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新型コロナウイルス感染症(COVID-19)診療の手引き・第7.2版 (13 ページ)
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公開元URL | https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000121431_00332.html |
出典情報 | 「新型コロナウイルス感染症(COVID-19)診療の手引き・第7.1版」の周知について(5/9付 事務連絡)《厚生労働省》 |
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●新型コロナウイルス感染症(COVID-19) 診療の手引き・第 7.2 版 ●2 臨床像
2. 重症化のリスク因子
COVID-19 は自然に回復する患者も多いが,特定の属性や基礎疾患があると,医療上の入院,酸
素投与,集中治療が必要となるリスク(重症化リスク)が大きくなる.本項ではこれらの重症化リ
スク因子についてまとめた.一般にリスク因子の数が多いほど重症化リスクは大きくなると考えら
れている.ワクチン接種を適切に受けることは重症化リスクを低下させる有効な手段である.
【年齢・性別】
高齢は最も重要な重症化リスク因子である.なお,COVIREGI-JP の解析では,60 歳以上の基礎
疾患のない患者の致死率は 3.9% であったのに対し,60 歳以上の基礎疾患のある患者の致死率は
12.8% と高く,高齢かつ基礎疾患のある患者で特に死亡リスクが高い.
表 2-1
における 60 歳以上の致死率
6-2 COVIREGI-JP
検体採取時の個人防護具
2020 年 12 月 2 日時点で本レジストリに登録された情報のうち,2020 年 10 月 30 日までに退院した患者(死亡退院を含む)の分析
年齢
60 〜 64
65 〜 69
70 〜 74
75 〜 79
80 〜
315
293
214
164
144
5(1.7)
7(3.3)
8(4.9)
20(13.9)
592
668
516
1,265
38(6.4)
50(7.5)
71(13.8)
275(21.8)
基礎疾患なし
患者数
死亡者数(致死率%) 4(1.3)
基礎疾患あり
患者数
507
死亡者数(致死率%) 20(3.9)
・国立国際医療研究センター . COVID-19 レジストリ研究 解析結果 .
また,複数のメタアナリシスによって,男性は女性に比べて重症化や死亡のリスクが高いことが
明らかにされている.
・Peckham H, et al. Male sex identified by global COVID-19 meta-analysis as a risk factor for death and ITU admission.
Nat Commun 2020.
【基礎疾患】
COVIREGI-JP の解析では,入院時の重症度に関わるリスク因子,入院後の死亡率が高い基礎疾
患は表 2-2 の通りである.入院時に非重症であった者のうち基礎疾患がない場合は,酸素投与や人
工呼吸/ ECMO 管理を要したのは 11.9 %のみであったが.基礎疾患があると 40 %程度まで増加
した.入院時の重症度や死亡のリスク因子はそれぞれ異なることが示唆された.
表 2-2 COVIREGI-JP における重症化リスク因子
日本 COVIREGI-JP( n=3376 ; 16 Jan 2020 - 31 May 2020)
入院時に酸素投与が必要な患者割合が大きい
(多変量解析)オッズ比
慢性肺疾患
男性
肥満
心血管疾患
糖尿病
高血圧
2.51
2.09
1.75
1.48
1.34
1.33
入院時に重症と診断された患者のうち死亡
率が高い(≥15%)
・慢性腎臓病
・心血管疾患
・脳血管疾患
・慢性肺疾患
(COPD を含む)
・固形腫瘍
・糖尿病
・肝疾患
・高血圧
・脂質異常症
・Terada M, et al. Risk factors for severity on admission and the disease progression during hospitalisation in a large cohort
of patients with COVID-19 in Japan. BMJ Open 2021.
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2. 重症化のリスク因子
COVID-19 は自然に回復する患者も多いが,特定の属性や基礎疾患があると,医療上の入院,酸
素投与,集中治療が必要となるリスク(重症化リスク)が大きくなる.本項ではこれらの重症化リ
スク因子についてまとめた.一般にリスク因子の数が多いほど重症化リスクは大きくなると考えら
れている.ワクチン接種を適切に受けることは重症化リスクを低下させる有効な手段である.
【年齢・性別】
高齢は最も重要な重症化リスク因子である.なお,COVIREGI-JP の解析では,60 歳以上の基礎
疾患のない患者の致死率は 3.9% であったのに対し,60 歳以上の基礎疾患のある患者の致死率は
12.8% と高く,高齢かつ基礎疾患のある患者で特に死亡リスクが高い.
表 2-1
における 60 歳以上の致死率
6-2 COVIREGI-JP
検体採取時の個人防護具
2020 年 12 月 2 日時点で本レジストリに登録された情報のうち,2020 年 10 月 30 日までに退院した患者(死亡退院を含む)の分析
年齢
60 〜 64
65 〜 69
70 〜 74
75 〜 79
80 〜
315
293
214
164
144
5(1.7)
7(3.3)
8(4.9)
20(13.9)
592
668
516
1,265
38(6.4)
50(7.5)
71(13.8)
275(21.8)
基礎疾患なし
患者数
死亡者数(致死率%) 4(1.3)
基礎疾患あり
患者数
507
死亡者数(致死率%) 20(3.9)
・国立国際医療研究センター . COVID-19 レジストリ研究 解析結果 .
また,複数のメタアナリシスによって,男性は女性に比べて重症化や死亡のリスクが高いことが
明らかにされている.
・Peckham H, et al. Male sex identified by global COVID-19 meta-analysis as a risk factor for death and ITU admission.
Nat Commun 2020.
【基礎疾患】
COVIREGI-JP の解析では,入院時の重症度に関わるリスク因子,入院後の死亡率が高い基礎疾
患は表 2-2 の通りである.入院時に非重症であった者のうち基礎疾患がない場合は,酸素投与や人
工呼吸/ ECMO 管理を要したのは 11.9 %のみであったが.基礎疾患があると 40 %程度まで増加
した.入院時の重症度や死亡のリスク因子はそれぞれ異なることが示唆された.
表 2-2 COVIREGI-JP における重症化リスク因子
日本 COVIREGI-JP( n=3376 ; 16 Jan 2020 - 31 May 2020)
入院時に酸素投与が必要な患者割合が大きい
(多変量解析)オッズ比
慢性肺疾患
男性
肥満
心血管疾患
糖尿病
高血圧
2.51
2.09
1.75
1.48
1.34
1.33
入院時に重症と診断された患者のうち死亡
率が高い(≥15%)
・慢性腎臓病
・心血管疾患
・脳血管疾患
・慢性肺疾患
(COPD を含む)
・固形腫瘍
・糖尿病
・肝疾患
・高血圧
・脂質異常症
・Terada M, et al. Risk factors for severity on admission and the disease progression during hospitalisation in a large cohort
of patients with COVID-19 in Japan. BMJ Open 2021.
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