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08 参考資料1-2 沈降ヘモフィルスb型ワクチンファクトシート[2.4MB] (7 ページ)
出典
公開元URL | https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_34803.html |
出典情報 | 厚生科学審議会 予防接種・ワクチン分科会 予防接種基本方針部会 ワクチン評価に関する小委員会(第20回 8/29)《厚生労働省》 |
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Hib による細菌性髄膜炎は、乳幼児期に好発する。発熱(時に低体温)時には哺乳不
良や大泉門膨隆、意識障害を呈する。しかし、細菌性髄膜炎に特徴的とされる項部硬直
などの髄膜刺激徴候に関しては、認められない症例もある。細菌性髄膜炎は急速に進行
し予後も不良である。致命率は先進国であっても 3%であり、救命されても神経学的後
遺症を残す場合も多い(6)。
b) 急性喉頭蓋炎
細菌による小児の急性喉頭蓋炎の多くは Hib によるものであるとされ、Hib ワクチ
ンが導入される以前には、米国では細菌による急性喉頭蓋炎の症例のうち、75~90%で
Hib が同定されていた(7)。発熱、咽頭痛、嚥下障害、喘鳴、頭部を前方に突き出す姿
勢などが特徴的な臨床症状である。気道確保や適切な抗菌薬投与がなされないと急速に
呼吸困難が進行し致命的になる。
c) 骨髄炎・関節炎
細菌性骨髄炎は、Hib が血行性に散布されることで発症する。どの部位でも発症しう
るが、特に下肢の長管骨に多いとされる。乳幼児に多く、乳児では特に解剖学的な特性
から、関節炎を合併する場合も多い。骨髄炎の原因病原体としては、黄色ブドウ球菌に
ついで、連鎖球菌、肺炎球菌、Hib が多いとされ、特に Hib では化膿性関節炎を合併し
やすいとされる(8)。日本国内でも、骨髄炎、関節炎ともに、Hib は主要な原因菌とし
て報告されている (9, 10)。
d) 肺炎・膿胸
好発年齢は 4 か月齢から 4 歳の小児で、胸膜病変を伴う肺炎を起こす。発症が潜行
性であることが特徴である (1)。
e) 感染巣を伴わない菌血症
小児では 6 か月齢から 3 歳の年齢でしばしば感染巣不明の菌血症を発症する。
3.国内の疫学状況
① 感染症発生動向調査における患者数
感染症法に基づく感染症発生動向調査では、2013 年 3 月まではインフルエンザ菌感
染症としての患者発生動向調査は実施されておらず、全国約 500 の基幹定点医療機関か
ら報告される細菌性髄膜炎として患者数の把握が行われてきた。1999 年以降の年間の
定点あたり累積患者報告数は、1999~2003 年は 0.5~0.6 人程度であったが、2004~2008
年は 0.8~0.9 人、2009~2013 年は 1.0 人前後と増加傾向がみられた(11)。細菌性髄膜
炎の起因病原体のうち H. influenzae は 2006~2010 年に 16%(12~20%)を占めてい
たが、事業による公費助成が開始(2010 年 11 月 26 日)された後の 2011 年は 10%、2012
年は 3%と減少傾向がみられた(12)。
その後、感染症法および予防接種法の改正により、2013 年 4 月 1 日以降は Hib ワク
チンの定期接種への導入とともに、5 類感染症全数把握疾患として「侵襲性インフルエ
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良や大泉門膨隆、意識障害を呈する。しかし、細菌性髄膜炎に特徴的とされる項部硬直
などの髄膜刺激徴候に関しては、認められない症例もある。細菌性髄膜炎は急速に進行
し予後も不良である。致命率は先進国であっても 3%であり、救命されても神経学的後
遺症を残す場合も多い(6)。
b) 急性喉頭蓋炎
細菌による小児の急性喉頭蓋炎の多くは Hib によるものであるとされ、Hib ワクチ
ンが導入される以前には、米国では細菌による急性喉頭蓋炎の症例のうち、75~90%で
Hib が同定されていた(7)。発熱、咽頭痛、嚥下障害、喘鳴、頭部を前方に突き出す姿
勢などが特徴的な臨床症状である。気道確保や適切な抗菌薬投与がなされないと急速に
呼吸困難が進行し致命的になる。
c) 骨髄炎・関節炎
細菌性骨髄炎は、Hib が血行性に散布されることで発症する。どの部位でも発症しう
るが、特に下肢の長管骨に多いとされる。乳幼児に多く、乳児では特に解剖学的な特性
から、関節炎を合併する場合も多い。骨髄炎の原因病原体としては、黄色ブドウ球菌に
ついで、連鎖球菌、肺炎球菌、Hib が多いとされ、特に Hib では化膿性関節炎を合併し
やすいとされる(8)。日本国内でも、骨髄炎、関節炎ともに、Hib は主要な原因菌とし
て報告されている (9, 10)。
d) 肺炎・膿胸
好発年齢は 4 か月齢から 4 歳の小児で、胸膜病変を伴う肺炎を起こす。発症が潜行
性であることが特徴である (1)。
e) 感染巣を伴わない菌血症
小児では 6 か月齢から 3 歳の年齢でしばしば感染巣不明の菌血症を発症する。
3.国内の疫学状況
① 感染症発生動向調査における患者数
感染症法に基づく感染症発生動向調査では、2013 年 3 月まではインフルエンザ菌感
染症としての患者発生動向調査は実施されておらず、全国約 500 の基幹定点医療機関か
ら報告される細菌性髄膜炎として患者数の把握が行われてきた。1999 年以降の年間の
定点あたり累積患者報告数は、1999~2003 年は 0.5~0.6 人程度であったが、2004~2008
年は 0.8~0.9 人、2009~2013 年は 1.0 人前後と増加傾向がみられた(11)。細菌性髄膜
炎の起因病原体のうち H. influenzae は 2006~2010 年に 16%(12~20%)を占めてい
たが、事業による公費助成が開始(2010 年 11 月 26 日)された後の 2011 年は 10%、2012
年は 3%と減少傾向がみられた(12)。
その後、感染症法および予防接種法の改正により、2013 年 4 月 1 日以降は Hib ワク
チンの定期接種への導入とともに、5 類感染症全数把握疾患として「侵襲性インフルエ
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