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04 参考資料1-123価肺炎球菌莢膜ポリサッカライドワクチン(肺炎球菌ワクチン)ファクトシート (6 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_36630.html
出典情報 厚生科学審議会 予防接種・ワクチン分科会 予防接種基本方針部会 ワクチン評価に関する小委員会(第22回 12/1)《厚生労働省》
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1.肺炎球菌感染症の基本的知見
(1)疾患の特性
① 臨床症状
肺炎球菌(Streptococcus pneumoniae)は主に乳幼児の鼻咽頭に 40〜60%と高頻度に保菌さ
れている(1)。肺炎球菌による無症候性の保菌状態は、本菌による呼吸器や全身感染症に先行し
て発生し、市中における菌の水平伝播に重要な役割を果たしている(2)。本菌は主要な呼吸器病
原性菌であり、小児、成人に中耳炎、副鼻腔炎や菌血症を伴わない肺炎などの非侵襲性感染症を
引き起こす。また、本菌が血液中に侵入した場合には、小児、成人に髄膜炎や菌血症を伴う肺炎
などの侵襲性肺炎球菌感染症(invasive pneumococcal disease: IPD)を引き起こす(IPD とは
通常無菌的であるべき検体から肺炎球菌が分離された疾患をさす)


② 鼻咽頭保菌
肺炎球菌の小児鼻咽頭の保菌率が高頻度であるのに対し、成人における同菌の保菌率は一般に
低いとされている。米国の高齢者における保菌率は 3.1〜5.5%(3)、ポルトガルの 60 歳以上の成
人では 2.3%と報告されている(4)。わが国の成人における保菌率は 2.6~5.3%と報告されている
(5)。一方、西アフリカ、ガンビアの 40 歳以上の成人では 51%と高い保菌率が報告されている
(6)。

③ 感染経路
健常人の鼻咽頭に保菌されている肺炎球菌は、飛沫によって家庭内、集団内で伝播する。鼻
咽頭に保菌された肺炎球菌は時に直接進展により中耳炎の原因となる。一方では、本菌は下気道
に進展することで気管支炎、肺炎などの原因となる。また、血液や髄液中に侵入し、敗血症、髄
膜炎などの IPD を引き起こす。また、成人の肺炎球菌性肺炎の発症は小児との接触に関連すると
されている(7)。本菌による集団感染事例が病院(侵襲性感染を含む)(8)、軍隊(肺炎) (9)、高
齢者施設(10,11)において報告されている。

④ 検査法
喀痰、咽頭ぬぐい液、鼓膜切開液、胸水、髄液、関節液などの臨床検体を直接血液寒天培地に
接種するか、もしくは増菌培地を用いて増菌したのち血液寒天培地に接種する方法で分離し、コ
ロニーを鑑別する培養検査を実施するのが一般的である。培養法による肺炎球菌の同定は血液寒
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