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「地域で安心して暮らせる精神保健医療福祉体制の実現に向けた検討会」報告書 (35 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_26149.html
出典情報 「地域で安心して暮らせる精神保健医療福祉体制の実現に向けた検討会」報告書について(6/9)《厚生労働省》
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第7

不適切な隔離・身体的拘束をゼロとする取組

【現状・課題】
○ 隔離・身体的拘束は、精神保健福祉法上、精神科実務経験を有し法律等に関す
る研修を修了した指定医の専門的知見に基づき、代替方法によることは困難であ
り、医療・保護を図る上でやむを得ないと判断された場合に、必要最小限の範囲
で行われる。
このように、精神科医療機関における隔離・身体的拘束は、法律の規定によ
り、患者の権利擁護に十分配慮することとされている。


精神科病院の医療は患者のために行われるものであり、患者の尊厳が確保され
ることが何より重要である。誰もがいざというとき、安心して信頼できる入院医
療を実現するには、患者の権利擁護に関する取組がより一層推進されるよう、実
際の医療現場において、精神保健福祉法の規定に基づく適正な運用が確保される
ことが必要である。



今夏目途で、障害者の人権及び基本的自由の享有を確保すること等を目的とする
障害者権利条約に基づく初回の対日審査が予定されており、障害者権利委員会から
は、隔離・身体的拘束の廃止のための措置等に関する事項について、事前の情報提
供が求められている。患者の権利を確保するための取組をより一層推進させていく
ことが重要である。



諸外国においても、現状では、やむを得ない場合に患者の隔離・身体的拘束を
行う制度が存在しており、人権擁護の仕組みとともに運用されている(※)。
※ 令和3年度 障害者総合福祉推進事業「精神疾患にかかる社会的コストと保健
医療福祉提供体制の国際比較に関する調査」事業報告書(PwC コンサルティング
合同会社)



そうした観点から、不適切な隔離・身体的拘束をゼロとすることを含め、隔離・
身体的拘束の最小化に、管理者のリーダーシップのもと、組織全体で取り組み、行
動制限最小化を組織のスタンダードにしていくことが求められている。

【対応の方向性】
(処遇基準告示(※)の見直し等)
※ 精神保健及び精神障害者福祉に関する法律第 37 条第1項の規定に基づき厚
生労働大臣が定める基準(昭和 63 年厚生省告示第 130 号)
○ 以下の方策により、不適切な隔離・身体的拘束をゼロとすることを含め、隔
離・身体的拘束の最小化の取組を総合的に推進すべきである。
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