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参考資料1 落合委員提出資料 (7 ページ)

公開元URL https://www8.cao.go.jp/kisei-kaikaku/kisei/meeting/committee/241112/agenda.html
出典情報 規制改革推進会議(第21回 11/12)《内閣府》
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会が生じていない。このために、行政のみならず国民も定性的、ストーリー的議論に強く影
響を受けているのではないかとも思われる。
ただし、事実をもとに議論する場合でも、規制を変更すると生じうるリスクのみに焦点を
当てて議論が行われてしまうと、ゼロリスク信仰に陥ってしまうことも経験するところであ
る。例えば、現行の医療の仕組みにおいても医療事故やアクセスの制約は避けられず、現行
の交通法規や公共交通体系においても一定の事故や輸送支障は避けられない以上、新たな制
度やサービスに変更すると生じうるリスクのみに焦点を当てて、当該制度やサービスの導入
の是非を議論しても効果的な議論にならない。
現行制度におけるリスクのレベルのみに着目するのではなく、新たな制度やサービスに
おいて想定されるリスクとベネフィットとを適切に踏まえた上で、両者を比較衡量すべき
である。つまり、規制を変更した場面でのリスクのみを単純に議論するのではなく、規制
を変更によって生じるリスクとベネフィットとを特定した上で、新旧両規制のメリットと
デメリットを比較し、総合的によりよい制度のあり方について議論すべきである。特に新
たな取組みに対するゼロリスク信仰を維持した場合は、供給制約課題の下では後述のよう
に必要なインフラ・サービスの利用ができず、重大な不利益を受ける者が多数生じる場合
が少なからず想定されることにも考慮して、ゼロリスク信仰に陥らないことが重要であ
る。
また付言しておくと、行動経済学の「プロスペクト理論」において、損失を回避する意思
決定に陥りがちであると指摘されることがあるが、何かを喪失するリスクが、何かを得るメ
リットよりも強く意思決定に影響しうる点という考慮した上で、定量的な議論を促進するよ
う心がける必要がある。供給制約社会の中では、例えば、地方においてある国家資格を有す
る医療専門職が減少しているような場合に、新規参入の増加やタスクシフト等が実行されな
ければ、医療サービスが維持されず、これによって救われない命が生じることもある。そこ
で、新規参入やタスクシフトによるメリットのみならず、規制改革が進まないことでサービ
ス提供が困難となり、失われる価値がどのようなものかについても議論することも重要とな
りうる。
供給制約社会における構造の転換は、経済成長が継続し、その残滓が残る中での小規模
な構造変化に比べ、変更点が大きく、また実際にはリスク管理としても一度の規制改革の
みで合理的な目標達成に至ることができないことも多い。行政の DX という業界の構造改革
に比べれば目標が見えやすいテーマでも、繰り返し同様の議題で WG が設定され、フォロー
アップ、提案が繰り返し交錯する事例は数多い。このため、課題によっては、実験的手法
の導入や、段階的な議論を進めることも含めて、漸進的な改革の進展を図ることが合理的
な場合もあることに留意が必要である。
ここまでの視点を踏まえ、規制改革推進会議等の規制改革の議論において、以下のよう
な進行を行うべく、質問事項例、回答書式、参考資料集を整備することが考えられる。


当初の規制改革会議の答申に至るまでの議論においても、新たな制度やサービ
スに変更すると生じうるリスクのみでなく、当該制度やサービスを提供すること

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