よむ、つかう、まなぶ。

MC plus(エムシープラス)は、診療報酬・介護報酬改定関連のニュース、

資料、研修などをパッケージした総合メディアです。


参考資料15 第4期がん対策推進基本計画策定に向けた小児がん患者・家族からの要望 (5 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_28073.html
出典情報 がん対策推進協議会(第82回 9/20)《厚生労働省》
低解像度画像をダウンロード

資料テキストはコンピュータによる自動処理で生成されており、完全に資料と一致しない場合があります。
テキストをコピーしてご利用いただく際は資料と付け合わせてご確認ください。

かかっていることにより長期にわたり療養を必要とする児童等の健全な育成に係る政策の
推進を図るための基本的な方針」(平成 27 年 10 月 29 日厚生労働省告示第 431 号)第六の
二の規定「国は、小児慢性特定疾病に関する研究の推進に資するよう、指定難病患者データ
ベースの構築と連携しながら、小児慢性特定疾病児童等データベースを構築する。
」に沿っ
て、小児期から成人期に連結可能なデータベースを構築すべく具体的な施策を速やかに実
施してください。また、上記データベースを活用し、研究開発及び小児がん拠点病院を中心
とした臨床医療機関の情報連携を促進してください。

要望2)小児がんの診療環境整備及び AYA 世代病棟の拡充、難治・極希少などの小児がん
等に対する拠点・連携病院への集約化、全ての小児がん患者と家族が安心して最良の治
療とケアを受けられるよう医療の均てん化を推進してください。また、治療/症状経過
を患者(家族)自身で記録するツールを定着させ、社会状況に大きく左右されず小児が
んの医療体制が継続されるような頑健な診療体制を構築してください。
【小児がんの診療環境整備及び AYA 世代病棟の拡充】
AYA 世代の中でも特に若い年齢層の思春期青年期世代において、がん治療や晩期合併症は
アイデンティティ形成に影響し、社会的な役割の喪失や感情的な葛藤を高め、身体的、精神
的、社会的に大きな影響を与えることが明らかにされています。そのため、AYA 世代の診
療・看護はその特殊性を理解し、発展途上にある自己表出や自己決定を適切にサポートでき
る経験豊富なスタッフにより行われることが必要です。
第 3 期がん対策推進基本計画では、
AYA 世代がんの診療体制が定まっておらず患者が適切な医療を受けられていないこと、患
者数が少なく疾患構成が多様で医療従事者に診療や相談支援の経験が蓄積されにくいこと、
年代によって就学、就労、生殖機能などの状況が異なる患者のニーズへの対応が課題である
ことが指摘されました。とくに患者数が少ない AYA 世代だからこそ、専門病棟に集約する
ことの意義は大きく、データ集約やスタッフ教育を効率的に行うことができます。現在、全
国に 14 の AYA がん支援チームのモデル施設がありますが、専門病棟の設置はまだ十分と
は言えません。国は AYA がん支援チームネットワーク等によるスタッフの教育に一層注力
し、専門スタッフを育成してください。また、小児がん拠点病院を中心に AYA 世代専門病
棟を拡充し、療養環境の QOL の充実をはかってください。
【難治・極希少などの小児がん等に対する拠点・連携病院への集約化】
15 の小児がん拠点病院への集約化はある程度進んだものの、小児がん医療の実態と理想の
間には依然として乖離があると報告されています(2)。2019 年に制定され新しくできた小児
がん連携病院に関しては、体制整備が十分でなく、医療の質を向上させることが重要である
と指摘されています。国は、小児がんの生存率の向上のために、より安全で迅速な質の高い
病理診断、がんゲノム医療の活用等を含む診断・治療の研究、新薬の開発を行うことができ
るよう、小児がん拠点病院の強化、拠点・連携病院への人的資源や費用確保をしてください。
また、小児がんの中でも脳腫瘍のように希少で標準治療が確立していないがん種ほど集約

5