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参考資料1 高齢者の医薬品適正使用の指針(総論編) (27 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_29434.html
出典情報 高齢者医薬品適正使用検討会(第16回 11/30)《厚生労働省》
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高齢者の医薬品適正使用の指針(総論編)

高齢者糖尿病では安全性を十分に考慮した治療が求められる。特に75歳以上や
フレイル・要介護では認知機能や日常生活動作(ADL)
、サポート体制を確認したうえ
で、認知機能やADLごとに治療目標を設定※すべきである。
※2016年に日本糖尿病学会・日本老年医学会の合同委員会により高齢者の血糖コン
トロール目標(HbA1c値)が制定
高齢者はシックデイに陥りやすく、また低血糖を起こしやすいこと
に注意が必要である。インスリン製剤も、高血糖性昏睡を含む急性
病態を除き、可能な限り使用を控える。
SU薬(グリメピリド[アマリール]、グリクラジド[グリミクロン]、
グリベンクラミド[オイグルコン、ダオニール]など)のうち、グリ
ベンクラミドなどの血糖降下作用の強いものの投与は避けるべきで
あるが、他のSU薬についてもその使用はきわめて慎重になるべきで、
低血糖が疑わしい場合には減量や中止を考慮する。
SU薬は可能な限り、DPP-4阻害薬への代替を考慮する。
メトホルミン[グリコラン、メトグルコ]では低血糖、乳酸アシド
ーシス、下痢に注意を要する。
チアゾリジン誘導体(ピオグリタゾン[アクトス]
)は心不全等
心臓系のリスクが高い患者への投与を避けるだけでなく、高齢患者
高齢者の特性

では骨密度低下・骨折のリスクが高いため、患者によっては使用を

を考慮した薬

控えたほうがよい。

剤選択

E.
糖尿病
治療薬

α-グルコシダーゼ阻害薬(ミグリトール[セイブル]
、ボグリボース
[ベイスン]
、アカルボース[グルコバイ]
)は、腸閉塞などの重篤な
副作用に注意する。
SGLT2阻害薬(イプラグリフロジン[スーグラ]
、ダパグリフロジン
[フォシーガ]
、ルセオグリフロジン[ルセフィ]
、トホグリフロジン
[デベルザ、アプルウェイ]
、カナグリフロジン[カナグル]
、エン
パグリフロジン[ジャディアンス])は心血管イベントの抑制作用が
あるが、脱水や過度の体重減少、ケトアシドーシスなど様々な副作用
を起こす危険性があることに留意すべきである。高度腎機能障害
患者では効果が期待できない。また、中等度腎機能障害患者では効果
が十分に得られない可能性があるので投与の必要性を慎重に判断
する。尿路・性器感染のある患者には、SGLT2阻害薬の使用は避ける。
発熱・下痢・嘔吐などがあるときないしは食思不振で食事が十分摂
れないような場合(シックデイ)には必ず休薬する。

投与量、使用

高齢者では、生理機能が低下しているので、患者の状態を観察し

方法に関する

ながら、低用量から使用を開始するなど、慎重に投与する。腎機能

注意

が低下している患者については、別表3(p.33)を参照。
インスリン製剤やSU薬以外でも複数種の薬剤の使用により重症低
血糖の危険性が増加することから、HbA1cや血糖値をモニターしな

他の薬効群の

がら減薬の必要性を常に念頭においておくべきである。

薬剤との相互

SU薬 や ナ テ グ リ ニ ド[ フ ァ ス テ ィ ッ ク、 ス タ ー シ ス ]は 主 に

作用に関する

CYP2C9により代謝されるので、CYP2C9阻害薬との併用に注意する。

注意

CYPの関与する主な相互作用は、別表4(p.34)を参照。
SGLT2阻害薬は脱水リスクの観点から利尿薬との併用は避けるべ
きである。

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