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別紙1○先進医療Aに係る新規技術の科学的評価等について (11 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/shingi2/0000205617_00067.html
出典情報 先進医療会議(第130回 3/7)《厚生労働省》
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2.研究計画書について
保険収載までのロードマップに「予想される有害事象」として妊娠合併症(子宮破裂・癒
着胎盤・胎盤位置異常)と記載されています。申請者は妊娠合併症については、重要な
評価項目と考えられているようですが、研究計画書 10 ページの「7.評価項目」には、妊
娠に関する事項は記載されておらず、「8.観察及び検査項目、データ収集の方法」にお
いて、「(8)妊娠状況の確認」が記載されているのみです。
加えて、研究計画書7ページ 「6.4 研究対象者の研究参加予定期間」において、子
宮腺筋症病巣除去術群については、9ヶ月~12 ヶ月(最大 14 ヶ月)と記載されておりま
すが、妊娠・分娩の転帰を評価するには設定されている期間だけでは困難であると考え
ております。
この度の臨床研究に、評価項目に妊娠合併症が含まれていないこと及び研究参加予
定期間の設定の根拠についてご説明をお願いいたします。
【回答】
本技術において、妊娠合併症は重要な評価項目であることは間違いございません。そこで我々は、
保険収載までのロードマップのうち、
「子宮腺筋症病巣術 患者登録システム」において、妊娠合併
症の評価を行うものとしております。
本術式の実施施行は全国で限られているため、近隣に受け入れ可能な施設がない地域では、患者
は遠隔施設に出向いて手術を受けるほかなく、長期間の手術実施施設への通院が困難であるという
背景がございます。
また、本技術の術後に、妊娠に至るまでの期間は数ヶ月から数年とばらつきが大きく、手術実施
施設の努力のみでは、長期間にわたるフォローアップや詳細な妊娠経過・妊娠予後などの情報把握
は困難となります。さらに、そもそも術後に妊娠に至る症例は限られており、少数の施設のみで十
分な症例数を集積するには相当の時間がかかります。Osada らの Review では、18 の研究からの 2123
症例のうち 449 症例(21.1%)で臨床的妊娠が観察され、363 症例(17.1%)が生児を獲得したと報告
しており、またそのうち妊娠合併症である子宮破裂が 3.6%に発生したと報告をしております
(Ferti & Steri,2018)

このように、発生率は低いが重篤で十分に評価をすべき合併症に関して前向きに調査研究をおこ
なうには、数千例程度の手術症例の集積が必要になる可能性があり、通常の調査研究では困難であ
ることが予想されます。こういった障壁が、先進医療 A として長年登録されていたにもかかわらず
保険収載がなされるほどの評価ができなかった大きな理由でもあるとも考えます。
これらの問題点から、子宮腺筋症病巣術の術後妊娠予後調査には、①日本全国の症例を収集する
こと、②長期にわたる追跡調査が可能であること、③必要時に患者に直接コンタクトをとり情報収
集するも可能であること、などが求められると考えられました。そこで現在、日本産科婦人科学会
の主導により、日本産科婦人科学会

生殖内分泌小研究「子宮腺筋症病巣除去術の患者レジストリ

のプラットフォーム作成小委員会」が立ち上げられ、厚生労働省による難治性疾患政策研究事業と
AMED による難治性疾患実用化研究事業との統合で作成された、「難病プラットフォーム」のシステ
ムを使用し、国内で施行された症例の登録と予後追跡調査を行うこととしております。
「妊孕能温存を希望する子宮腺筋症患者に対する子宮腺筋症病巣除去術の有効性・安全性評価を

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