よむ、つかう、まなぶ。

MC plus(エムシープラス)は、診療報酬・介護報酬改定関連のニュース、

資料、研修などをパッケージした総合メディアです。


資料1_「今後のがん研究のあり方について」報告書案 (10 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_35452.html
出典情報 今後のがん研究のあり方に関する有識者会議(第15回 9/27)《厚生労働省》
低解像度画像をダウンロード

資料テキストはコンピュータによる自動処理で生成されており、完全に資料と一致しない場合があります。
テキストをコピーしてご利用いただく際は資料と付け合わせてご確認ください。

の効果的な推進と評価に関する研究については、基本計画で求められている
施策の推進に資する研究を実施してきたこと
 がん患者及びがん経験者が研究の計画立案と評価に参画する取組や、患者報
告アウトカムの尺度開発に関する研究が進められていること
一方で、解決すべき課題も多く残っている。
新規薬剤・治療法の開発においては、いわゆるドラッグラグ・ドラッグロス5
が顕在化している。加えて、日本では諸外国と比較して新規モダリティに基づく
薬剤開発が遅れている。例えば、欧米で開発された mRNA ワクチンは、がん領域
での開発が進められていたが、新型コロナウイルス感染症の流行に伴い感染症
領域での開発が急速に進展して実用化され、がん領域においても開発が進み、実
用化に近づいている。
すい

また、膵がん、胆道がん、肝臓がんや再発・転移性がんなどの難治性がんの生
存率には大きな改善が見られず、小児・AYA 世代のがんや希少がんに対する治療
法の開発やゲノム医療を含む医療技術提供の均てん化に資するネットワーク構
築に関しては未だ大きな課題を残している。
正常組織(非がん部組織)においては、クローン性造血(CHIP)等に認められ
るゲノム変異が、ヒトの成長段階の比較的早期の段階から生じることが明らか
にされ、二次がんを含む個々人の発がんリスクに関する定量的評価や個別化予
防及び健康寿命延伸への展開も求められている。
加えて、医療 AI 等を含む新たな科学技術が進展しており、特に生成 AI につ
いては医学研究への活用が期待されている。これらの科学技術の活用とともに、
デジタル化や医療情報のデータベースの整備・連携を更に推進する必要がある。
「誰一人取り残さないがん対策を推進し、全ての国民とがんの克服を目指す」
という第4期基本計画の全体目標を実現するためにも、これらの課題解決に向
けた研究の推進は喫緊の課題である。

5

ドラッグラグとは、欧米では承認されているが日本では承認されていない医薬品が発生
している事象のことをいい、このうち、特に日本での開発に着手されていない事象をドラ
ッグロスという。
10