18か月後に1.3%と経時的に低下した。感染
遷延症状
遷延症状
あり
なし
18か月後に持続した症状で多く見られたのは、咳嗽、頭
(n=63)
(n=1,581)
痛、疲労感・倦怠感、集中力低下、脱毛であった。
➢ 罹患後症状持続のリスク要因は、罹患後症状持続ありの者
n
(%)
n
(%)
が44人と少なく、信頼性のある解析はできなかった。
6
(9.5) 308 (19.5) ➢ 罹患後症状持続ありの者では、罹患後症状なしの者や非感
染者の遷延症状なしの者と比べて、年間31日以上の欠席
41 (65.1) 1,117 (70.7)
の割合が高かった。
12 (19.0) 74 (4.7)
➢ 罹患後症状持続ありの者では、罹患後症状なしの者よりも
3
(4.8) 50 (3.2)
感染前と比べて遅刻・早退や欠席が増加した者の割合が高
1
(1.6) 32 (2.0)
いものの、休学や退学の割合に差は見られなかった。
1日~14日
22
(50.0) 138 (65.1) 2,936 (76.1)
15日~30日
5
(11.4)
27
(12.7) 188
(4.9)
31日以上
9
(20.5)
14
(6.6)
102
(2.6)
不明・無回答者
2
(4.5)
1
(0.5) 49
感染前と比べた就学(業)の変化
(非感染者においては2023年3月からの変化)
遅刻・早退の増加 7 (15.9) 11 (5.2) 70
(1.3)
(1.8)
8
(12.7)
38
(2.4)
欠席の増加
18
(40.9)
36
(17.0) 188
(4.9)
11
(17.5)
82
(5.2)
休学
1
(2.3)
1
(0.5)
5
(0.1)
0
(0.0)
3
(0.2)
退学
0
(0.0)
0
(0.0)
2
(0.1)
0
(0.0)
0
(0.0)
(研究の留意事項)
・一般的に回答率は症状がある人の方が高くなる傾向がある(回答バイアス)ことから、罹患後症
状を有する者・持続する者の割合の解釈には留意が必要である。
・感染者、非感染者ともに想起バイアスの可能性は否定できない。
・本研究の罹患後症状は自覚症状に基づいてのみ評価し、医学的に診断されたものではないため
COVID-19以外の疾患に伴う症状やCOVID-19再感染による症状が含まれている可能性がある。
・ワクチンと罹患後症状の関係を検討目的とした研究ではないため、最終接種からの経過時間や、
接種者と非接種者の受療行動の違い等の関連因子の影響は除外しきれない。
新型コロナウイルス感染症に関するアンケート調査 ー北海道札幌市(小児調査)ー
研究分担者:国立国際医療研究センター国際医療協力局グローバルヘルス政策研究センター・センター長 磯博康
研究協力者:北海道大学大学院医学研究院公衆衛生学教室 教授 玉腰暁子、木村尚史、春原怜史
研究目的:新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の罹患後症状の長期的な影響(罹患後症状の状況、就学への影響、等)について、
非感染者との比較や症状の持続の有無別に比較し、実態を明らかにすること。
対
象: 2022年度の調査*に回答した、2020年1月~2022年9月のCOVID-19感染者と非感染者で、札幌市在住の6~18歳(2024年3月時点)
方
法:保護者による自記式アンケート(オンライン回答)
* 2023年3月に実施した、札幌市在住の5歳~17歳の感染者および非感染者100,777人を対象とする調査。
調査時期:2024年2~3月
罹患後症状の定義:感染者において、2か月以上持続し、かつ初回感染から3か月時点で有した症状
遷延する症状(遷延症状)の定義:非感染者において、2023年3月から回答時点までの間で2か月以上続いた症状
感染者の罹患後症状の時系列推移(n=4,112)
有効回答者数
アンケート送付:6~18歳の26,994人
有効回答者7,811人 (有効回答率 29.0%。感染者6,167人、非感染者1,644人)
感染者のうち、感染から1年半以上経過した者を抽出し感染群とした。
感染から1年半以上経過した
感染群4,112人
割合(%)
(なお、複数回感染者については、初回感染からの症状の有無について尋ねた)
結果
非感染群
1,644人
感染3か月時点で
罹患後症状あり
256人(6.2%)
調査時点で
罹患後症状が
持続あり
44人(1.1%)
調査時点で
罹患後症状が
持続なし
212人(5.2%)
感染3か月時点で
罹患後症状なし
3,856 人
(93.8%)
遷延症状なし
1,581人
(96.2%)
遷延症状あり
63人
(3.8%)
平均年齢, 歳 (SD)*
性(女児)
平均追跡期間,月(SD)
感染回数
1回
2回以上
非感染者 (n=1,644)
遷延症状
なし
(n=1,581)
遷延症状
あり(n=63)
mean, n
(SD,%)
mean, n
(SD,%)
mean, n
(SD,%)
mean, n
(SD,%)
mean, n
(SD,%)
11.7
20
22.9
(3.5)
(45.5)
(3.2)
11.2
96
23.3
(3.8)
(45.3)
(5.8)
9.8
1706
23.0
(3.3)
(44.2)
(4.5)
10.3
29
-
(3.7)
(46.0)
-
9.9
752
-
(3.4)
(47.6)
-
33
11
(75.0)
(25.0)
156
56
(73.6)
(26.4)
2968
888
(77.0)
(23.0)
‐
‐
‐
‐
‐
‐
‐
‐
COVID-19初回感染の重症度
無症状・軽症
44
中等症Ⅰ・Ⅱ
0
重症
0
不明
0
感染前のCOVID-19ワクチン接種
33
接種なし
2
接種あり(1回)
9
接種あり(2回以上)
(100.0)
(0)
(0)
(0)
208
3
0
1
(98.1)
(1.4)
(0)
(0.5)
3,832
15
2
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(99.4)
(0.4)
(0.1)
(0.2)
‐
‐
‐
‐
‐
‐
‐
‐
‐
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(75.0)
(4.5)
(20.5)
165
13
34
(77.8)
(6.1)
(16.0)
3,243
121
492
(84.1)
(3.1)
(12.8)
41
0
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(65.1)
(0)
(34.9)
913
5
663
(57.7)
(0.3)
(41.9)
* 年齢はベースライン調査(2023年3月実施)時点
3か月
*非感染者においては回答時点での接種状況
6か月
12か月
18か月
いずれかの
症状あり
咳嗽
頭痛
疲労感・
倦怠感
集中力低下
脱毛
睡眠障害
呼吸困難
嗅覚障害
ブレインフォ
グ
3か月
6.2%
1.1%
1.0%
0.9%
0.8%
0.7%
0.5%
0.5%
0.5%
0.4%
6か月
5.2%
0.8%
0.9%
0.7%
0.7%
0.5%
0.5%
0.3%
0.3%
0.3%
12か月
2.5%
0.3%
0.5%
0.3%
0.4%
0.2%
0.2%
0.1%
0.2%
0.1%
18か月
1.3%
0.1%
0.2%
0.2%
0.2%
0.1%
0.1%
0.0%
0.1%
0.1%
感染状況と就学(業)状況
回答者背景
感染者(n=4,112)
罹患後症状あり (n=256)
罹患後症状
なし
持続あり
持続なし
(n=3,856)
(n=44)
(n=212)
7.0%
6.0%
5.0%
4.0%
3.0%
2.0%
1.0%
0.0%
感染者 (n=4,112)
罹患後症状あり
罹患後症状
(n=256)
なし
持続あり
持続なし
(n=3,856)
(n=44)
(n=212)
n
(%)
n
(%)
n
(%)
過去1年間の欠席日数 *学級閉鎖は除く
0日
6 (13.6) 32 (15.1) 581 (15.1)
まとめ
➢ 感染者において、何らか1つ以上の罹患後症状ありの者の
非感染者 (n=1,644)
頻度は、感染3か月後に6.2%、6か月後に5.2%、12か月
後に2.5%、18か月後に1.3%と経時的に低下した。感染
遷延症状
遷延症状
あり
なし
18か月後に持続した症状で多く見られたのは、咳嗽、頭
(n=63)
(n=1,581)
痛、疲労感・倦怠感、集中力低下、脱毛であった。
➢ 罹患後症状持続のリスク要因は、罹患後症状持続ありの者
n
(%)
n
(%)
が44人と少なく、信頼性のある解析はできなかった。
6
(9.5) 308 (19.5) ➢ 罹患後症状持続ありの者では、罹患後症状なしの者や非感
染者の遷延症状なしの者と比べて、年間31日以上の欠席
41 (65.1) 1,117 (70.7)
の割合が高かった。
12 (19.0) 74 (4.7)
➢ 罹患後症状持続ありの者では、罹患後症状なしの者よりも
3
(4.8) 50 (3.2)
感染前と比べて遅刻・早退や欠席が増加した者の割合が高
1
(1.6) 32 (2.0)
いものの、休学や退学の割合に差は見られなかった。
1日~14日
22
(50.0) 138 (65.1) 2,936 (76.1)
15日~30日
5
(11.4)
27
(12.7) 188
(4.9)
31日以上
9
(20.5)
14
(6.6)
102
(2.6)
不明・無回答者
2
(4.5)
1
(0.5) 49
感染前と比べた就学(業)の変化
(非感染者においては2023年3月からの変化)
遅刻・早退の増加 7 (15.9) 11 (5.2) 70
(1.3)
(1.8)
8
(12.7)
38
(2.4)
欠席の増加
18
(40.9)
36
(17.0) 188
(4.9)
11
(17.5)
82
(5.2)
休学
1
(2.3)
1
(0.5)
5
(0.1)
0
(0.0)
3
(0.2)
退学
0
(0.0)
0
(0.0)
2
(0.1)
0
(0.0)
0
(0.0)
(研究の留意事項)
・一般的に回答率は症状がある人の方が高くなる傾向がある(回答バイアス)ことから、罹患後症
状を有する者・持続する者の割合の解釈には留意が必要である。
・感染者、非感染者ともに想起バイアスの可能性は否定できない。
・本研究の罹患後症状は自覚症状に基づいてのみ評価し、医学的に診断されたものではないため
COVID-19以外の疾患に伴う症状やCOVID-19再感染による症状が含まれている可能性がある。
・ワクチンと罹患後症状の関係を検討目的とした研究ではないため、最終接種からの経過時間や、
接種者と非接種者の受療行動の違い等の関連因子の影響は除外しきれない。