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資料2-4 重篤副作用疾患別対応マニュアル 血管炎による腎障害(ANCA関連含む)(案)[1.2MB] (15 ページ)
出典
公開元URL | https://www.mhlw.go.jp/stf/shingi2/0000209243_00011.html |
出典情報 | 重篤副作用総合対策検討会(第16回 10/17)《厚生労働省》 |
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報告例が約半数をしめるという特徴があり、アイソトープ治療や手術より
PTU の高用量投与を選択する傾向があることとの関連性も推察されている
14)
。臨床症状は一般的に軽症だが、MPO-ANCA 陽性の半月体形成性腎炎を発
症した例や 15)、PTU 中止後も寛解せず末期腎不全に至った例も報告されて
いる 16)。
② ヒドララジン
薬剤性ループスの原因として知られている薬剤であるが、特徴的なのは
MPO-ANCA 陽性の腎病変も発症し得ることである 17)。4 例中 3 例で透析療
法が行われ、2 例の腎生検では pauci-immune 型の巣状分節性増殖性腎炎
がみられたとの報告がある 18)。
③ TNFα阻害薬
関節リウマチで使用される TNFα阻害薬は、薬剤奇異反応(paradoxical
reaction)として多彩な自己免疫疾患を誘発することが明らかにされてい
る。病態には薬剤自体の薬理作用、ANCA などの自己抗体産生促進、炎症性
サイトカインの産生亢進などの関与が推測されているが 1),19)、不明な点も
多い。
④ ミノサイクリン塩酸塩
皮膚型結節性多発動脈炎様の皮疹(下肢の網状皮斑、皮下結節)が特徴
で、発熱、筋肉痛を伴う。
(8)副作用発現頻度
PTU による ANCA 関連血管炎の発生率は、1 万人あたり 0.47-0.71 人で、
PTU 使用の 30%程度に ANCA 陽性となるが、無症状の患者も多い。MPO-ANCA 陽
性を来しても実際に血管炎が発症する割合は 4~6.5%とまれである 4)。TNFα
阻害薬関連血管炎においては 10%未満にとどまり、最も多い症状が皮膚血管
炎で、続いて腎障害、末梢性神経障害、中枢神経障害、肺血管炎と報告され
ている 20)。
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PTU の高用量投与を選択する傾向があることとの関連性も推察されている
14)
。臨床症状は一般的に軽症だが、MPO-ANCA 陽性の半月体形成性腎炎を発
症した例や 15)、PTU 中止後も寛解せず末期腎不全に至った例も報告されて
いる 16)。
② ヒドララジン
薬剤性ループスの原因として知られている薬剤であるが、特徴的なのは
MPO-ANCA 陽性の腎病変も発症し得ることである 17)。4 例中 3 例で透析療
法が行われ、2 例の腎生検では pauci-immune 型の巣状分節性増殖性腎炎
がみられたとの報告がある 18)。
③ TNFα阻害薬
関節リウマチで使用される TNFα阻害薬は、薬剤奇異反応(paradoxical
reaction)として多彩な自己免疫疾患を誘発することが明らかにされてい
る。病態には薬剤自体の薬理作用、ANCA などの自己抗体産生促進、炎症性
サイトカインの産生亢進などの関与が推測されているが 1),19)、不明な点も
多い。
④ ミノサイクリン塩酸塩
皮膚型結節性多発動脈炎様の皮疹(下肢の網状皮斑、皮下結節)が特徴
で、発熱、筋肉痛を伴う。
(8)副作用発現頻度
PTU による ANCA 関連血管炎の発生率は、1 万人あたり 0.47-0.71 人で、
PTU 使用の 30%程度に ANCA 陽性となるが、無症状の患者も多い。MPO-ANCA 陽
性を来しても実際に血管炎が発症する割合は 4~6.5%とまれである 4)。TNFα
阻害薬関連血管炎においては 10%未満にとどまり、最も多い症状が皮膚血管
炎で、続いて腎障害、末梢性神経障害、中枢神経障害、肺血管炎と報告され
ている 20)。
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