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資料2-4 重篤副作用疾患別対応マニュアル 血管炎による腎障害(ANCA関連含む)(案)[1.2MB] (12 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/shingi2/0000209243_00011.html
出典情報 重篤副作用総合対策検討会(第16回 10/17)《厚生労働省》
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2.副作用の概要
(1)自覚症状
一般的に、医薬品による血管炎においてもっとも多くみられるのは皮膚症
状(紅斑、紫斑)である。特に ANCA に関連のない薬剤性血管炎は、皮膚症
状が中心で腎、肺、消化器などの内臓症状が少なく、症状出現は薬剤投与 2
週間以内と比較的短期である。一方、薬剤誘発性 ANCA 関連血管炎は、症状
出現まで平均 2~3 年と比較的長期間使用後に発症するのが特徴で、初期は
発熱、倦怠感、関節痛、筋痛などの全身症状を呈し、多彩な皮疹(紅斑、紫
斑、結節、血疱、じんましん、網状皮斑、潰瘍)、しびれ、神経痛などを認め
る。
(2)他覚症状
薬剤誘発性 ANCA 関連血管炎では、臓器症状として、腎症状(顕微鏡的血
尿、蛋白尿)
、末梢神経症状(しびれ、神経痛)
、眼症状(充血、強膜炎)
、鼻
症状(鼻出血、鼻痛)、肺・胸膜症状(咳嗽、血痰、喀血、胸痛)、消化器症
状(下血、腹痛)などがみられる。
(3)臨床検査値
尿 検 査:尿蛋白陽性、尿潜血陽性、尿沈渣にて赤血球多数、赤血球円
柱、顆粒円柱
血液検査:尿素窒素(BUN)増加、クレアチニン(Cr)増加、白血球数増
加、好酸球数増加、血小板数増加、赤沈亢進、CRP 増加
特殊検査:ANCA は MPO-ANCA 陽性例が PR-3 -ANCA 陽性例に比べて圧倒
的に多い。ほかに抗ヒストン抗体、抗リン脂質抗体などを同
時に認めることがある。
(4)画像検査所見
特徴的な画像所見はないが、慢性腎・肺疾患の鑑別に腹部超音波や全身 CT
を行う。
(5)病理組織所見(腎臓)
顕微鏡的多発血管炎と同様に、半月体形成性糸球体腎炎がみられる。血管
病変では内膜から中膜にかけてフィブリノイド壊死を伴う壊死性動脈炎や、
壊死性糸球体腎炎が認められる。蛍光抗体法も陰性であることが多い。

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