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総-5参考 (17 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_45183.html
出典情報 中央社会保険医療協議会 総会(第598回 11/13)《厚生労働省》
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3. 交差反応性
交差反応性について検討した結果、以下の結果が得られました。
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4. その他
本試薬は全自動化学発光酵素免疫測定システム
(代表例:ルミパルス G1200)用試薬です。

4. 濃度の算出法
マスターキャリブレーションデータは、免疫反応カートリッジケース
の2次元バーコードに記録されています。検体中のβ-アミロイド
1-40濃度は、β-アミロイド1-40キャリブレータ溶液の発光量
をもとに較正された検量線から自動的に算出されます。また複数装置を
お使いの場合は1台ごとに検量線を作成してください。
β-アミロイド1-40キャリブレータ溶液の測定は以下の場合に行い
ます。
・免疫反応カートリッジが、新しいロットに切り替わった場合。
・検量線を更新後、30日が経過した場合。
上記以外においても必要が生じた場合は、β-アミロイド1-40キャ
リブレータ溶液を測定し検量線を更新してください。
検体中のβ-アミロイド1-40濃度が30000pg/mLを超えた
場合は、必要に応じて検体希釈液を用いて検体を希釈し、再測定してくだ
さい。なお、用手法で希釈する場合には20倍までの範囲内で行ってくだ
さい。

■用法・用量(操作方法)

■測定結果の判定法

1. 試薬の調製法
(1) 抗体結合粒子および酵素標識抗体
免疫反応カートリッジには抗体結合粒子および酵素標識抗体が充填さ
れています。カートリッジケースの透明フィルムを剥がし、そのまま使
用します。
・免疫反応カートリッジを取扱う際に、振動を加えたり、逆さまにした
りしないでください。
・免疫反応カートリッジを装置にセットする際は、カートリッジケー
スの透明フィルムを必ず剥がしてください。剥がし忘れや剥がし残
りがある場合、装置の動作異常の原因となります。
・試薬項目および試薬ロットはカートリッジケースのバーコードによ
って管理されています。カートリッジケース間の免疫反応カートリ
ッジの入れ替えは試薬の誤認識に繋がる可能性がありますので行わ
ないでください。
(2) β-アミロイド1-40キャリブレータ
常温(15~25℃)に戻してから使用します。
各濃度のβ-アミロイド1-40キャリブレータ(凍結乾燥)にβ-ア
ミロイド1-40用溶解用液を正確に1.0mL加え、β-アミロイド
1-40キャリブレータ溶液を調製します。溶解する際は、溶解用液を
加えて3分間以上置いた後、穏やかに混和してください。β-アミロイ
ド1-40キャリブレータ溶液は、デッドボリュームを考慮して、サン
プルカップに必要量を分取し、そのまま使用します。
・デッドボリュームはご使用の測定システムによって異なりますので
各測定システムの取扱説明書をご覧ください。
一例としてルミパルス G1200でサンプルカップをご使用の場
合、デッドボリュームは100μLとなります。
・調製後のβ-アミロイド1-40キャリブレータ溶液は2~10℃
に保存した場合、1週間安定です。また、-20℃以下で凍結保存し
た場合、3ヵ月間安定です。凍結融解は3回まで可能です。
(3) β-アミロイド1-40用溶解用液
常温(15~25℃)に戻してから使用します。
(4) 基質液
冷蔵庫から出してそのまま使用します。
・基質液の漏れがないように装置にセットしてください。
・基質液を装置にセットした後は、基質液交換時まで取外しは避けて
ください。基質液の注ぎ足しはしないでください。基質液がアルカリ
ホスファターゼ(ALP)に汚染されますと使用できません。手指が
直接基質液に触れた場合は、廃棄してください。
(5) 洗浄液
濃縮液のため精製水で10倍に希釈し、よく撹拌します。希釈した洗浄
液は、常温(15~25℃)に戻してから使用します。
(6) 検体希釈液
15~30℃に戻してからそのまま使用します。
ルミパルス G1200にセットする場合は、冷蔵庫から出してその
まま使用してください。
2. 必要な器具・器材・試料等
(1) マイクロピペット、サンプリングチップおよびサンプルカップ
(2) 全自動化学発光酵素免疫測定システム
(3) LPコントロール・β-アミロイド(別売品)
精度管理用試料として、LPコントロール・β-アミロイドを推奨い
たします。
使用に際しては、LPコントロール・β-アミロイドの取扱説明書を
参照してください。
3. 測定法
(1) 測定システムの取扱説明書を参照し、検体および測定に必要な試薬を
所定の位置にセットしてください。
(サンプルの最少必要量は、使用す
る容器や測定システムによって異なりますので、各測定システムの取
扱説明書をご覧ください。)
(2) β-アミロイド1-40キャリブレータおよび検体の測定依頼内容を
それぞれ入力します。
(3) 測定を開始する前に、免疫反応カートリッジ、基質液、洗浄液、検体希
釈液、サンプリングチップの残量を確認します。
(4) スタートキーを押し、測定を開始します。装置内で自動的に実行される
動作については測定原理の「反応プロトコール」の項をご参照くださ
い。

1. 判定法
測定結果の判定は、本品で測定されたβ-アミロイド1-40濃度と、別
売の「ルミパルス
β-アミロイド1-42(承認番号:
30300EZX00063000)」で測定されたβ-アミロイド1-42濃度から算出
されたβ-アミロイド1-42/1-40比(以下、Aβ42/Aβ40比
と記載)で行います。
2. 参考基準範囲
脳内アミロイド蓄積が見られない群83例の脳脊髄液中のβ-アミロイ
ド1-40を所定の操作で測定しAβ42/Aβ40比を求めたところ、
参考基準値として0.073以上の結果が得られました。
3. 判定上の注意
(1) 基準範囲は、測定条件や検体によって異なることがありますので、各施
設に適した基準範囲を設定してください。
(2) リウマトイド因子や異好性抗体の影響を受ける可能性があります。
(3) 検体中に存在する未同定の非特異反応性物質の影響により、まれに測
定値が正確に得られない場合がありますので、他の検査結果や臨床症
状等もあわせて考慮し、総合的に判断してください。

■臨床的意義
β-アミロイド1-40は40残基のアミノ酸からなるβ-アミロイドペ
プチドです。42残基のアミノ酸からなるβ-アミロイド1-42とともに
アルツハイマー病の脳組織学的特徴とされる老人斑(アミロイド蓄積)と関
連しています4)。脳脊髄液(CSF)中のβ-アミロイド1-42とβ-ア
ミロイド1-40の比はアミロイドPET検査によるアミロイド蓄積量と
強い相関を示し、脳内アミロイドβの蓄積を把握できるバイオマーカーとし
て有用です5)。
本試薬は、化学発光基質(AMPPD)を用いた化学発光酵素免疫測定法6)
(CLEIA;chemiluminescent enzyme immunoassay)に基づく試薬です。
(臨床性能試験の概要)
エレンベセスタットの第3相臨床試験で得られたCSF検体
(MCI due to AD疑い184例、mild AD疑い12例、不
明3例、うちアミロイドPET検査結果陰性116例、陽性83例の計
199例)を用い、アミロイドPET検査との相関性を検討しました。ROC
解析を行い、Aβ42/Aβ40比値のカットオフを0.067とした場合の
Aβ42/Aβ40比とアミロイドPET検査の一致度の評価を行った結
果、感度(陽性一致率)81.9%(68/83 例)、特異度(陰性一致率)
81.9%(95/116例)、全体一致率81.9%(163/199例)でし
た。アミロイドPET検査陰性、かつAβ42/Aβ40比陽性症例は21例
あり、アミロイドPET検査陰性であった症例の18.1%(21/116例)
に相当します。この不一致例の解釈としては、Aβ42/Aβ40比では、よ
り早期ステージのアルツハイマー病のアミロイド病理を検出したと考える
ことができます。アルツハイマー病は不可逆的に進行する疾患であり、治療
介入は可能な限り早期に開始することで、より高い治療効果が期待され、早
期診断・早期治療が重要であることが認知されております。そのため、アミ
ロイドPET検査では検出することのできない早期のアルツハイマー病の
病理変化を検出できるCSF検査は、アミロイドPET検査のみでは治療に
アクセスできない、かつより高い治療効果が期待できる早期ステージのアル
ツハイマー病患者に治療の機会を提供し得る臨床的意義の高い検査である
と考えられます。
一方、アミロイドPET検査陽性、かつAβ42/Aβ40比陰性症例は15
例あり、アミロイドPET検査陽性であった症例の18.1%(15/83例)
に相当します。アミロイドPET検査陽性、かつAβ42/Aβ40比陰性の
不一致症例において、CSF中のt-tau検査、あるいはp-tau検査
のどちらか一方が陽性の症例が13%(2/15例)存在しました。その2例
中1例は、Aβ42/Aβ40比が0.070であり、Aβ42/Aβ40比の
カットオフ近傍でした。アミロイドPET検査陽性、かつAβ42/Aβ
40比陰性の不一致症例において、CSF中のt-tau検査、p-tau
検査の両者が陰性の症例が87%(13/15例)存在しました。これらの症
例に関しては、Aβ42/Aβ40比およびtau検査において、異常な値は
示しておらず、脳内Aβ蓄積が境界域にあるAD患者の可能性が高く、両検
査で不一致例が発生しやすい症例であったと考えられます。

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