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【資料1】積み残しの論点等について (19 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_32480.html
出典情報 医薬品の迅速・安定供給実現に向けた総合対策に関する有識者検討会(第11回 4/4)《厚生労働省》
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患者団体ヒアリング結果
一 般 社 団 法 人 日 本 難 病 ・ 疾 病 団 体 協 議 会 ( J PA ) ( 1 / 2 )
ドラッグラグ・ドラッグロス(国内未承認薬)に関しての課題感


日本での開発が欧米から遅れをとっていることについて、ドラッグロスに繋がるとの懸念がある。



難病には根治療法がなく、新薬開発に対して積極的に協力する姿勢の患者会が多い。特に根治につながる
可能性の高い再生医療、遺伝子治療などの新しいモダリティの分野における期待を抱いている。現在JPA
において、ドラッグロスの具体的な事例は患者会から挙がっていない(情報が得られていない可能性もあ
る)が、今後難病の領域でドラッグロスが発生する可能性が高い。



例えば潰瘍性大腸炎のように、難病の中でも比較的患者数が多く、研究者も多いところは、治験や開発が
進み、新たなモダリティも生まれてきている。しかし多くの難病の治療は対症療法のみで、進行を遅らせ
る薬も少ない。



また、難病は多様性に富み鑑別診断が難しいため、確定診断に何年もかかる患者が多い。ゲノム解析等の
発展はより早く確実な確定診断につながるが、日本が欧米に比べここでも遅れがあるとすると非常に遺憾
に思う。



国内製薬メーカーも、いまや日本よりグローバルの売上げのほうが大きいところもあり、ますます日本か
ら離れていくのが懸案である。また、そもそもメーカーというのは、新製品(新薬)を出していかないと
衰退して生き残れないものであり、収益の柱がなければ次の投資ができない。その柱が、⾧期収載品に
頼っていたり、せっかく新薬を出してもそれが儲けの柱になりにくい構造であることを危惧している。特
許期間が短く、薬価ばかりが改定により常に下がることに、悪循環の印象を覚えている。



医薬品業界は様々な規制の中にあり、他の業界の常識が通じない。流通も軽くて高価なモノを扱うにして
は疑問符が多い。ドラッグロスの問題に対しても、各主体がばらばらに対応するパッチワークになってい
る印象を抱いている。例えば、国内の治験実施数を倍増させるには患者の協力をどうするのかなど、患者
側も含めて関係者全員で考える場を急いで作る必要がある。残薬や新薬の⾧期処方等、他の課題も然りで
は。

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