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08 参考資料1-2 沈降ヘモフィルスb型ワクチンファクトシート[2.4MB] (17 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_34803.html
出典情報 厚生科学審議会 予防接種・ワクチン分科会 予防接種基本方針部会 ワクチン評価に関する小委員会(第20回 8/29)《厚生労働省》
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ムアジュバントを含む旧製剤について検討されている。いずれにおいても VaxemHib は
強い免疫原性を有すると報告されている(41-43)。
③-2.血清殺菌活性(serum bactericidal activity: SBA)の評価
血中の抗 PRP IgG 抗体は、補体を活性化して Hib を殺菌し、感染防御効果を発揮する
ことが期待される。この血清殺菌活性(SBA)を直接測定する方法も報告されており(44)、
抗 PRP IgG 抗体価と SBA の関連が調べられている(38, 45)。これらの報告によると、抗
PRP IgG 抗体価と SBA の間にある程度の相関が見られる一方で、高い抗 PRP IgG 抗体価
を示しながら SBA は低い血清、あるいはその逆の例もあることが報告されている(38)。
Hib ワクチンの接種によって高い抗 PRP 抗体価が誘導されたにもかかわらず、SBA が低
い場合は、ワクチンの効果が得られない要因となることも考えられる(45)。SBA の測定
は、抗 PRP 抗体価による Hib ワクチンの評価を相補するものとして重要である(38, 44,
45)。
VaxemHib の国内第Ⅲ相臨床試験では、VaxemHib 接種群と ActHib 接種群で、被験者
血清の Hib に対する SBA が比較されている。初回免疫 4 週後の VaxemHib 接種群と ActHib
接種群の SBA の GMT は、免疫前に比べて、それぞれ 202 倍、70 倍になっていた。GMT
比(VaxemHib/ActHib 接種群)は 2.88(95%信頼区間: 2.322〜3.583)であり、VaxemHib
接種群の SBA の方が有意に高かった。初回免疫 4 週後の抗 PRP IgG 抗体価と SBA の相関
(Spearman 係数)は VaxemHib 接種群と ActHib 接種群で、それぞれ 0.3897、0.4514 で
あり、両接種群とも抗 PRP IgG 抗体価と SBA の相関が示唆された(46)。
④ ワクチン製剤の互換性
VaxemHib と ActHib の 2 製剤について交差接種を検討した論文報告はないが、WHO の
事前承認審査(prequalification)における VaxemHib の添付文書(英語版)では「加
免疫」の項目に、「初回接種に VaxemHib を使用した者は、追加接種として VaxemHib ま
たは他の Hib 結合体ワクチンが使用可能であり、同様に初回接種で他の Hib ワクチンを
接種した者には追加接種で VaxemHib の使用が可能」との記載がある (47)。また、Hib
ワクチンの交差接種について下記の情報が得られている。
④-1. VaxemHib の国内臨床試験における ActHib の交差接種例
VaxemHib の国内臨床試験において、一部の被験者(9 例)が ActHib との交差接種を
受けている。これらは VaxemHib の臨床試験を途中で中止した例で、VaxemHib の初回接
種の後、2 回目、3 回目の初回免疫あるいは追加免疫で ActHib の接種を受けている。こ
れら 9 例のうち 1 例で突発性発疹の発症がみられたが、ワクチン接種との因果関係は認
められなかった。VaxemHib と ActHib の交差接種の安全性が懸念される事象は生じなか
った。

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