よむ、つかう、まなぶ。

MC plus(エムシープラス)は、診療報酬・介護報酬改定関連のニュース、

資料、研修などをパッケージした総合メディアです。


参考資料15 第4期がん対策推進基本計画策定に向けた小児がん患者・家族からの要望 (9 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_28073.html
出典情報 がん対策推進協議会(第82回 9/20)《厚生労働省》
低解像度画像をダウンロード

資料テキストはコンピュータによる自動処理で生成されており、完全に資料と一致しない場合があります。
テキストをコピーしてご利用いただく際は資料と付け合わせてご確認ください。

に、何らかの犠牲をはらう必要があったと回答した割合が 26.9%でした。さらに、小児慢性
特定疾病の適用範囲内であれば晩期合併症の治療を公費で受けられますが、18 歳または 20
歳以降は公的な医療保険の 3 割負担での診療を受ける必要があります。
小児がん経験者は、
晩期合併症の罹患率が高いことから、将来的な医療費の負担が高額になると推察されます。
小児がん患者・経験者の医療費の問題は、がん治療中に留まらず、治療や副作用によって引
き起こされる晩期合併症への対策と共通する問題であると考えます。実際に、アンケート調
査では、約半数が 20 歳以上の晩期合併症の治療による経済的負担を感じていると答えて
います。そのため、晩期合併症に伴う医療費や受診の負担を軽減するために、小児がん経験
者の晩期合併症を指定難病の対象とし、治療終了後も生涯に渡る長期間の受診(長期フォロ
ーアップ)及び治療に伴う経済的負担を減らしてください。

要望5)がん相談支援センターの認知を拡大し、地域におけるリハビリ・療育への移行時の情報
提供体制を確立してください。また、治療により生じた障害を障害年金の対象とし、障害認
定の均てん化を図ってください。
【がん相談支援センターの認知拡大・ワンストップでプッシュ型の支援強化】
小児がん拠点病院において治療や設備、がんのことや療養や生活についての心配ごと等、情
報提供や相談対応をするがん相談支援センターが設置されています。しかし「小児患者体験
(3)
調査報告」
によると認知は 66.4%、利用は 9.6%となっており、患者家族への認知度は 6

割を超えたものの、利用した患者家族は 1 割に満たない状態です。患者や家族が治療選択
について後悔をしないよう、がん治療についての情報提供は重要です。また、療養や生活に
ついての不安や心配な気持ちが孤立感を抱く引き金になります。同センターが更なる認知
拡大を深め、相談員による定期的な病棟での患者や家族への声かけや行事などを通し、相談
しやすい関係性の構築や、プッシュ型の支援体制を作ることは可能かと思われます。また、
患者や家族は時間に追われ、関係する各自治体で同じ話をするのは大変な場合があります。
患者や家族の情報伝達の了解が得られた場合はワンストップで各自治体の対応部署に繋が
るよう支援体制の強化をしてください。
【リハビリ・療育への移行期の情報提供体制を小児がん拠点病院へ】
リハビリや療育は治療を行った医療機関を離れて実施するケースが多く見られます。それ
らを実施する機関の情報収集は患者家族の模索によって行われているのが実情です。治療
を受けた小児がん拠点病院などから当該自治体での情報提供は多少あるものの、患者の状
態に合った機関を選択するための具体的で網羅された情報は提供されていません。また、こ
れらをつなぐ役割が自治体も、機関名称等のみの情報把握にとどまり、求められている機能
を果たしているとは言えない現状にあります。患児が治療終了後、スムーズにリハビリや療
育に移行できるよう、小児がん拠点病院にリハビリ・療育機関の情報の一元管理と情報の深
化を促すような仕組みを確立してください。

9