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「地域で安心して暮らせる精神保健医療福祉体制の実現に向けた検討会」報告書 (24 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_26149.html
出典情報 「地域で安心して暮らせる精神保健医療福祉体制の実現に向けた検討会」報告書について(6/9)《厚生労働省》
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院中の患者の任意入院への移行や退院促進に向けた支援のほか、急性期のチー
ム医療では、クリニカルパス(院内標準診療計画書)を活用した早期退院の取
組等が進められている。
他方で、現行の精神保健福祉法では、入院時に任意入院が行われるよう努め
る旨の規定が置かれている(第 20 条)が、入院中の患者について、任意入院
への移行を求める明文規定は設けられていない。
○ 入院治療を含めた精神科医療は、本人の意思を尊重する形で行われることが
重要であり、患者の同意を得ることが困難な状況で入院を開始することを要し
た場合にも、その後の症状等の変化に応じて対応する必要があることから、医
療保護入院中の患者についても、その症状に照らし本人が同意できる状態にな
った場合は、速やかに本人の意思を確認し、任意入院への移行や入院治療以外
の精神科医療を行うことが必要である。
○ こうした確認は、入院中に日々行われるものであるが、制度上もこうした確
認が確実に行われることを一定の頻度で担保できるよう、医療保護入院の入院
期間(※)を定め、精神科病院の管理者は、この期間ごとに医療保護入院の要
件を満たすか否かの確認を行うこととするべきである。
※ 具体的な期間について、医療保護入院者における当初の入院計画での予測
入院月数は、6割以上の入院者が「3ヶ月以上6ヶ月未満」とされている(注)
ことを踏まえ、
「3ヶ月ごと(入院から6ヶ月経過後は6ヶ月)」とすること
が考えられる。また、入院期間の短縮を図る観点から「1ヶ月ごと(入院か
ら6ヶ月経過後は3ヶ月)」とする意見もあった。
注 令和元年6月に医療保護入院で入院した患者のうち、62.5%が当初の入
院計画での予測入院月数を「3ヶ月以上6ヶ月未満」とされている。
(厚生
労働省科学研究「精神保健福祉資料」より)
○ また、具体的な検討を進めるに当たっては、現行の退院支援委員会、定期病
状報告等の制度との整合性に留意する必要があるとの意見や、本人の意思に反
して入院させる心理的な負担を家族に繰り返し求める点に配慮が必要との意
見があった。さらに、入院期間を定める場合には、入院届の審査を担う精神医
療審査会の事務が増加することも考えられることから、適切な人員上の手当を
含む対応について検討が必要との意見があった。
こうした制度上の枠組みのほか、入院期間の短縮化に向けては、入院が長期
に及ぶ背景について、調査研究等を活用して実態に即した検討を長期的な視野
で進めるべきである。
○ 具体の制度及び実際の運用の在り方の検討を進めるに当たっては、こうした
意見についても考慮していくことが必要である。

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