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「地域で安心して暮らせる精神保健医療福祉体制の実現に向けた検討会」報告書 (28 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_26149.html
出典情報 「地域で安心して暮らせる精神保健医療福祉体制の実現に向けた検討会」報告書について(6/9)《厚生労働省》
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(患者のニーズに応じた医療の提供等)
・ 統合失調症の急性期の状態等にあり患者が明確に同意を拒否している場合が
ある一方、認知症等により病状は安定しているものの患者自身が有効な同意の
意思表示を行えない場合が増えている現状も踏まえ、精神疾患の特性により、
様々な場合があり得ることを念頭に置く必要があるのではないか。
・ 認知症等の入院患者が増えている現状のもと、患者の状態に応じた適切なサ
ービスを提供し、生活の質(QOL)を向上させる観点からは、今後精神病床のダ
ウンサイジングと並行して患者のニーズに応じた医療・居住の場の整備を進め
ていくための方策の在り方について、既存の制度の枠組みに限ることなく検討
していくことも重要ではないか。
(関係者の負担等)
・ さらに、患者が医療にアクセスすることが阻害されないようにしつつ、医療
機関や患者、現行法では同意を行うことが求められている家族等、特定の者に
過度の負担を求める仕組みとならないように留意することも必要ではないか。
この点、現行の医療保護入院制度については、患者の長期入院の一因となっ
ているとの指摘があること、入院に当たって同意を行う家族等にとっては、精
神的負担や本人との関係性の悪化等、過度の負担を伴う面があることから、廃
止も含めて検討して欲しいとの意見があった。また、代替策のない状況で現行
の制度の廃止の方向性を示すことは困難であり、患者の同意が得られない場合
の入院に関し、十分な議論が必要との意見があった。


なお、
「【報告書】当事者の視点から期待する-これからの入院制度につい
ての意識調査-」
(令和4年5月 一般社団法人精神障害当事者会ポルケ)で
は、当事者が医療を受けるに当たり、最も重要とする項目は「医師から説明
を受けて安心して医療を受けられる」点、次いで、「自分が希望するときに
受診、医療を受けられる」点とされている。

(海外の制度との対比等)
・ 精神疾患を有する患者は、権利擁護の仕組みを含め、どのような体系で入院
医療を受けることができるのか、海外の制度と対比しながら、患者の同意が得
られない場合の入院医療のあり方について、総合的な検討を進めることが必要
ではないか。

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