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○医薬品の新規薬価収載について 総-5-3 (4 ページ)
出典
公開元URL | https://www.mhlw.go.jp/stf/shingi2/0000212500_00223.html |
出典情報 | 中央社会保険医療協議会 総会(第564回 11/15)《厚生労働省》 |
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2.本剤の特徴、作用機序
肥満は様々な健康障害を引き起こすことが知られており、2 型糖尿病、高血圧、脂質
異常症等の発症に関わる危険因子である1,2,3,4。さらに、死に至る心血管疾患や特定の種
類のがんの発生リスクを高めるとされている5。日本においても、肥満者の割合は年々
増加している。厚生労働省より発出された国民健康・栄養調査(2019 年)では、成人男
性の 33.0%及び成人女性の 22.3%が肥満(BMI 25 kg/m2 以上と定義)と報告されている
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。
一般社団法人日本肥満学会(Japan Society for the Study of Obesity:JASSO)の最新の
治療ガイドライン(肥満症診療ガイドライン)7では、肥満という身体状況の判定と、肥
満に関連して発症する健康障害を有し、医学的観点から減量治療を必要とする肥満症を
疾患として診断することを明確に区別している。軽度の肥満であっても、肥満に関連す
る合併症が発症しやすいのは、内臓脂肪の蓄積によることが報告されている8。これら
の点を踏まえ、肥満症診療ガイドラインでは、肥満症の診断基準は「BMI が 25 kg/m2 以
上で、以下のいずれかの条件を満たす場合:1)肥満に起因ないし関連する健康障害を
有するか、健康障害の合併が予測される場合で減量を要するもの、2)腹部コンピュー
タ断層撮影検査によって内臓脂肪面積 100 cm2 以上と確認された内臓脂肪型肥満(健康
障害の合併の有無は問わない)
」とされている。
肥満症診療ガイドラインでは、肥満症の薬物療法は、食事・運動・行動療法から成る
生活習慣改善療法では十分な効果がみられない場合に考慮するとされている。
海外では肥満に対する治療薬は、ヒトグルカゴン様ペプチド-1(以下、
「GLP-1」
)受
容体作動薬を含め数種類存在しており、薬物治療の重要性が広く認識されている。日本
においても、肥満症に対して医学的に適切な治療及び管理が実施されるよう、日本肥満
学会を中心に医学的認識を高める取り組みが行われており、肥満に関連する日本医学連
合「領域横断的肥満症ワーキンググループ」23 学会が肥満症の撲滅を目指して領域を
超えて協働することを合意した「神戸宣言 2018」が発表されているが、現在利用可能な
肥満症治療薬は限られており肥満症に対する治療薬のニーズが存在する。このような状
況に鑑み、肥満症の新しい治療選択肢を提供する薬剤としてウゴービ皮下注〔一般名:
セマグルチド(遺伝子組換え)
〕の開発が行われた。
本剤は GLP-1 アナログを有効成分として含有する注射剤である。現在、日本では本
剤の有効成分であるセマグルチドを含有する週 1 回皮下投与製剤(オゼンピック皮下注
2mg 及びオゼンピック皮下注 SD)及び 1 日 1 回経口投与製剤(リベルサス錠)が 2 型
糖尿病の治療薬として市販されている。
GLP-1 受容体は脳に広く分布しており、食後に内因性末梢 GLP-1 濃度が増加するこ
と9、及びヒトに GLP-1 を注入すると満腹感が増強され、エネルギー摂取量が減少する
こと10,11,12が報告されていることから、GLP-1 がエネルギー摂取量及び体重調節に対し
て作用することが示唆されている。非臨床試験成績等を踏まえると、本薬は視床下部、
脳幹及び中隔における GLP-1 受容体を介して、エネルギー摂取の恒常的調節及び快楽
的調節を行う可能性が考えられる。
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肥満は様々な健康障害を引き起こすことが知られており、2 型糖尿病、高血圧、脂質
異常症等の発症に関わる危険因子である1,2,3,4。さらに、死に至る心血管疾患や特定の種
類のがんの発生リスクを高めるとされている5。日本においても、肥満者の割合は年々
増加している。厚生労働省より発出された国民健康・栄養調査(2019 年)では、成人男
性の 33.0%及び成人女性の 22.3%が肥満(BMI 25 kg/m2 以上と定義)と報告されている
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一般社団法人日本肥満学会(Japan Society for the Study of Obesity:JASSO)の最新の
治療ガイドライン(肥満症診療ガイドライン)7では、肥満という身体状況の判定と、肥
満に関連して発症する健康障害を有し、医学的観点から減量治療を必要とする肥満症を
疾患として診断することを明確に区別している。軽度の肥満であっても、肥満に関連す
る合併症が発症しやすいのは、内臓脂肪の蓄積によることが報告されている8。これら
の点を踏まえ、肥満症診療ガイドラインでは、肥満症の診断基準は「BMI が 25 kg/m2 以
上で、以下のいずれかの条件を満たす場合:1)肥満に起因ないし関連する健康障害を
有するか、健康障害の合併が予測される場合で減量を要するもの、2)腹部コンピュー
タ断層撮影検査によって内臓脂肪面積 100 cm2 以上と確認された内臓脂肪型肥満(健康
障害の合併の有無は問わない)
」とされている。
肥満症診療ガイドラインでは、肥満症の薬物療法は、食事・運動・行動療法から成る
生活習慣改善療法では十分な効果がみられない場合に考慮するとされている。
海外では肥満に対する治療薬は、ヒトグルカゴン様ペプチド-1(以下、
「GLP-1」
)受
容体作動薬を含め数種類存在しており、薬物治療の重要性が広く認識されている。日本
においても、肥満症に対して医学的に適切な治療及び管理が実施されるよう、日本肥満
学会を中心に医学的認識を高める取り組みが行われており、肥満に関連する日本医学連
合「領域横断的肥満症ワーキンググループ」23 学会が肥満症の撲滅を目指して領域を
超えて協働することを合意した「神戸宣言 2018」が発表されているが、現在利用可能な
肥満症治療薬は限られており肥満症に対する治療薬のニーズが存在する。このような状
況に鑑み、肥満症の新しい治療選択肢を提供する薬剤としてウゴービ皮下注〔一般名:
セマグルチド(遺伝子組換え)
〕の開発が行われた。
本剤は GLP-1 アナログを有効成分として含有する注射剤である。現在、日本では本
剤の有効成分であるセマグルチドを含有する週 1 回皮下投与製剤(オゼンピック皮下注
2mg 及びオゼンピック皮下注 SD)及び 1 日 1 回経口投与製剤(リベルサス錠)が 2 型
糖尿病の治療薬として市販されている。
GLP-1 受容体は脳に広く分布しており、食後に内因性末梢 GLP-1 濃度が増加するこ
と9、及びヒトに GLP-1 を注入すると満腹感が増強され、エネルギー摂取量が減少する
こと10,11,12が報告されていることから、GLP-1 がエネルギー摂取量及び体重調節に対し
て作用することが示唆されている。非臨床試験成績等を踏まえると、本薬は視床下部、
脳幹及び中隔における GLP-1 受容体を介して、エネルギー摂取の恒常的調節及び快楽
的調節を行う可能性が考えられる。
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