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新型コロナウイルス感染症(COVID-19)診療の手引き・第7.2版 (24 ページ)
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公開元URL | https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000121431_00332.html |
出典情報 | 「新型コロナウイルス感染症(COVID-19)診療の手引き・第7.1版」の周知について(5/9付 事務連絡)《厚生労働省》 |
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●新型コロナウイルス感染症(COVID-19) 診療の手引き・第 7.2 版 ●2 臨床像
6. 妊婦例の特徴
国内外の臨床統計から,妊婦が同年齢の女性と比較して,特に COVID-19 に罹患しやすい
ということはない.しかし,妊娠後半期に感染すると,早産率が高まり,患者本人も重症化し
やすいという事実が明らかになった.一方,妊娠初期・中期の感染で胎児に先天異常を起こす
という報告はなく,子宮内感染も稀である.
日本産科婦人科学会(周産期委員会)事業 COVID-19 妊婦レジストリによれば,2021 年
10 月 31 日までに登録された感染妊婦 346 例中,軽症 242 例(74 %)
,中等症 I 47 例(14
%),中等症 II 51 例(15 %),重症 6 例(1.7 %)であった.母体死亡の登録はなかった.妊
娠 22 週以降,BMI 26.3 以上,喘息などの呼吸器疾患の既往が重症化のリスク因子であった.
欧米ではこれに加えて,人種や喫煙歴,妊娠高血圧症候群,妊娠性糖尿病,血栓傾向などがリ
スク因子として報告されている.諸外国の統計では,妊娠中のワクチン接種は新生児の入院リ
スクを減少させる.死産,あるいは母児ともに生命にかかわる事態に陥ったのは,すべて未接
種者であったと報告されている.諸外国でもわが国でも,妊娠中のワクチン接種による母体と
胎児・新生児に対する奇形や流早産などの重篤な有害事象の増加はない.そのため,日本産科
婦人科学会・日本産婦人科感染症学会では,すべての妊婦に週数を問わず,積極的なワクチン
接種を推奨している.
COVIREGI-JP/REBIND においても,2020 年 1 月~ 2021 年 4 月に登録された女性(15
~ 45 歳未満)入院患者(妊婦 187 例,非妊婦 935 例)の解析から,妊婦群(18 例,9.6 %)
が非妊婦群(46 例,4.9 %)より中等症・重症患者の割合が高いことが判明した.また,感染
妊婦(254 例)を軽症群と中等症・重症群で比較したところ,妊娠中期(14 週)以降(OR 5.3
[95%CI: 1.2 ~ 23.1]),基礎疾患(喘息,糖尿病,高血圧など)の存在(OR 3.9 [95%CI: 1.2
~ 12.5])が中等症・重症と関連していた.
〈参考〉
・出口雅士,他.国内での COVID-19 妊婦の現状 ~妊婦レジストリの解析結果(2021 年 10 月 31 日迄の登録症例)
.
2022.2.1.
・Halasa NB, et al. Effectiveness of maternal vaccination with mRNA COVID-19 vaccine during pregnancy
against COVID-19–associated hospitalization in infants aged <6 months-17 states, July 2021- January 2022.
・Engjom H, et al. Severe COVID-19 in pregnancy is almost exclusively limited to unvaccinated women-time for
policies to change. Lancet Reg Health Eur 2022.
・Shoji K, et al. Clinical characteristics and outcomes of COVID-19 in pregnant women: a propensity score
matched analysis of the data from the COVID-19 Registry Japan. Clin Infect Dis 2022.
・Wadman M. Studies reveal dangers of SARS-CoV-2 infection in pregnancy. Science 2022.
・Goldshtein I, et al. Association of BNT162b2 COVID-19 vaccination during pregnancy with neonatal and early
infant outcomes. JAMA Pediatr 2022.
・日本産科婦人科学会周産期委員会・周産期における感染に関する小委員会.妊婦の新型コロナウイルスワクチン接種に関
する WEB アンケート調査結果について.2022.1.12.
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6. 妊婦例の特徴
国内外の臨床統計から,妊婦が同年齢の女性と比較して,特に COVID-19 に罹患しやすい
ということはない.しかし,妊娠後半期に感染すると,早産率が高まり,患者本人も重症化し
やすいという事実が明らかになった.一方,妊娠初期・中期の感染で胎児に先天異常を起こす
という報告はなく,子宮内感染も稀である.
日本産科婦人科学会(周産期委員会)事業 COVID-19 妊婦レジストリによれば,2021 年
10 月 31 日までに登録された感染妊婦 346 例中,軽症 242 例(74 %)
,中等症 I 47 例(14
%),中等症 II 51 例(15 %),重症 6 例(1.7 %)であった.母体死亡の登録はなかった.妊
娠 22 週以降,BMI 26.3 以上,喘息などの呼吸器疾患の既往が重症化のリスク因子であった.
欧米ではこれに加えて,人種や喫煙歴,妊娠高血圧症候群,妊娠性糖尿病,血栓傾向などがリ
スク因子として報告されている.諸外国の統計では,妊娠中のワクチン接種は新生児の入院リ
スクを減少させる.死産,あるいは母児ともに生命にかかわる事態に陥ったのは,すべて未接
種者であったと報告されている.諸外国でもわが国でも,妊娠中のワクチン接種による母体と
胎児・新生児に対する奇形や流早産などの重篤な有害事象の増加はない.そのため,日本産科
婦人科学会・日本産婦人科感染症学会では,すべての妊婦に週数を問わず,積極的なワクチン
接種を推奨している.
COVIREGI-JP/REBIND においても,2020 年 1 月~ 2021 年 4 月に登録された女性(15
~ 45 歳未満)入院患者(妊婦 187 例,非妊婦 935 例)の解析から,妊婦群(18 例,9.6 %)
が非妊婦群(46 例,4.9 %)より中等症・重症患者の割合が高いことが判明した.また,感染
妊婦(254 例)を軽症群と中等症・重症群で比較したところ,妊娠中期(14 週)以降(OR 5.3
[95%CI: 1.2 ~ 23.1]),基礎疾患(喘息,糖尿病,高血圧など)の存在(OR 3.9 [95%CI: 1.2
~ 12.5])が中等症・重症と関連していた.
〈参考〉
・出口雅士,他.国内での COVID-19 妊婦の現状 ~妊婦レジストリの解析結果(2021 年 10 月 31 日迄の登録症例)
.
2022.2.1.
・Halasa NB, et al. Effectiveness of maternal vaccination with mRNA COVID-19 vaccine during pregnancy
against COVID-19–associated hospitalization in infants aged <6 months-17 states, July 2021- January 2022.
・Engjom H, et al. Severe COVID-19 in pregnancy is almost exclusively limited to unvaccinated women-time for
policies to change. Lancet Reg Health Eur 2022.
・Shoji K, et al. Clinical characteristics and outcomes of COVID-19 in pregnant women: a propensity score
matched analysis of the data from the COVID-19 Registry Japan. Clin Infect Dis 2022.
・Wadman M. Studies reveal dangers of SARS-CoV-2 infection in pregnancy. Science 2022.
・Goldshtein I, et al. Association of BNT162b2 COVID-19 vaccination during pregnancy with neonatal and early
infant outcomes. JAMA Pediatr 2022.
・日本産科婦人科学会周産期委員会・周産期における感染に関する小委員会.妊婦の新型コロナウイルスワクチン接種に関
する WEB アンケート調査結果について.2022.1.12.
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