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別紙1○先進医療Aに係る新規技術の科学的評価等について (2 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/shingi2/0000205617_00067.html
出典情報 先進医療会議(第130回 3/7)《厚生労働省》
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適・ 条件付き適・ 否

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子宮腺筋症は、子宮筋腫、子宮内膜症と並んでもっとも頻度の高い子宮の良
性疾患である。しかし、「子宮筋腫核出術(開腹および腹腔鏡)」と「腹腔鏡
下子宮内膜症病巣除去術」が保険収載されているなかで、「子宮腺筋症病巣除
去術」は以前より広く行われているにもかかわらず保険収載されないまま今日
に至っている。この理由の一つとして、臨床研究の困難さが挙げられる。子宮
腺筋症は子宮筋層内に発生するが、病巣の大きさや発生部位の範囲はさまざま
であり、正常筋層との境界は不明瞭である。症状に応じて、生殖機能を保持し
ながら、かつ適切な範囲で切除することが求められる。したがって、多様な患
者背景があり、多様な切除範囲が存在し、多様な術後評価項目が存在する条件
下で、洗練された臨床研究を行うことは困難であり、エビデンスレベルの高い
研究は国際的にもごく少数しかない。
このように臨床研究を行ううえで制約が多いなかで、「高周波切除器を用い
た子宮腺筋症核出術」が先進医療Aとして2005年から実施された。2,000例以上
が集積され、月経痛や月経量などの症状の改善に有効であるとの成績が得られ
ていた。しかし、十分なエビデンスを示すまでには至らなかったことや、特殊
な装置を必要とすることなどの理由により、2023年に先進医療は中止を余儀な
くされた。
この反省をふまえて、今回本研究では、月経困難症をきたし、MRI診断の得
られたものの中で、内分泌療法が実施できないか、もしくは十分な改善が得ら
れなかった症例に限定して研究対象としている。さらに、主要評価項目を月経
困難症の改善とし、副次評価項目として各種疼痛の改善、子宮体積量の変化、
および手術成績を挙げている。本研究は、日本産科婦人科学会内の研究グルー
プが立案企画したもので、申請機関を含めて6施設で実施することとしてい
る。
以上より、研究計画は妥当な内容であると判断される。研究グループ内での
実施施設に限定していることから、研究計画を遵守したより信頼性の高い症例
が計画期限内に予定数集積されるものと期待される。

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