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参考資料 1 (30 ページ)

公開元URL https://www.mof.go.jp/about_mof/councils/fiscal_system_council/sub-of_fiscal_system/report/zaiseia20221129/index.html
出典情報 財政制度等審議会 令和5年度予算の編成等に関する建議(11/29)《財務省》
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資料Ⅰ-5-4

フューチャーデザインとは

○ フューチャーデザインとは、将来世代は現在の政策決定に意思を反映できないという問題意識に⽴ち、現世代が将来可能性(将
来世代の利益のための思考・⾏動)を発揮できる社会の仕組みをデザインすること。
○ その有⼒な⼿法の⼀つが「仮想将来世代」という役割の設定であり、仮想将来世代を含むグループは持続可能性の⾼い選択をす
る傾向が強まることが報告されている。
⾏政での活⽤事例

フューチャーデザインとは
⼈々が将来可能性を発揮できる社会の仕組みのデザインと、その実践
※将来可能性︓「現在世代が⾃分の利益を差し置いても、将来世代の利益
を優先するという可能性」

⼿法



岩⼿県⽮⼱町では⽼朽⽔道施設の更新にあたり、⽔道料⾦の値上
げが必要な状況であったが、当初、住⺠は⽔道料⾦の値下げを主張
する⼀⽅で⽔道の安全性や美味しさも要求し、⾮協⼒⾏動を選択。



住⺠参加によるビジョン策定の仕組みの中で、⽔道事業の在り⽅を
判断するに⾜りる情報の提供、⾏政側と住⺠側の双⽅向コミュニケー
ションを図った結果、参加者のニーズの優先順位は「安全性」と「⽼朽
管更新」になり、値下げという私的利益ではなく公共の利益が選択さ
れた。



「2060年の⽮⼱町にタイムスリップした」という設定の仮想将来世代グ
ループは、今後の⽼朽管の更新のために⽔道料⾦を値上げすべきだと
住⺠⾃ら提案し、⽮⼱町では実際に⽔道料⾦の値上げを実施する
ことになった。

現在世代と仮想将来世代が交渉や合意形成を⾏い、世代間利害対⽴の解
消や利害調整を進めることで、将来世代の利益も踏まえた意思決定を⾏う。
現在世代

仮想将来
世代

• 仮想将来世代になるための未来予測や、
将来から現在を振り返る視点を持つワーク
が効果的
• 将来世代になりきり、いかなる状況に置かれ
ているか、その解決のために現在世代に何
が必要か、などを議論する
• 仮想将来世代グループと現代世代グループ
に分かれて議論することも有効

効果
〇 仮想将来世代を含むグループでは、持続可能性の⾼い選択をする傾向が強まることが報告されている。また、現代世代は、現状の課題や満たされていない
ニーズから議論が展開されるが、仮想将来世代は、将来の社会状況を予想し、⻑所伸⻑型・バックキャスティング型の思考も⾒られる。
〇 ミクロのレベルで具体例を交えてのPDCAサイクルの実施(漸進的改⾰)と、マクロのレベルで将来の視点を交えてのフューチャーデザイン(バックキャスティン
グ的考察)を組み合わせることでバランスの取れた将来像を得ることができるのではないか。また、各層にアクティブラーニングとして参加してもらうことで、財政につ
いて当事者としての関⼼が⾼まるのではないか。
(出所)⾼知⼯科⼤学フューチャーデザイン研究所HP、 「国と地⽅の財政に関するフューチャー・デザイン」新居理有・中川義典、 「⽮⼱町におけるフューチャーデザイン」吉岡律司 等