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新型コロナウイルス感染症(COVID-19)診療の手引き・第7.2版 (39 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000121431_00332.html
出典情報 「新型コロナウイルス感染症(COVID-19)診療の手引き・第7.1版」の周知について(5/9付 事務連絡)《厚生労働省》
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●新型コロナウイルス感染症(COVID-19) 診療の手引き・第 7.2 版 ●4 重症度分類とマネジメント

4. 重 症
1)COVID-19 重症肺炎の特徴
○ COVID-19 の肺炎は L 型(比較的軽症)と H 型(重症)に分類される.
○ いずれも高めの PEEP を要するが,呼吸療法や鎮静の対応が異なる.
○ 一部 L 型から H 型へ移行するが,移行したことの判定が難しい.
○ 適切な対応には,集中治療の専門知識と監視体制が不可欠.
○ この両型の存在には否定的なデータも出てきており,個々の患者に応じた治療が重要と考
えられる.

L型

➡︎ H 型

病態 • 肺内含気は正常でコンプライアンスも正常
(Low elastance)

• 肺水腫で含気が減少し,コンプライアン
スも減少(High elastance)

• 肺循環障害のために低酸素血症
(Low V/Q ratio)

• シャント血流の増加による低酸素血症
(High right-to-left shunt)

• 肺水腫が生じていない
(Low lung weight)

• 肺水腫のために重症 ARDS 並みの肺重量
(High lung weight)

• リクルートする無気肺なし
(Low lung recruitability)

• 含気のない肺組織はリクルート可能
(High lung recruitability)

治療 • 1回換気量制限は必須ではない

• 1回換気量制限は必須

• 腹臥位療法の効果あり

• 腹臥位療法の効果あり

・換気量が多すぎると,肺傷害が起こる
ため,換気量を抑えるために鎮静剤や
筋弛緩剤の使用を検討する

• 一般に治療抵抗性であるため,
ECMO-net 等の専門施設へ紹介

・Gattinoni L, et al. COVID-19 pneumonia: different respiratory treatment for different phenotypes? Intensive Care Med 2020.
・Bos DJL, et al. Longitudinal respiratory subphenotypes in patients with COVID-19-related acute respiratory distress
syndrome: results from three observational cohorts. Lancet Respir Med 2021.

2)気管挿管手技
急速に呼吸状態が悪化することに留意し,気道管理について幅広い経験をもった手技者(救
急専門医,集中治療専門医など)をあらかじめ治療チームに含める.さらに,気管挿管はエア
ロゾルが発生する手技であることに留意し,フェイスシールドあるいはゴーグル装着に加えて
空気感染予防策(N95 マスク装着)が必要である.また,エアロゾル感染のリスクを減らすた
めに,前酸素化に引き続き,鎮静薬,鎮痛薬および筋弛緩薬をほぼ同時に連続投与し,バッグ
マスク換気は行わない迅速導入気管挿管(rapid sequence induction:RSI)が選択され,
さらに,
直視下での挿管に比べ患者との距離が保て,口腔内を直接のぞき込まずにモニター画面を見て
挿管手技が行えるビデオ喉頭鏡の使用を考慮する.
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