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資料1-2-11診断基準等のアップデート案(第49回指定難病検討委員会資料) (22 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_25626.html
出典情報 厚生科学審議会 疾病対策部会指定難病検討委員会(第49回 5/16)《厚生労働省》
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193 プラダー・ウィリ症候群
○ 概要
1.概要
1956 年内分泌科医のプラダーと神経科医のウィリが合同で発表した先天異常症候群である。15 番染色
体長腕の異常による視床下部の機能障害のため、満腹中枢をはじめ体温、呼吸中枢などの異常が惹起さ
れる。頻度は、1万人から1万5千人に1人とされ、人種差はないとされている。
2.原因
15 番染色体長腕上の刷り込み遺伝子の障害で、欠失型、片親性ダイソミー型、刷り込みセンターの異常
など3つの病因が考えられている。現在では、メチレーション試験により、99%以上の確定診断が可能であ
る。遺伝子異常は、15 番染色体 15q11-q13 領域の欠失(70%)、同領域の母性ダイソミーUPD(25~28%)、
同領域のメチル化異常(2~5%)とされる。病因の違いで多少の臨床症状に差は出るが、原則同様と考え
てよい。父性発現遺伝子 SNORD116 の発現消失がプラダーウイリ症候群を招く最も重要な原因とされてい
る。
3.症状
内分泌・神経の症状を有する先天異常症候群であり、内分泌学的異常(肥満、低身長、性腺機能障害、
糖尿病など)、神経学的異常(筋緊張低下、特徴的な性格障害、異常行動)がみられる。他に、小さな手足、
アーモンド様の目、色素低下など身体的な特徴を示す。臨床症状の特徴は、年齢毎に症状が異なることで
ある。乳児期は、筋緊張低下による哺乳障害、体重増加不良、幼児期から学童期には、過食に伴う肥満、
思春期には二次性徴発来不全、性格障害、異常行動、成人期には、肥満、糖尿病などが問題となる。
4.治療法
現在まで治療の根幹は、①食事療法、②運動療法、③成長ホルモン補充療法、④性ホルモン補充療法、
⑤精神障害への対応の5つである、①から④までの治療は、ほぼ世界的に認容されている。⑤に関しては、
今後の課題である。
5.予後
主に肥満に関連した心血管障害・睡眠時無呼吸・糖尿病が生命予後に影響を与える。

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