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参考資料1 高齢者の医薬品適正使用の指針(総論編) (11 ページ)
出典
公開元URL | https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_29434.html |
出典情報 | 高齢者医薬品適正使用検討会(第16回 11/30)《厚生労働省》 |
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高齢者の医薬品適正使用の指針(総論編)
3 専門医の立場からの考え方
専門医(歯科医師を含む)の立場で疾患の治療を行う際には、最大限の病状改善を目標とした
治療の提供が求められている。特に緊急性が高く、重篤な病状である状況においては、薬物有害
事象のリスクが高くてもより良いアウトカムを目指した薬物療法を選択することもある。しかし
ながら、高齢者では複数の疾患を併存したり、機能障害を伴ったりすることや薬物有害事象のリ
スクも考慮し、専門医にも疾患治療の優先順位への配慮や薬物治療によるリスク・ベネフィット
バランスの検討を理解していただきたい。また、高齢者は新薬の治験等の対象から除外されるこ
とがあり、新薬を安易に処方することのないようにすべきである。
一方、専門医も他領域に関しては非専門医である。薬物療法の適正化には、他の専門医、かか
りつけ医及び他職種との連携にも理解が必要である。
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一般的な考え方のフロー
●
● 全ての薬剤(一般用医薬品等も含む)の把握と評価
処方の適正化を考えるにあたり、患者が受診している診療科・医療機関を全て把握するととも
に患者の罹病疾患や老年症候群などの併存症、ADL、生活環境、さらに全ての使用薬剤の情報
を十分に把握することが必要であり、CGAを行うことが推奨される。前述したように、全ての
使用薬剤に対して薬物治療の必要性を適宜再考する。
図4-1のフローチャートに処方見直しのプロセスを示す。処方時に注意を要する薬剤を
別表1(p.19)及び別表2※(p.31)にまとめた。この別表1(p.19)及び別表2(p.31)の薬剤を含む
処方薬全体について有効性や安全性を評価しつつ、ポリファーマシーの問題を確認する。
※日本老年医学会が編集したガイドライン等で、高齢者において潜在的に有害事象が多い可能性のある薬剤と
してリスト化された「高齢者に対して特に慎重な投与を要する薬物」を参考に作成。
●
● ポリファーマシー関連の問題の評価
CGAの結果、ポリファーマシーに関連した問題点のある患者では、処方の見直しが必要となる。
薬物有害事象が認められた患者では当然被疑薬の中止・減量が必要であるが、薬の管理に関わる
要因や腎機能、栄養状態など日常生活における問題点の有無を評価するために、医師が中心とな
り、薬剤師を含む多職種で問題点に対する協議を行うことが推奨される。
●
● 処方の適正化の検討
図4-2のフローチャートにより、個々の薬剤について現治療法からの継続又は変更の必要性
があるかどうかを検討し、薬剤の中で中止可能な薬剤ではないのか、適応疾患や適正用量など推
奨される使用法の範囲内での使用であるか、実際に使用患者の病状改善に有効であったか、より
有効性の高い、あるいはより安全性の高い代替薬への変更は可能かなどを判断する。
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3 専門医の立場からの考え方
専門医(歯科医師を含む)の立場で疾患の治療を行う際には、最大限の病状改善を目標とした
治療の提供が求められている。特に緊急性が高く、重篤な病状である状況においては、薬物有害
事象のリスクが高くてもより良いアウトカムを目指した薬物療法を選択することもある。しかし
ながら、高齢者では複数の疾患を併存したり、機能障害を伴ったりすることや薬物有害事象のリ
スクも考慮し、専門医にも疾患治療の優先順位への配慮や薬物治療によるリスク・ベネフィット
バランスの検討を理解していただきたい。また、高齢者は新薬の治験等の対象から除外されるこ
とがあり、新薬を安易に処方することのないようにすべきである。
一方、専門医も他領域に関しては非専門医である。薬物療法の適正化には、他の専門医、かか
りつけ医及び他職種との連携にも理解が必要である。
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一般的な考え方のフロー
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● 全ての薬剤(一般用医薬品等も含む)の把握と評価
処方の適正化を考えるにあたり、患者が受診している診療科・医療機関を全て把握するととも
に患者の罹病疾患や老年症候群などの併存症、ADL、生活環境、さらに全ての使用薬剤の情報
を十分に把握することが必要であり、CGAを行うことが推奨される。前述したように、全ての
使用薬剤に対して薬物治療の必要性を適宜再考する。
図4-1のフローチャートに処方見直しのプロセスを示す。処方時に注意を要する薬剤を
別表1(p.19)及び別表2※(p.31)にまとめた。この別表1(p.19)及び別表2(p.31)の薬剤を含む
処方薬全体について有効性や安全性を評価しつつ、ポリファーマシーの問題を確認する。
※日本老年医学会が編集したガイドライン等で、高齢者において潜在的に有害事象が多い可能性のある薬剤と
してリスト化された「高齢者に対して特に慎重な投与を要する薬物」を参考に作成。
●
● ポリファーマシー関連の問題の評価
CGAの結果、ポリファーマシーに関連した問題点のある患者では、処方の見直しが必要となる。
薬物有害事象が認められた患者では当然被疑薬の中止・減量が必要であるが、薬の管理に関わる
要因や腎機能、栄養状態など日常生活における問題点の有無を評価するために、医師が中心とな
り、薬剤師を含む多職種で問題点に対する協議を行うことが推奨される。
●
● 処方の適正化の検討
図4-2のフローチャートにより、個々の薬剤について現治療法からの継続又は変更の必要性
があるかどうかを検討し、薬剤の中で中止可能な薬剤ではないのか、適応疾患や適正用量など推
奨される使用法の範囲内での使用であるか、実際に使用患者の病状改善に有効であったか、より
有効性の高い、あるいはより安全性の高い代替薬への変更は可能かなどを判断する。
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