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参考資料15 第4期がん対策推進基本計画策定に向けた小児がん患者・家族からの要望 (8 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_28073.html
出典情報 がん対策推進協議会(第82回 9/20)《厚生労働省》
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基にした小児がん経験者の追跡調査や、さらなる長期フォローアップ体制の整備を進めて
ください。また、小児がん患者・経験者が長期フォローアップとしての受診を継続できるよ
うに、小児がん経験者への晩期合併症の予防や早期発見、健康の維持増進のための健康保健
教育の必要性を医療従事者に周知してください。
【小児科から成人診療科への移行医療の充足】
小児がんに対する治療法の進歩とともに生存率が向上し小児がんの 70~80%が治癒する状
況になり治療後の晩期合併症が問題となっています。現在では5万人を超える小児がん経
験者が存在する中で 60~90%が何らかの形で晩期合併症を持ち、40~60%は 2 つ以上の身
体障害を抱えているとも言われています(5)。このような状況のなか、将来の健康を維持し
ながら、晩期合併症の予防・早期発見に努めるためには、長期フォローアップだけでなく、
小児科から成人診療科へ円滑に移行させ、成人期の小児がん経験者の受診を継続させるこ
とが重要です。一方で、アンケートでは、3 人に 1 人が小児科と成人診療科の連携不足によ
りフォロー先がわかっていないと回答し、約 2 割が転居の度の受診先探しに負担を感じた
経験があると回答しています(1)。そのため、小児科だけではなく成人診療科を含めて総合
的な健康管理や晩期合併症対策が可能になり、成人となった小児がん経験者が安心して成
人診療科を受診できるように小児科から成人診療科への移行医療の体制整備を推進してく
ださい。さらに、小児・AYA 世代がん経験者がオンライン診療を受けられるように医療機
関でのオンライン診療体制の支援整備を進めてください。

要望4)20 歳以降の小児がん患者を指定難病の対象にしてください。また、小児がん経験
者の後遺症や晩期合併症を指定難病の対象にしてください。
【20 歳以降の小児がん患者を指定難病の対象化】
小児がん患者の生存率が向上する一方で、治療後に晩期合併症を抱える小児がん患者は多
くいます。20 歳までは小児慢性特定疾病医療費助成制度等により小児がん治療及び晩期合
併症の治療に一定の助成が受けられますが、それ以降は治療が継続されていても医療費助
成は受けられません。小児脳腫瘍の会が実施した 18 歳以上の小児がん経験者に調査(6)
(2018 年 5 月)したところ、43%が経済的支援を必要としています。また、同アンケート
のすべての年代の小児がん経験者を対象にした場合でも、30%が将来の医療費の心配をし
ています。将来の貧困防止と小児がん経験者の経済的自立のために、小児慢性特定疾病から
外れる 20 歳以降の小児がん患者を指定難病の対象とし、医療費助成、法的な支援が継続さ
れる仕組みの構築をしてください。
【小児がん経験者の後遺症や晩期合併症を指定難病の対象化】
第 3 期がん対策推進基本計画の基盤となる柱の一つとして「がんとの共生」が位置づけら
れています。その中では、がん患者が必要な支援を受けることができる環境を整備すること
が掲げられており、経済的な理由で治療を断念することがあっていけません。しかし、
「小
児患者体験調査報告」(3)では、がんの治療に対する医療費等の金銭的負担をまかなうため

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