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○先進医療Bの総括報告書に関する評価について別紙4 (10 ページ)
出典
公開元URL | https://www.mhlw.go.jp/stf/shingi2/0000205617_00049.html |
出典情報 | 先進医療会議(第113回 8/4)《厚生労働省》 |
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セルによる心筋炎、注入に伴う反応、高血糖、重症筋無力症、紫斑が報告され
た。いずれも併用薬の副作用として既知であるため、まったくの未知副作用と
は言えない。しかしながら、131 例と言う少ない症例数であるため、未知の副
作用無しと結論付けることはできない。
② 併用により既知の副作用の程度がより重篤になったかについては本総括報告
書では検討していない。報告書を精査したところ、ドセタキセルによる DLT(用
量規制毒性)については、過去の日本人におけるドセタキセル単独治療時の安
全性情報に比して、B 群の好中球減少(グレード3/4)頻度 89.1%はやや高
い傾向があり、一方で発熱性好中球減少症(FN)20.3%については単独治療時と
大きな違いはないようである。一般にドセタキセルの血液毒性は高齢者でより
リスクが高くなるとされているが、本試験の結果では好中球減少(グレード3
/4)あるいは FN を来した症例の年齢分布は全症例の年齢分布と違いがなく、
とくに高齢者でリスクが高まったことを示すものではないと解釈しうる。しか
しながら、現在のニボルマブ添付文書の記載内容(本剤とカルボプラチン、パ
クリタキセル及びベバシズマブ(遺伝子組換え)との併用において、発熱性好
中球減少症(15.8%)があらわれることがある)に比べて、20.3%と高い毒性
発現率を示しているため注意喚起が必要である。
③ 既知の副作用の頻度が増えたかについても本総括報告書では検討していない。
表 12.3.1.3-1 においてニボルマブによる irAE を A 群と B 群とで並記している
が、群間比較などの統計学的検討がなされていないため、個々の副作用が増え
るのか増えないのかについて示していない。また、最新のニボルマブ添付文書
では、肺臓炎、肺浸潤、肺障害等の間質性肺疾患は 3.6%の発現頻度とある。
(総括報告書 170 頁1-3行目に同情報を転記しているが、添付文書内で示す
「併用投与」とはイピリムマブ併用を意味しており、本試験のドセタキセル併
用とは内容が異なるため紛らわしい記載は修正すべきである。)それに対して
本試験では、肺臓炎発現は A 群で9例(13.8%)うちグレード3以上は2例
(3.1%)、B 群で8例(12.5%)うちグレード3以上は2例(3.1%)であり、
全グレードで見れば添付文書記載の発現頻度より高く、A 群と B 群で肺臓炎発
現頻度の違いは見られなかった。
また、ニボルマブ添付文書では低アルブミン血症の頻度は1%未満と示されて
いるものの、本試験の結果は A 群で 50.8%、B 群で 67.2%と発現頻度が大幅に
高い。グレード3以上に限っても A 群で 7.7%、B 群で 4.7%であり、いずれも
添付文書記載の安全性情報よりかなり高い発現頻度である。この食い違いに関
する解釈・考察が望まれる。
10
た。いずれも併用薬の副作用として既知であるため、まったくの未知副作用と
は言えない。しかしながら、131 例と言う少ない症例数であるため、未知の副
作用無しと結論付けることはできない。
② 併用により既知の副作用の程度がより重篤になったかについては本総括報告
書では検討していない。報告書を精査したところ、ドセタキセルによる DLT(用
量規制毒性)については、過去の日本人におけるドセタキセル単独治療時の安
全性情報に比して、B 群の好中球減少(グレード3/4)頻度 89.1%はやや高
い傾向があり、一方で発熱性好中球減少症(FN)20.3%については単独治療時と
大きな違いはないようである。一般にドセタキセルの血液毒性は高齢者でより
リスクが高くなるとされているが、本試験の結果では好中球減少(グレード3
/4)あるいは FN を来した症例の年齢分布は全症例の年齢分布と違いがなく、
とくに高齢者でリスクが高まったことを示すものではないと解釈しうる。しか
しながら、現在のニボルマブ添付文書の記載内容(本剤とカルボプラチン、パ
クリタキセル及びベバシズマブ(遺伝子組換え)との併用において、発熱性好
中球減少症(15.8%)があらわれることがある)に比べて、20.3%と高い毒性
発現率を示しているため注意喚起が必要である。
③ 既知の副作用の頻度が増えたかについても本総括報告書では検討していない。
表 12.3.1.3-1 においてニボルマブによる irAE を A 群と B 群とで並記している
が、群間比較などの統計学的検討がなされていないため、個々の副作用が増え
るのか増えないのかについて示していない。また、最新のニボルマブ添付文書
では、肺臓炎、肺浸潤、肺障害等の間質性肺疾患は 3.6%の発現頻度とある。
(総括報告書 170 頁1-3行目に同情報を転記しているが、添付文書内で示す
「併用投与」とはイピリムマブ併用を意味しており、本試験のドセタキセル併
用とは内容が異なるため紛らわしい記載は修正すべきである。)それに対して
本試験では、肺臓炎発現は A 群で9例(13.8%)うちグレード3以上は2例
(3.1%)、B 群で8例(12.5%)うちグレード3以上は2例(3.1%)であり、
全グレードで見れば添付文書記載の発現頻度より高く、A 群と B 群で肺臓炎発
現頻度の違いは見られなかった。
また、ニボルマブ添付文書では低アルブミン血症の頻度は1%未満と示されて
いるものの、本試験の結果は A 群で 50.8%、B 群で 67.2%と発現頻度が大幅に
高い。グレード3以上に限っても A 群で 7.7%、B 群で 4.7%であり、いずれも
添付文書記載の安全性情報よりかなり高い発現頻度である。この食い違いに関
する解釈・考察が望まれる。
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