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資料2-4 ワクチンの安全性に関する評価について[3.0MB] (60 ページ)
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公開元URL | https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_33888.html |
出典情報 | 薬事・食品衛生審議会 薬事分科会医薬品等安全対策部会(令和5年度第1回 6/29)《厚生労働省》 |
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○本OE解析の目的は、副反応疑い報告においてmRNAワクチン接種後に「肺塞栓症」疑いとして報告された頻度と比較する対象として、非ワクチン接種群(令和元年度等)において、「肺塞栓症」がど
の程度存在するのかを算出することである。
○ワクチンのリスクを評価するにあたっては、リスクを最大化して見積もるために、対照群としての非ワクチン接種群を不適切に広くとることは望ましくないのものの、疑い事例も含め広く情報収集を
行っている副反応疑い報告において「肺塞栓症」疑いとして報告されるものと、可能な限り同等の病像を呈する群を非ワクチン接種群として算出することが望ましい。
○ひとつの設定の可能性として、既報や米国VSDの定義に準ずる方法も考えられるものの、副反応疑い報告において報告される事例は必ずしも、これらの定義に沿ったもののみが報告されるものではない
ことも踏まえると、副反応疑い報告の特性に基づく疾患群を集積することが望ましい。
○副反応疑い報告における肺塞栓症疑い事例の報告は、28日以内に発症したと報告されるものが9割を占めるものの、7日以内に発症したとされるものに限定すると6割程度となる。
○なんらかの機序をもってmRNAワクチンが体内において静脈内の血栓形成を誘導し、肺塞栓症の発症に至らしめると仮定した場合、病状としては急性の肺塞栓の病態が最も推定されるものの、副反応疑
い報告においては、もともと慢性の肺動脈内血栓が存在した事例に、ワクチン接種後に更なる血栓形成をきたしたことにより肺塞栓症を発症し、報告に至る事例が存在する可能性を否定できない。(病名
の例は、「*」に示す)
○一方、画像診断上、肺血栓が明らかでないものの、ワクチン接種後に原因不詳で肺性心等に至った事例のうち、たとえばD-dimer高値等を伴っているため、肺塞栓症疑いとして副反応疑いとして報告さ
れる可能性も否定はできない。しかしながら、本解析の端緒はあくまでも、mRNAワクチンがなんらかの機序をもって肺塞栓症を誘導しうると仮定した場合であって、血栓の存在が明らかとなっていない
肺性心等の事例までを非ワクチン接種群として含めることは、不適切に対照群を設定し、ワクチンのリスクを過小評価することに繋がりうる。(病名の例は、「†」に示す)
○また、部位の特定された静脈血栓症(病名の例は、「$」)の中でも、特に、下大静脈等、右心近傍に血栓が確認されている疾病(病名の例は、「$$」)については、実態として肺動脈内の血栓が存在
する可能性も高いと推定されるものの、肺血栓の存在が明らかとなっていない事例を非ワクチン接種群として含めることによりワクチンのリスクを過小評価する懸念がある。
○なお、静脈内に血栓があることは明らかであるものの、病名に部位名がついていないものについては、これらの中に肺動脈内血栓が存在する事例が含まれうるものの、一方で肺動脈内血栓が存在しない
事例も含まれうることから、非ワクチン接種群に含めるべきかは議論がわかれるところである。(病名の例は、「※」に示す)
○以上を踏まえ、今回の非ワクチン接種群の設定としては、急性慢性の如何によらず、肺血栓の存在があるとされる病名は対照群に含める群と含めない群を設定。肺塞栓症の可能性はあるものの、肺性心
等と診断され、肺血栓の存在は明らかでない病名及び肺血栓の存在の可能性も高いものの、肺以外の部位の特性された静脈血栓症については非ワクチン接種群からは除外。静脈内血栓はあるものの、部位
不明であり、肺動脈内に血栓が存在するかは定かでない病名については、含める群と含めない群を設定した上で、最終的には左記のオレンジ色のように狭義①群、中間群②群、広義③群の3群を設定して
作業を進めることとした。
○なお、#に示す疾患については、外傷や出産等の明確な外的要因があった上で肺塞栓症をきたしうる疾患である。一方、外傷や出産後の同時期にコロナワクチンを接種し、その後に肺塞栓症を発症し、
結果として新型コロナワクチン接種後の肺塞栓症として副反応疑い報告をされる可能性は極めて低いと考えられることから、VSDにおける基準に準じ、I26.コードの14日以内に#を発症した事例について
除外した。
#physical trauma code (V00-Y99)、 O88.0(Obstetric air embolism産科的空気塞栓)、 O88.1(Amniotic fluid embolism羊水塞栓症)、 T79.1(Fat embolism(traumatic)脂肪塞栓症(外傷性))
*VSDにおける基準は、以下のとおり
○原則として、I26. を収集。
ただし、以下のケースは除外。
○発症以前に、I27.82(chronic pulmonary embolism慢性肺塞栓症)又はZ86.71(personal history of pulmonary embolism肺塞栓症の既往)があったケース。
○発症30日前以内にコロナ感染があったケース。
○発症14日以内にphysical trauma code (V00-Y99)、 O88.0(Obstetric air embolism産科的空気塞栓)、 O88.1(Amniotic fluid embolism羊水塞栓症)、 T79.1(Fat embolism(traumatic)脂肪塞栓症
(外傷性))のいずれかがあったケース。
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の程度存在するのかを算出することである。
○ワクチンのリスクを評価するにあたっては、リスクを最大化して見積もるために、対照群としての非ワクチン接種群を不適切に広くとることは望ましくないのものの、疑い事例も含め広く情報収集を
行っている副反応疑い報告において「肺塞栓症」疑いとして報告されるものと、可能な限り同等の病像を呈する群を非ワクチン接種群として算出することが望ましい。
○ひとつの設定の可能性として、既報や米国VSDの定義に準ずる方法も考えられるものの、副反応疑い報告において報告される事例は必ずしも、これらの定義に沿ったもののみが報告されるものではない
ことも踏まえると、副反応疑い報告の特性に基づく疾患群を集積することが望ましい。
○副反応疑い報告における肺塞栓症疑い事例の報告は、28日以内に発症したと報告されるものが9割を占めるものの、7日以内に発症したとされるものに限定すると6割程度となる。
○なんらかの機序をもってmRNAワクチンが体内において静脈内の血栓形成を誘導し、肺塞栓症の発症に至らしめると仮定した場合、病状としては急性の肺塞栓の病態が最も推定されるものの、副反応疑
い報告においては、もともと慢性の肺動脈内血栓が存在した事例に、ワクチン接種後に更なる血栓形成をきたしたことにより肺塞栓症を発症し、報告に至る事例が存在する可能性を否定できない。(病名
の例は、「*」に示す)
○一方、画像診断上、肺血栓が明らかでないものの、ワクチン接種後に原因不詳で肺性心等に至った事例のうち、たとえばD-dimer高値等を伴っているため、肺塞栓症疑いとして副反応疑いとして報告さ
れる可能性も否定はできない。しかしながら、本解析の端緒はあくまでも、mRNAワクチンがなんらかの機序をもって肺塞栓症を誘導しうると仮定した場合であって、血栓の存在が明らかとなっていない
肺性心等の事例までを非ワクチン接種群として含めることは、不適切に対照群を設定し、ワクチンのリスクを過小評価することに繋がりうる。(病名の例は、「†」に示す)
○また、部位の特定された静脈血栓症(病名の例は、「$」)の中でも、特に、下大静脈等、右心近傍に血栓が確認されている疾病(病名の例は、「$$」)については、実態として肺動脈内の血栓が存在
する可能性も高いと推定されるものの、肺血栓の存在が明らかとなっていない事例を非ワクチン接種群として含めることによりワクチンのリスクを過小評価する懸念がある。
○なお、静脈内に血栓があることは明らかであるものの、病名に部位名がついていないものについては、これらの中に肺動脈内血栓が存在する事例が含まれうるものの、一方で肺動脈内血栓が存在しない
事例も含まれうることから、非ワクチン接種群に含めるべきかは議論がわかれるところである。(病名の例は、「※」に示す)
○以上を踏まえ、今回の非ワクチン接種群の設定としては、急性慢性の如何によらず、肺血栓の存在があるとされる病名は対照群に含める群と含めない群を設定。肺塞栓症の可能性はあるものの、肺性心
等と診断され、肺血栓の存在は明らかでない病名及び肺血栓の存在の可能性も高いものの、肺以外の部位の特性された静脈血栓症については非ワクチン接種群からは除外。静脈内血栓はあるものの、部位
不明であり、肺動脈内に血栓が存在するかは定かでない病名については、含める群と含めない群を設定した上で、最終的には左記のオレンジ色のように狭義①群、中間群②群、広義③群の3群を設定して
作業を進めることとした。
○なお、#に示す疾患については、外傷や出産等の明確な外的要因があった上で肺塞栓症をきたしうる疾患である。一方、外傷や出産後の同時期にコロナワクチンを接種し、その後に肺塞栓症を発症し、
結果として新型コロナワクチン接種後の肺塞栓症として副反応疑い報告をされる可能性は極めて低いと考えられることから、VSDにおける基準に準じ、I26.コードの14日以内に#を発症した事例について
除外した。
#physical trauma code (V00-Y99)、 O88.0(Obstetric air embolism産科的空気塞栓)、 O88.1(Amniotic fluid embolism羊水塞栓症)、 T79.1(Fat embolism(traumatic)脂肪塞栓症(外傷性))
*VSDにおける基準は、以下のとおり
○原則として、I26. を収集。
ただし、以下のケースは除外。
○発症以前に、I27.82(chronic pulmonary embolism慢性肺塞栓症)又はZ86.71(personal history of pulmonary embolism肺塞栓症の既往)があったケース。
○発症30日前以内にコロナ感染があったケース。
○発症14日以内にphysical trauma code (V00-Y99)、 O88.0(Obstetric air embolism産科的空気塞栓)、 O88.1(Amniotic fluid embolism羊水塞栓症)、 T79.1(Fat embolism(traumatic)脂肪塞栓症
(外傷性))のいずれかがあったケース。
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