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報告書 本編 (20 ページ)

公開元URL https://www.npa.go.jp/bureau/cyber/what-we-do/csmeeting.html
出典情報 サイバー事案の被害の潜在化防止に向けた検討会 報告書2023(4/6)《警察庁》
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そのほか、例えば、インターネット上の誹謗中傷について警察による捜査等を望まずに削
除のみを希望する被害者や、自社のウェブサイトを騙ったフィッシングサイトについて迅速
なテイクダウンを求める企業等、通報・相談の内容によっては警察以外の窓口に相談するこ
とが適している場合もある。そうした通報・相談の内容に関し、関係機関等と連携して対策
等に関する広報啓発を行うとともに、それぞれの所掌事務、特徴等を生かせる分野等を基に、
効果的な役割分担となるよう検討を進め、あわせて、関係機関等の窓口や担当業務を都道府
県警察のウェブサイト等において提示すべきである。

3.2

被害者が自発的に通報・相談しやすい環境整備

3.2.1


通報・相談しやすい環境整備に関する現状の取組・課題

被害者に対する情報発信の不足

通報・相談を行うに当たって必要な情報が不十分であることが、通報・相談を躊躇させる
理由となっている状況がうかがえることは、2.2において述べたとおりである。
実際、都道府県警察のウェブサイトにおける情報発信の状況について調べたところ、「サ
イバー犯罪の具体例を示している」のが 30 警察、
「通報・相談すべき具体的内容を示してい
る」のが 23 警察、
「通報・相談時に必要となる情報を示している」のが 10 警察、
「よくある
相談とその対応策を示している」のが 26 警察、
「被害回復の手続を示している」のが4警察
であるなど、全ての都道府県警察において情報発信を十分に実施できていないことが判明し
ている(令和5年2月末時点)。
また、都道府県警察のウェブサイトからのサイバー相談受理状況は極めて低調であること
も併せて判明しているところ、都道府県警察における通報・相談窓口は、必ずしも担当窓口
や警察署の電話番号が明示的ではない状況である。都道府県警察のウェブサイトにおけるサ
イバー相談に関する窓口の設置状況について確認したところ、入力フォームか電子メールか
の違いはあるものの、19 警察にのみ設置されている状況であり、残りの都道府県警察では、
警察相談の枠組みで相談を受け付けている状況であった(令和5年2月末時点)。



被害者が相談しにくい事案の存在

3G回線のサービス終了や成人年齢の引き下げといったことを背景として、これまでイン
ターネットやスマホに触れてこなかったなどの理由から情報リテラシーが比較的低い層に
おける急速なスマートフォンの普及が見込まれる。こうしたことに加え、被害に遭った高齢
者や青少年が家族等に相談しにくいなどの理由から、通報・相談が躊躇されることが懸念さ
れる。例えば、サポート詐欺であれば、被害者が犯罪と認識できずコンビニエンスストア等
でギフトカードを購入し送金する事案が発生しているほか、フィッシング詐欺のように偽の
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