よむ、つかう、まなぶ。
参考資料1 高齢者の医薬品適正使用の指針(総論編) (10 ページ)
出典
公開元URL | https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_29434.html |
出典情報 | 高齢者医薬品適正使用検討会(第16回 11/30)《厚生労働省》 |
ページ画像
ダウンロードした画像を利用する際は「出典情報」を明記してください。
低解像度画像をダウンロード
プレーンテキスト
資料テキストはコンピュータによる自動処理で生成されており、完全に資料と一致しない場合があります。
テキストをコピーしてご利用いただく際は資料と付け合わせてご確認ください。
生活動作(Activities of Daily Living;ADL)、生活環境、患者の薬剤選択嗜好などを評価する
ことで、臓器障害や機能障害、服用管理能力の把握につながる。この過程で、患者が受診してい
る診療科・医療機関を全て把握するとともに、処方されているあらゆる薬剤(要指導・一般用医
薬品(以下、「一般用医薬品等」という)、サプリメント等も含む)や服薬状況を確認することも
必要である。
●
● 腎機能等の生理機能のモニター
腎排泄が主たる消失経路である薬剤では、加齢変化に伴う腎機能等の生理機能の低下や薬物有
害事象の観察等を行い、投与量の減量や投与間隔の延長など慎重な投与を考慮する。
●
● 処方の優先順位と減量・中止
ポリファーマシーを回避するような処方態度を心がけることが大切である。ただの数合わせで
処方薬を減らすべきではない。服用回数の減少や配合剤の導入など服薬錠数の減少は服薬アドヒ
アランスの改善には有効であるが、薬物有害事象を回避することを目的とした場合には、下表の
ポイントを踏まえて薬剤に優先順位を付けるなど、各薬剤を再考してみることが勧められる。薬
剤を中止する場合には、少しずつ慎重に行うなど、病状の急激な悪化や有害事象のリスクも高く
なることに留意する。
⃝各薬剤の適応を再考するポイント⃝
▢ 予防薬のエビデンスは高齢者でも妥当か
▢ 対症療法は有効か、薬物療法以外の手段はないか
▢ 治療の優先順位に沿った治療方針か
など
2 非薬物療法の重要性
●
● 生活習慣病
一般に、生活習慣の改善を行う非薬物療法は、高齢者の疾患治療に有用な場合があり、そのよ
うな場合は、薬物治療に先んじて行うことを考慮する。例えば、生活習慣病に対する塩分制限や
運動療法は推奨されている。適度な運動は夜間の不眠を解消できる可能性があり、十分な睡眠が
うつ症状の治療に有用となる可能性もある。
●
● 認知症の行動・心理症状(BPSD)
BPSD(Behavioral and Psychological Symptoms of Dementia)で使用される薬剤は
錐体外路障害や過鎮静などADLに影響を与える薬物有害事象が起きやすいため、まずは非薬物
療法が推奨される。一方、極端な生活習慣の変更は生活の質(QOL)を低下させる可能性があり、
無理のない程度に留めることも重要である。BPSDの出現時に適切に薬剤を使用せず身体抑制
のみを行うことを推奨しているのではない。
6
ことで、臓器障害や機能障害、服用管理能力の把握につながる。この過程で、患者が受診してい
る診療科・医療機関を全て把握するとともに、処方されているあらゆる薬剤(要指導・一般用医
薬品(以下、「一般用医薬品等」という)、サプリメント等も含む)や服薬状況を確認することも
必要である。
●
● 腎機能等の生理機能のモニター
腎排泄が主たる消失経路である薬剤では、加齢変化に伴う腎機能等の生理機能の低下や薬物有
害事象の観察等を行い、投与量の減量や投与間隔の延長など慎重な投与を考慮する。
●
● 処方の優先順位と減量・中止
ポリファーマシーを回避するような処方態度を心がけることが大切である。ただの数合わせで
処方薬を減らすべきではない。服用回数の減少や配合剤の導入など服薬錠数の減少は服薬アドヒ
アランスの改善には有効であるが、薬物有害事象を回避することを目的とした場合には、下表の
ポイントを踏まえて薬剤に優先順位を付けるなど、各薬剤を再考してみることが勧められる。薬
剤を中止する場合には、少しずつ慎重に行うなど、病状の急激な悪化や有害事象のリスクも高く
なることに留意する。
⃝各薬剤の適応を再考するポイント⃝
▢ 予防薬のエビデンスは高齢者でも妥当か
▢ 対症療法は有効か、薬物療法以外の手段はないか
▢ 治療の優先順位に沿った治療方針か
など
2 非薬物療法の重要性
●
● 生活習慣病
一般に、生活習慣の改善を行う非薬物療法は、高齢者の疾患治療に有用な場合があり、そのよ
うな場合は、薬物治療に先んじて行うことを考慮する。例えば、生活習慣病に対する塩分制限や
運動療法は推奨されている。適度な運動は夜間の不眠を解消できる可能性があり、十分な睡眠が
うつ症状の治療に有用となる可能性もある。
●
● 認知症の行動・心理症状(BPSD)
BPSD(Behavioral and Psychological Symptoms of Dementia)で使用される薬剤は
錐体外路障害や過鎮静などADLに影響を与える薬物有害事象が起きやすいため、まずは非薬物
療法が推奨される。一方、極端な生活習慣の変更は生活の質(QOL)を低下させる可能性があり、
無理のない程度に留めることも重要である。BPSDの出現時に適切に薬剤を使用せず身体抑制
のみを行うことを推奨しているのではない。
6