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資料2-4 重篤副作用疾患別対応マニュアル 血管炎による腎障害(ANCA関連含む)(案)[1.2MB] (7 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/shingi2/0000209243_00011.html
出典情報 重篤副作用総合対策検討会(第16回 10/17)《厚生労働省》
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医薬品による血管炎は一般的に薬の服用中止のみで改善すること
が多いと言われています。検尿などの検査を定期的に受けて、早期に
発見できれば、軽症のうちに治療できる可能性が大きくなります。

1.血管炎とは?
血管炎は炎症を起こす血管の太さで病名が分けられています。毛
細血管など小さいサイズの血管(小型)に炎症を起こすものは抗好
アンカ

中球細胞質抗体 (antineutrophil cytoplasmic antibody; ANCA)関
連血管炎と呼ばれています。これは、血液中に ANCA という抗体がで
きることによって白血球の一種である好中球が刺激を受け、血管や
臓器に障害が起きるものです。
薬剤誘発性の ANCA 関連血管炎では、早期の徴候としての全身症
状と、炎症を起こした部位の臓器に症状が現れます。全身症状とし
ては、倦怠感、発熱、食思不振、上気道炎症状、関節痛・筋肉痛、
悪心・嘔吐、体重減少などが現れます。腎臓に炎症がおよぶと検尿
異常や浮腫がみられ、腎機能が悪化した場合、全身倦怠感が強くみ
られます。皮膚では下肢に紫斑(圧迫しても色が消退しない小さな
紫色の斑点、しこりを伴うこともある)や網目状の模様がみられま
すが、手、顔、耳の後ろにも皮疹がみられることがあります。ジン
ジンとした下肢のしびれや、筋肉痛、転びやすいなどの筋力低下を
認めることがあります。
他にも、眼の痛み、充血、鼻閉、鼻血、鼻の痛みなど眼・鼻症状
が血管炎の症状として現れる場合があります。また気管支・肺の症
状として、咳や血痰、喀血などが出現することがあります。
腎臓においては、初期には自覚症状は少なく、検診やかかりつけ
医の定期検査で偶然に血尿や腎機能低下を指摘され受診される場
合がしばしばあります。
診断が遅れると、進行が速い特徴があるため数週間~数か月で重
症化し、腎不全で透析が必要になることがあります。
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