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参考資料8 全国B型肝炎訴訟原告団・弁護団と大臣の定期協議に係る議事録(令和4年度) (9 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_29863.html
出典情報 肝炎対策推進協議会(第30回 2/9)《厚生労働省》
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きていても、この先も入退院を繰り返すことになると思うと、絶望的な気持ちになりまし
た。でも、そのことを家族に告げると心配をかけると思い、誰にも言えず、1人苦しみま
した。話す相手もなく、涙が出て、泣きながら家の中をうろつく毎日でした。死のうと思
って、場所も、家の倉庫の裏に決めました。夜遅く帰宅したことが、私の様子に気づき、
大声で絶対に死んだらあかんと言ってくれたので救われました。
私は、長女と長男にも母子感染させてしまいました。当時は今のように母子感染をブロ
ックするワクチンがない時代で、どうすることもできませんでした。
そして、長女は、28歳のときに慢性肝炎を発症しました。そのことを聞いたときは、余
りにもショックで涙が出て言葉になりませんでした。長男も39歳のとき、慢性肝炎を発症
してしまいました。
私は、母親として一番大切な子供たちに、集団予防接種での注射器の使い回しにより私
が感染したために、同じ苦しみを作ってしまったことは、とてもつらく悔しいことです。
二度とこのような不適切な感染対策による感染被害が起きないようにと、心から願ってい
ます。
ところが、歯科では、まだ適切な感染対策が徹底されていないように思います。私の歯
科での体験を少しお話しします。
今から9年ほど前になりますが、初めて行く歯科で治療を16時に予約しました。
受付でB型肝炎キャリアだと伝えたところ、結局、診察の最後に回され、帰るときは暗
くなっていました。次の予約を取ろうとしたところ、午後の最後か、夕方の最後の時間が
空いていますと言われ、その後もずっと最後の枠しか予約できませんでした。
現在は、総合病院の歯科に通っていますが、そこでは、標準予防策を取っていると説明
してくださるので、安心してお世話になっています。
でも、今年の6月、大阪のほかの原告から、歯科で一般の患者とは区別されて、いつも
同じ古い診察台であるというお手紙をいただきました。
B型肝炎患者に対する不適切な対応は、今も続いている問題なのです。
歯科において院内感染予防策の最も重要な点は、患者の口腔内で使用する医療器具の患
者ごとの交換、洗浄、滅菌などを行う標準予防策の100%実施にあります。そのためには、
立入検査を適切に実施していくことが必要だと思うのですが、地元の大阪市では、無床診
療所には立入検査を実施さえしていないと聞き、大変驚きました。
そこで、大臣にお願いです。
①、歯科医師等の意識改革を図るためには、端的に患者の口腔内で使用する医療器具の
患者ごとの交換・滅菌等が行われることが保健所による立入検査の際に直接発問されるこ
とが望ましいので、令和4年度診療報酬改定の趣旨も踏まえ、現場の歯科医師等の意識改
革のための、より直接的な発問に向け、立入検査要綱を改訂してください。
②番、また、大阪市、京都市、横浜市、広島市など、無床診療所に対する立入検査を実
施していない自治体も存在します。仮に立入検査要綱が改訂されても、歯科診療所に対す
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