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参考資料15 第4期がん対策推進基本計画策定に向けた小児がん患者・家族からの要望 (6 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_28073.html
出典情報 がん対策推進協議会(第82回 9/20)《厚生労働省》
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化が必要であるにもかかわらず、脳腫瘍のおよそ 9%の患者が手術経験数と生存率が劣る少
数診療施設(2 年間の脳腫瘍診療数が 3 例以下)で診療されていることが明らかになりまし
た。国は、標準治療が確立しており一定程度の診療の均てん化が可能ながん種とそうでない
集約化が必要ながん種を早急に整理し、小児がん診療の入口となりうるすべての診療施設
に周知徹底してください。また病院間の課題としては、
「同じ病気の人がどんな治療をした
のかを知りたかったが、
情報を得られなかった」
との回答が 51.3%(治療中患者の親の 61.5%)
となっており、課題解消のためには 43%が「治療施設間のより密な情報連携が必要」と回
答しています(1)。拠点病院においても診断事例がないため情報を提供できないと言われた
ケースもありました。集約化とともに治療実績などの情報を病院間で共有して、各病院が同
じ情報を基に治療や研究が行えるような仕組みを作ってください。
【全ての小児がん患者と家族が安心して最良の治療とケアを受けられる医療の均てん化】
第 3 期がん対策推進基本計画の中間評価に向けて行われた小児患者体験調査(3)では、診療
体験に関して全体として成人より肯定的な回答が多かったと好意的に考察されていますが、
適切な時期に適切な説明や治療を受けられなかったと感じている患者の声に目を向け、改
善に努めてください。とくに、標準治療が確立し均てん化が可能ながん種や、必ずしも高度
の専門性を必要としない病態については、地域の連携病院においても質の高い診療が可能
な体制を構築することが急務です。適切な小児がん診療のためには、医師以外にもさまざま
な職種からなる医療チームの構築が重要と考えられており、ケアを提供する体制において
も治療と同様に拠点病院と同等の専門性を有した診療従事者を育成、配置してください。国
は、全ての小児がん患者と家族が安心して最良の治療とケアを受けられるよう、標準治療提
供と質の高いケアの提供を中心とした医療の質の均てん化と、地域病院と連携によるフォ
ローアップ及び在宅サポート医療体制を整備してください。
【患者自身で治療/症状経過を記録するツールの開発と定着】
小児がんの治療中/経過観察中/フォローアップのいずれにおいても、患者が自身の状態
を記録し医師に説明を行う必要がありますが、現状患者個人の感覚的に気づいた内容を伝
えるしかなく、医師と患者のコミュニケーションの質によって医師の意思決定に変化を及
ぼす可能性があります。治療や疾患によって健康状態がどのように変化するのか異なるの
であれば、いずれの患者にも同じ確認項目を患者にチェック・記録するよう促し、全ての医
師が同一の項目を確認することでより適切な診断や治療ができると考えます。また、患者が
小児がんの治療を受ける場合、医師からの詳細な情報提供は患者の親に対して行われるこ
とが多く、治療終了後に患者自らが自らの意思決定を行えるようになったときには当時の
情報が失われている事例が散見されます。
「小児がん拠点病院等の連携による移行期を含め
(2)
た小児がん医療提供体制整備に関する研究」
でも、
「病歴・治療歴を踏まえ、晩期合併症

への適切な自己管理の必要性を感じている」と報告しています。これらの課題解決のために
は、JCCG(Japan Children's Cancer Group)作成の長期フォローアップ手帳の普及促進で
あったり、さらには検査画像も含めた個人に合わせた経過/症状記録ができるスマートフォ

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