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○先進医療技術の科学的評価等について資料 先-3-2 (89 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/shingi2/0000205617_00016.html
出典情報 先進医療会議(第81回 7/7)《厚生労働省》
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先進医療の名称

<先進医療B>
多血小板血漿を用いた難治性皮膚潰瘍の治療

適応症
褥瘡又は難治性皮膚潰瘍(美容等に係るものを除く。)
内容
(先進性)
従来型保存治療において治療抵抗性かつ手術不能(または拒絶)な褥瘡を含む難治性皮膚潰瘍を対象疾患と
する。難治性の皮膚潰瘍治療技術としては、従来型の創傷治癒を促進する薬剤、感染創部を除菌する事で組織修
復を期待する薬剤、近年の新しい概念である、創傷部を一定の湿度で維持し自己修復力に期待しmoist wound
healingを促す創傷被覆材、外科処置そして骨髄間質細胞、脂肪組織幹細胞を用いた再生医療技術と、大きく4種
類に分類される。このうちの前2者の定法的治療によって、一定期間(概ね3〜4週間)で治癒しない潰瘍を難治性
皮膚潰瘍と定義している。この状況下において外科処置が、次期治療手段として選択されるが、もともと自己治癒力
が低下した患者に対して皮弁や植皮等の外科処置は正常部位をさらに侵襲し、時に切断等は術後の5年生存率が
30%以下とリスクは極めて高い。こうした中で考案された、第4の技術である再生医療技術(細胞治療)は、高い有
効性を認めるも、全麻下での骨髄穿刺、比較的大量の脂肪組織採取など、それなりの外科的侵襲を避けて通れな
い欠点があった。しかし、本PRP治療技術は、患者末梢血を採取するのみであり、しかも特別な加工を施す事無く濃
縮と言う操作のみで適用が可能と言う優れた特性がある。しかもその有効性は、下肢の切断が回避出来るなど、これ
迄の幹細胞治療と遜色の無い有効性が得られている。その意味で、患者負担の少ない優れた有効性を有する治療
技術である。また、幹細胞を用いた治療とは異なり、終末分化した細胞内の増殖因子を利用した技術であり、幹細胞
由来の癌化のリスクも無い。

(概要)
2年間で23例の褥瘡を含む難治性皮膚潰瘍患者に対して本治療を行う。患者本人から1回に最大で10%輸血用ク
エン酸ナトリウム含有末梢血液20〜40mLを採血し、血液成分分離容器に注入後、遠心型血液成分採取装置で約
15分間遠心分離して自己多血小板血漿を分取する。分取した多血小板血漿を患部(潰瘍部位)の大きさに応じた
用量を塗布する。PRP治療開始後、7日おきに写真撮影を行い、4回の治療終了後、創傷部の面積測定、写真撮影
を行う。完全上皮化に至っていない場合、更に4回治療を行う

(効果)
治療開始より最大8回の治療で、難治性皮膚潰瘍部の縮小または完全上皮化が期待できる。

(先進医療にかかる費用)
本治療に要する総費用は544,880円である。そのうち、先進医療にかかる費用は1クール(4回)分で41,460円であ
る。これを最大2クールまで行う。先進医療に係る費用は全額自己負担である。

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