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資料2-2 調査結果報告書 (6 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_24579.html
出典情報 薬事・食品衛生審議会 薬事分科会医薬品等安全対策部会安全対策調査会(令和3年度第31回 3/22)《厚生労働省》
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Fertility, Pregnancy and Lactation の項に以下の内容が記載されている。


IFNβ-1b はアカゲザルにおいて 13.3 MIU/kg/日まで催奇形性を示さないが、0.89~
24 MIU/kg/日において流産促進作用が認められた。IFNβ-1b を投与したときの妊婦の胎
児への毒性を引き起こすか、妊孕性に影響を与えるかについては明らかではない。



レジストリ調査の成績や市販後の使用経験では、自然流産や先天異常の発現頻度は一
般集団と同様であった。自然流産は臨床試験でも報告され、一般集団の発現頻度を超え
ていない。したがって、妊娠する可能性のある女性は適切な避妊方法をとるべきである。



患者が妊娠した又は妊娠を予定している場合は、胎児に対する潜在的な危険性につい
て情報提供を行うとともに、投与中止を考慮すべきである。IFNβ-1b による治療を続け
ることのベネフィットとリスクについて検討することが推奨される。

3. 妊婦を対象とした疫学調査
3.1

欧州レジストリ調査(J Neurol. 2020; 267: 1715-23)

IFNβ-1a 又は IFNβ-1b の投与を受けた妊婦を対象に、妊娠転帰について検討するため、欧
州レジストリ調査が実施された3。2009 年 4 月 1 日~2017 年 6 月 16 日の期間に、妊娠中又
は妊娠前 1 カ月以内に IFNβ-1a 又は IFNβ-1b の投与を受けた、妊娠転帰が判明する前、又は
出生前検査で先天性奇形が検出される前の妊婦が登録された4。なお、調査開始以降、MS の
診断及び医学的に妊娠が確認された自発報告症例が登録されたが、2015 年以降は、MS の診
断が確定していない症例、医学的に妊娠が確認されていない症例、事前に特定された患者サ
ポートプログラムからの症例も登録された。
登録された 2,447 件のうち、妊娠転帰の情報が得られた 948 件が解析対象集団とされた。
妊娠転帰の発現状況は表 1 のとおりであった。自然流産は 10.7%(101/948 件)に認められ、
出生児の先天異常は 2.1%(17/794 件)に認められた5。この結果について著者らは、非治療
の MS 合併妊婦に関する既報の公表文献における自然流産の発現割合(0~21.1%)6及び先
天異常の発現割合(0~8.9%)7とは大きく異ならなかったと考察している。

3
4
5

6

7

European IFN beta pregnancy registry
追跡期間は明記されていない。
先天異常(Congenital anomalies)は、欧州医薬品審査庁(EMEA)の 2005 年ガイドライン(Guideline on the exposure
to medicinal products during pregnancy: need for post-authorisation data)における「検出時点によらず、胚又は胎児
の形態的、機能的又は生化学的な発育障害を指す。先天異常、胎児病、早期発症の遺伝性疾患、発育遅延を含む。

との定義が採用されている。
非治療の MS 患者における自然流産の発現割合として引用された文献は以下のとおりであった。
Mult Scler 2009; 15: 1037-42、Mult Scler 2016; 22 : 801-9、Neurology 2010; 75 : 1794- 802、Neurology 2005; 65 : 80711、Neurology 2005; 65 : 802-6、Neurology 2005; 65 : 802-6、Mult Scler 2015; 21 : 198-205、Neurology 2014; 82 : 67480、Neurol Ther 2015; 4 : 93-104、J Neurol 2008; 255 : 1250-3、BMC Neurol 2012; 12: 124、CNS Drugs 2010; 24 : 96976
非治療の MS 患者における先天異常の発現割合として引用された文献は以下のとおりであった。
Mult Scler 2009; 15: 1037-42、Ther Adv Neurol Disord 2012; 5: 247-53、Mult Scler 2016; 22: 801-9、Neurology 2005;
65: 807-11、Neurology 2005; 65: 802-6、Mult Scler 2016; 22: 810-6、 Mult Scler 2015; 21: 198-205、Mult Scler 2011;
18: 460-7、Mult Scler 2010; 16: 950-5

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