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04 参考資料1-123価肺炎球菌莢膜ポリサッカライドワクチン(肺炎球菌ワクチン)ファクトシート (8 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_36630.html
出典情報 厚生科学審議会 予防接種・ワクチン分科会 予防接種基本方針部会 ワクチン評価に関する小委員会(第22回 12/1)《厚生労働省》
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2006 年には PPSV23 はニューモバックス NP として製造販売承認され、2014 年 10 月から 65 歳以
上の成人等を対象として定期接種ワクチン(B 類疾病)となった。また、2014 年 6 月に PCV13
に対する製造販売承認の用法及び用量に 65 歳以上の成人が追加された。2016 年 6 月〜8 月に全
国自治体 1741 を対象とした調査では、65 歳以上の成人に対する PPSV23 の平均接種率は 40.8%
であったと報告されている(20)


(3)国内の疫学状況(及び諸外国の状況、国内との比較)
① 肺炎球菌結合型ワクチンの直接効果と間接効果
欧米諸国において、小児への PCV7 の定期接種導入後に肺炎球菌感染症の疾病負荷は有意に減
少した(21)。米国では PCV7 導入 7 年後において、すべての IPD 罹患率と PCV7 ワクチン血清型に
よる IPD 罹患率はそれぞれ 45%、94%減少し、一方では PCV7 に含まれない 19A やその他の非 PCV7
血清型による IPD 罹患率が増加し、血清型置換(serotype replacement)が明確になった(22)。さ
らに、65 歳以上の高齢者においても PCV7 ワクチン血清型による IPD 罹患率も 92%減少した。英
国、ウエールズでは PCV7 導入 4 年後において、PCV7 ワクチン血清型による 2 歳以下の IPD 罹患
率の 98%減少、65 歳以上の高齢者の IPD 罹患率の 81%の減少が確認された(23)。このような PCV7
未接種である成人の IPD 罹患率の減少は、小児の PCV7 導入による間接的な集団免疫効果と考え
られている。その後、英国では PCV7 導入前に比較して、2016/2017 年までにすべての年齢層の
PCV7 ワクチン血清型 IPD は 97%減少した(24)。また、PCV13 導入前に比較して PCV13 ワクチン血
清型の IPD は 64%減少した。これに対し、非 PCV13 ワクチン血清型による全年齢における IPD の
罹患率は、PCV7 導入前に比較して、2016/2017 年までに倍増した。とりわけ、65 歳以上の成人
における非 PCV13 ワクチン血清型(とりわけ血清型 8, 12F, 9N)による IPD の増加が顕著であ
る。結果として、非 PCV13 ワクチン血清型による IPD の増加により小児 PCV7/PCV13 導入の有益
性が損なわれている(24)。
一方、英国で PCV7 導入後に、2006 年/2007 年の PCV7 血清型の小児鼻咽頭保菌の割合は 53.4%
から 2011 年/2012 年には 0%にまで減少したと報告されている(25)
。これに対し、非ワクチン血
清型の小児咽頭保菌の割合は 30%から 94.8%にまで増加した。この英国における小児鼻咽頭保菌
の PCV7 血清型の保菌の割合の減少、非 PCV 血清型の保菌の割合の増加は、小児及び高齢者 IPD
の原因菌の血清型分布の動向とよく一致している。PCV 接種後のワクチン含有血清型肺炎球菌の
鼻咽頭保菌を低下させる効果の主要な機序として、莢膜ポリサッカライド特異 IgG 抗体による菌
凝集を介したクリアランスが報告されている(26,27)

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