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04 参考資料1-123価肺炎球菌莢膜ポリサッカライドワクチン(肺炎球菌ワクチン)ファクトシート (7 ページ)
出典
公開元URL | https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_36630.html |
出典情報 | 厚生科学審議会 予防接種・ワクチン分科会 予防接種基本方針部会 ワクチン評価に関する小委員会(第22回 12/1)《厚生労働省》 |
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天培地上での溶血性(α溶血)
、胆汁酸溶解試験、オプトヒン感受性試験等によって行われる。
また、喀痰などの臨床検体を用いたグラム染色は、本菌感染症の推定に有用である(12)。近年、
Real-time PCR 法や PCR 法により鑑別する方法も用いられている。また、肺炎球菌の共通抗原で
ある C-polysaccharide に対する抗体を用いた尿中抗原による診断法も普及している(13)。さら
に、尿中に血清型特異的莢膜抗原を検出する urinary antigen detection (UAD)アッセイも開発
されている(14)。
血清型の決定は莢膜膨化試験により行われるが、スクリーニングとして血清型特異的遺伝子を
ターゲットとした Multiplex PCR も有用である(15)。また、肺炎球菌ワクチンの免疫誘導能や肺
炎球菌感染症に罹患した患者の液性免疫の評価を目的とした ELISA 法による血清型特異 IgG 濃
度(μg/ml)と Multiplex opsonization assay(MOPA)による血清型特異的なオプソニン活性
の測定も可能である(16)。
⑤ 治療法
髄膜炎以外から分離される肺炎球菌のほぼ全てがペニシリン感受性であるため、ペニシリン系
薬が第一選択薬である(17)。髄膜炎ではセフォタキシム低感受性が低頻度ながら存在することか
ら、薬剤感受性結果が得られるまではセフォタキシムまたはセフトリアキソンとバンコマイシン
の併用投与を行う(18, 19)。
⑥
鑑別を要する他の疾患
鑑別を必要とする疾患に、他の呼吸器病原性菌による肺炎をはじめとする呼吸器感染症、他の
細菌に起因する菌血症、髄膜炎、中耳炎、副鼻腔炎などがある。鑑別診断には実験室診断を実施
する必要がある。
(2)肺炎球菌ワクチン導入の経緯
わが国において、2010 年 11 月には「子宮頸がん等ワクチン接種緊急促進事業」が始まり、5
歳未満の小児に対する PCV7 接種の公費助成が拡充された。その後、PCV7 は 2013 年 4 月から定
期接種ワクチンとなった。2013 年 6 月に 13 価肺炎球菌結合型ワクチン(PCV13)が製造販売承認
され、同年 11 月には小児の定期接種ワクチンは PCV13 に置き換わった。
一方、23 価莢膜ポリサッカライドワクチン(PPSV23)は 1988 年 3 月に薬事承認され、1992 年 8
月に「脾摘患者における肺炎球菌による感染症の発症予防」について健康保険適用が認められた。
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、胆汁酸溶解試験、オプトヒン感受性試験等によって行われる。
また、喀痰などの臨床検体を用いたグラム染色は、本菌感染症の推定に有用である(12)。近年、
Real-time PCR 法や PCR 法により鑑別する方法も用いられている。また、肺炎球菌の共通抗原で
ある C-polysaccharide に対する抗体を用いた尿中抗原による診断法も普及している(13)。さら
に、尿中に血清型特異的莢膜抗原を検出する urinary antigen detection (UAD)アッセイも開発
されている(14)。
血清型の決定は莢膜膨化試験により行われるが、スクリーニングとして血清型特異的遺伝子を
ターゲットとした Multiplex PCR も有用である(15)。また、肺炎球菌ワクチンの免疫誘導能や肺
炎球菌感染症に罹患した患者の液性免疫の評価を目的とした ELISA 法による血清型特異 IgG 濃
度(μg/ml)と Multiplex opsonization assay(MOPA)による血清型特異的なオプソニン活性
の測定も可能である(16)。
⑤ 治療法
髄膜炎以外から分離される肺炎球菌のほぼ全てがペニシリン感受性であるため、ペニシリン系
薬が第一選択薬である(17)。髄膜炎ではセフォタキシム低感受性が低頻度ながら存在することか
ら、薬剤感受性結果が得られるまではセフォタキシムまたはセフトリアキソンとバンコマイシン
の併用投与を行う(18, 19)。
⑥
鑑別を要する他の疾患
鑑別を必要とする疾患に、他の呼吸器病原性菌による肺炎をはじめとする呼吸器感染症、他の
細菌に起因する菌血症、髄膜炎、中耳炎、副鼻腔炎などがある。鑑別診断には実験室診断を実施
する必要がある。
(2)肺炎球菌ワクチン導入の経緯
わが国において、2010 年 11 月には「子宮頸がん等ワクチン接種緊急促進事業」が始まり、5
歳未満の小児に対する PCV7 接種の公費助成が拡充された。その後、PCV7 は 2013 年 4 月から定
期接種ワクチンとなった。2013 年 6 月に 13 価肺炎球菌結合型ワクチン(PCV13)が製造販売承認
され、同年 11 月には小児の定期接種ワクチンは PCV13 に置き換わった。
一方、23 価莢膜ポリサッカライドワクチン(PPSV23)は 1988 年 3 月に薬事承認され、1992 年 8
月に「脾摘患者における肺炎球菌による感染症の発症予防」について健康保険適用が認められた。
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